犬のお腹がふくらむ原因について、肥満や妊娠だけではありません。

そこには、病気の可能性が潜んでいるのです。

犬は自分で症状を訴えることができません。

飼い主は普段から犬を慎重に観察してあげてください。

それでは、犬のお腹が膨らむ原因について、ご紹介します。

寄生虫などによるお腹の膨らみ

フィラリアなど、寄生虫によりお腹が膨らんでいる可能性があります。

フィラリアは主に、心臓に寄生して起こる病気です。

その場合、犬の腹部が熱を持っていることが多いです。

お腹が少し膨らんでるなと思っていたところ、犬を抱っこしようとしたらギャンギャン鳴いて痛がってわかったというケースもあります。

お腹が膨れる以外にも、咳が出る、食欲がない、呼吸困難など主に呼吸器系に症状が現れます。

フィラリアは蚊が感染媒体ですので、春から秋にかけての予防で防ぐことができます。

病院に行って、1年効果のあるワクチンを打ってもらったり、毎月投与するチュアブル錠などを接種する方法などがあります。

肝硬変によるお腹の膨らみ

肝硬変によりお腹が膨らんでいる可能性があります。

肝硬変になると、お腹に水が溜まる、いわゆる腹水がある状態になります。

しかし残念なことに、腹水が溜まっていても、犬はあまりお腹を痛がりませんから、症状を見落とされがちです。

犬のお腹を触って、タプタプと音がしたら腹水がある可能性が高いです。

腹水以外の症状としても、黄疸が出てくる、元気がない、体重が減るなどがあります。

肝硬変は完治することは難しく、一度なると、一生涯の付き合いになってしまいます。

しかしながら腹水を抜き、抗生物質など投薬の治療を続け、食事管理などをしていれば、症状を抑えることができます。

腸閉塞によるお腹の膨らみ

腸閉塞によってお腹が膨らんでいる可能性があります。

急にお腹が膨らむのが特徴で、ボールやおもちゃなど比較的大きな異物を誤って飲み込んでしまい、腸が詰まってしまっている状態です。

誤食後に時間が経ってしまっていて、治療困難になる場合や、症状が重くなってしまう場合もあるので、このような場合、様子伺いをするのはとても危険です。

最悪の場合、死に至ることもあります。

お腹の膨らみ以外の症状で嘔吐、腹痛、便が出ないなどがあります。

また飲み込んだものを吐き出そうとして、一心に床やじゅうたんを舐め続ける行動が見られることがあります。

病院の処置としては、薬や内視鏡を使った異物の除去や、最悪手術などで胃を切開して取り出す方法などがあります。

大きな異物以外にも、プラスチック製品やゴム製品など、消化されずに胃に残ってしまい、体に不調をきたす恐れがありますので、普段から犬の届かないところに物を置くなど、誤食には気を付けなければなりません。

お腹のガンによるお腹の膨らみ

肝臓ガンなど、腹部にガンができていてお腹が膨らんでいる可能性があります。

肝臓は犬の体内で最も大きな臓器であり、多数の身体機能やプロセスに関与しています。

肝臓にかかる負担も大きく、病気やガンにもなりやすいのです。

しかしながら、初期の肝臓がんに症状はほとんどなく、早期の段階で見つけるのは実は至難の業です。

ある程度ガンが進行してくると、元気がなくなったり、食欲がない、体重が減る、腹水、または食べても嘔吐するなどの症状が出てきます。

便の色や形にも変化が現れることがあるので、注意して見てみてください。

黄疸が出てたりするのは、末期の症状です。

肝臓がんは、早期であれば、外科手術で治療が可能です。

経験豊かな獣医は、触診だけでも多くのことがわかったりしますし、病気の判断は、症状以外にも、血液検査や超音波検査、レントゲン画像検査などからもわかります。

手遅れになる前に、定期的に病院で健康診断をしたり、診てもらったりしましょう。

胃拡張、胃捻転によるお腹のふくらみ

胃拡張や胃捻転などによってお腹が膨らんでいる可能性があります。

食べ過ぎや、食事を急いで取ってしまう犬に良く起こる病気で、胃にガスが溜まったり、量を多く取ってしまったことで胃が膨らんだり、捻じれたりしてしまっている症状です。

場合によっては、手術しなければいけない可能性も出てきます。

もともと犬はあまりおならをしたりしませんが、胃にガスが溜まったり、胃腸の動きが悪いために、おならが頻繁に出たりしますので、おならが出ること自体が既に異常のサインと取れます。

このような点からも、病気を疑った方が良いのかもしれません。

お腹が膨らみ様子が変ならすぐに病院へ

お腹が膨らんでいる場合、それらは緊急を要する状態である場合もあります。

様子を見ていたら、命を落としてしまうことだってあります。

上記の症状に少しでも思い当たるなら、できるだけ早くお医者さんに連れて行ってあげてください。

大切なペットが元気に暮らせるように、いつも観察して、ペットの異変にいち早く気づいてあげてくださいね。