犬を飼っていると、ふいに飼っている犬の口臭が気になることがあります。
原因は歯垢や歯石の堆積がほとんどですが、時には胃や腸など内蔵の病気が引き起こしている場合もあります。
そこで今回は、口臭の原因の見分け方と解決法をご紹介します。
口臭の原因の見分け方
犬の口臭の原因にはさまざまあり、まずそれを知ることからケアの方法を選択しなくてはなりません。
口臭の原因となる代表的なものには次のようなものがあります。
・歯垢が原因
柔らかいガーゼやタオルで犬の歯や歯ぐきを拭って臭っていれば歯垢が原因です。
・歯石が原因
歯石は目で確認できます。
歯と歯ぐきの付け根の部分を確認して、薄い茶色で盛り上がっていれば歯石が原因です。
・胃が原因
ガーゼで歯を拭って臭わず、エサを食べた後に頻繁に嘔吐するようなら胃が荒れている可能性があります。
またエサが合わずに吐く場合もあり、このときも口臭が発生します。
・鼻炎が原因
くしゃみや鼻水を頻繁にしたり、呼吸が苦しそうなら鼻炎の可能性があり、口臭が感じられるようになります。
・腎臓・肝臓が原因
尿が減って食欲がなくなると腎臓病の疑いがあり、逆に食欲があり、水をよく飲んで尿の回数があきらかに多いと糖尿病や肝臓病の疑いがあります。
・尿毒症が原因
腎臓の病気が悪化して尿毒症になることがあり。
すぐに病院での治療が必要になります。
食欲がなくなって下痢や嘔吐が頻繁にあるようなら疑いましょう。
歯垢が原因
犬の歯は小さく入り組んだ構造で、人間のように大量の水を飲んだりうがいをしたりしないために、食べたエサが詰まりやすくなっています。
歯垢が原因の場合の解決方法には以下のようなものがあります。
・歯磨きガムを使う
適度に硬い歯磨きガムを噛ませることで歯の表面の汚れを落として歯垢と歯石をつきにくくします。
柔らかすぎるものは喉につまらせたり、反対に硬すぎると歯が折れてしまったりしますので、選ぶ際には注意が必要です。
事故防止のためにも飼い主が手で持って噛ませるようにすることをオススメします。
・噛むおもちゃを与える
人間の「歯ブラシ」に相当するのがこれです。
硬いロープでできた噛むおもちゃを与えて遊ばせることで歯の汚れを除去する働きがあります。
・歯ブラシ
犬用の歯ブラシと歯磨き粉を使って人間と同じようにブラッシングします。
犬が抵抗を感じる場合は口や歯、舌などに手で触って褒めてあげることで徐々に慣らします。
歯磨き粉には犬の好きな匂いが付けられたものがありますので、犬の好みに合いそうなものをいくつか試してみるとブラッシングにも抵抗を感じずに楽にできるようになります。
週に3度くらいブラッシングしてやれば、かなり口臭を減らすことができます。
・口臭スプレー
ハーブなどが主成分となった口臭スプレーやリキッドは、口内の雑菌の除去作用があり、口内環境を整える働きがあります。
使い方としてはエサにかけたり、水に溶かして与えるなどの方法があります。
胃が原因
胃が悪くなって口臭が現れる原因のほとんどはエサにあり、エサとして望ましくないものを与え続けると胃が荒れてしまいます。
こういったことが原因の場合の解決法は以下のような正しいエサに切り替えることで解決します。
・エサを油分の少ないものにする
油分は胃を荒らすばかりか歯にこびりつき、汚れの原因になります。
また油分が多くてネバネバしたものは、歯に汚れが付く原因にもなります。
・エサを穀物が少ないものにする
犬種によっても違いますが、一般的に犬は穀物を消化しにくい体質です。
・エサを防腐剤を使っていないものにする
防腐剤も胃を荒らす原因になります。
・エサを着色料が使われていないものにする
ペットショップで売られているエサの中には着色料を使ったものがあります。
着色料を使わないエサは濃い茶色をしていますので、それ以外の色のものは選ばないことが大切です。
・エサを賞味期限が短めのものにする
賞味期限が1年などの場合、多くの保存料、防腐剤などの化学薬品が使われており、胃や内蔵に負担をかけます。
犬のエサも人間の食品と同様に添加物の表示義務があるため、エサのパッケージのどこかに必ず書かれおり、これらを理解するのにはそれなりの知識も必要です。
アメリカ製のエサは比較的質が高いとの噂もありますが、きちんとした輸入代行業者が取り扱い、日本語で成分表示がされているものを選びましょう。
その他の原因
上記以外の原因で口臭がある場合は内蔵の病気の可能性がありますので、動物病院で診察を受ける必要があります。
犬がかかる病気には次のようなものがあります。
・咽頭炎
・鼻炎
・肝臓病
・腎臓病
・糖尿病
・尿毒症
・癌
また歯石を発見した場合も家庭でのケアは難しいので動物病院で除去したほうが良いでしょう。
歯石除去に関しては、実施しているところとしていないところがありますので、事前に調べる必要があります。
犬の口臭は食生活や生活習慣が原因
犬の口臭のほとんどは、飼い主が与える食べ物や生活習慣が原因です。
人がかかる病気のほとんどが犬もかかるとも言われていますので、普段の健康管理が大切です。
人間とは適切な食べ物も違うため、人の口にするものを与えないことは口臭対策として一番の基本になります。