動物は人間の言葉が話せません。
外へ散歩へ連れて行ったときや、遊んでいるときなど、何かの拍子で爪が引っ掛かってしまい出血してしまったとき、飼い主が冷静に処置してあげることが求められます。
大事な家族を守ってあげられるのは、飼い主だけです。
きちんと対処することができれば、傷口の治りも早くなります。
そこで、知っておいた方が良い対処法をご紹介します。
爪が折れているだけで出血はしていない場合
犬の爪には、人間と同じように血管と、神経が通っています。
私たちも爪を切ったとき、深爪すると血が出たり痛い思いをしますよね。
それと同じです。
どこに血管と神経が通っているかは、爪を見ればわかります。
利き手ではない方の手で、犬の脚を持って支え、利き手で犬の指を持って少し押してみると、爪が出てきます。
爪を光に当ててみると、ピンク色になっているところがあります。
そこには、血管と神経があります。
その子によって、爪の長さや、神経と血管がどこまで延びているかは違います。
爪切りの際はその少し上を切るのですが、そのピンク色の部分が折れたり、傷ついたりすると、出血したり、痛がったりします。
爪は折れたけど、折れたところから出血しておらず、爪やその周りを触ってみて痛がったりしていなければ、お家へ帰って2、3日様子をみてみましょう。
もし、痛がる様子が見られたり、食欲がなくなる、脚を気にしているというような症状があれば、病院へ連れて行ってください。
ちなみに後ろ脚を見る場合、犬は人間と違って脚を左右に動かせません。
そして前に脚を出すより、後ろに引っ張っぱってあげる方が体が安定します。
ですので、後ろ脚を見たいときには、飼い主さんが犬の頭と逆方向(犬のおしりの方)を向いて犬の体を支えてあげて、後ろ脚を後方に引っ張って見てあげましょう。
犬の爪の先端が折れて出血している場合
爪の先端からの出血の場合、お家で犬の爪切りをされている方は、犬の爪用の止血剤(パウダー)を使用して止血してあげてください。
その際、爪の周りや根元も触ってみて、痛がらなければそのまま様子をみてみましょう。
爪の根元部分が腫れる、または気にして指間を舐めている、などの症状が出た場合は、動物病院へ連れて行ってください。
また、脚を触るのをいつもは嫌がらないのに、嫌がって触らせてくれない。
といった場合には、無理をして見ようとせず、動物病院で診てもらうのがいいと思います。
止血剤をお持ちではない方は、ホームセンターなどでも爪切りと一緒に売ってあります。
自分ではできそうにない、という方は、タオルなどで優しく止血しながら動物病院へ行って、診てもらいましょう。
爪の根元から折れて出血し腫れて痛がっている場合
爪だけでなく、強い衝撃で骨も折れてしまっている可能性があります。
犬が嫌がらなければ、なるべく痛がらないよう、優しくタオルを当てて、止血しながら動物病院へ連れて行ってください。
ちなみに、人間用の薬で治そうとする方が多いのですが、動物たちには人間の薬は強すぎたり、場合によっては合わないこともあるため、応急処置でも使わない方がいいです。
また、痛いと嫌がって暴れてしまう子もいます。
その際は無理にタオルを当てようとしたり、触ろうとすると、暴れて出血が多くなったり、傷口が広がってしまう可能性があります。
無理に脚を触ろうとせず、優しく声かけをしてあげたり、撫でてあげたり、落ち着かせてあげながら動物病院へ連れて行ってください。
その際、1つだけ気を付けて頂きたいことがあります。
犬に傷口を舐めさせないことです。
犬の口内には細菌が多いので、傷口に細菌が付着すると、化膿してしまったり、傷の治りも遅くなってしまいます。
しっかり経過観察をしてあげよう
犬は当日、なんともなさそうに見えたとしても、翌日元気がなくなってしまったり、食欲がなくなってしまうこともあります。
また病院で処置をしてもらったあとも、傷口が気になって、エリザベスカラーをしていても、飼い主が見ていない間に器用にバンテージを外してしまう子もいます。
しっかりと様子を見てあげてください。
また、ケガをしてしまったあとは、いつものように遊べなかったり、歩けない場合もあると思います。
ストレスが溜まりがちになりますので、たくさん声をかけてあげたり、撫でてあげたり、その子が喜ぶようなことをしてストレスを緩和してあげてください。
飼い主さんも突然の出来事に焦ってしまったり、パニックになることもあると思います。
ですが、犬もそういった飼い主さんの様子を見て、同じように不安になって興奮してしまったりします。
そういうときこそ、落ち着いて、犬を安心させてあげることが一番大事です。
大事な家族だと思いますので、早く傷を治してあげられるよう冷静に対処してあげてください。