犬は生後3週間くらいで乳歯が生えてきます。

乳歯から永久歯への生え変わりは犬種、出生時期、栄養状態などで異なりますが、およそ5~6月齢から始まり、7~8ヶ月頃には生え揃います。

歯の本数は乳歯は28本、永久歯は42本ですが必ずこの本数ということではなく、少ない(欠歯)場合や多い(過剰歯)こともあります。

歯の生え変わり時に注意すべきことはどのようなことでしょうか。

1.様々なものを噛むようになる

歯の生え変わり時期はむずむずしたり、歯肉に違和感があります。

このむず痒さを解消するためスリッパや靴、鞄、テーブルや椅子の脚、家具、リモコン、携帯電話、眼鏡など様々なものを噛んでしまいます。

誤飲の原因にもなるため、噛まれて困るものは、犬が届かない場所へ置くようにしましょう。

電気コードなどは感電する事故にもつながるためカバーをするなど注意が必要です。

しかし、噛みたいという欲求を抑えるとストレスになるため、噛んでもよいオモチャを与えて飼い主が見ている状況で遊ばせるとよいでしょう。

お留守番をさせる場合には、噛んでしまうことを避けるため、フリーにさせずゲージなどでお留守番が出来るようにトレーニングしましょう。

2.乳歯が残ることがある

乳歯遺残といい、永久歯が生え揃った後も乳歯が抜けずに残っている場合があります。

原因は分かっていませんが小型犬に多くみられます。

動物病院での検診などで初めて気付く場合が多くなります。

乳歯が残ることで歯と歯の間に食べかすや歯垢が溜まりやすくなり、歯石の原因にもなります。

噛み合わせにも影響してくる場合があるため、乳歯遺残の場合には動物病院で相談しましょう。

3.抜けた歯を食べてしまった

抜けた歯は床や犬のベッドなどに落ちている場合と犬が飲み込んでいる場合があります。

飲み込む理由は食事を食べている時に抜けてそのまま飲み込んでしまうなどです。

オモチャで遊んでいる最中にもよく抜けます。

遊んでいる最中に口をモグモグさせたりしていたら、口の中をチェックしてみましょう、歯を食べようとしていることがあります。

もし食べてしまっても、歯は生体内で最も硬い組織のため、胃の中では溶けずそのまま便の中に混ざって出てきますので、慌てなくても大丈夫です。

歯が抜けた時に出血することもありますがすぐに止まりますので安心してください。

4.歯磨きはいつから

犬の歯磨きは歯周病予防のために必要で、年齢が経つほどトレーニングの時間も多くかかります。

乳歯の時期は歯が生え変わるから磨かなくてもよいということではなく、歯磨きを慣れさせるために仔犬を迎えたら時からトレーニングが必要です。

歯が生え変わったら、その歯をシニアになるまで健康に保ってあげなくてはなりません。

歯周病で歯を失う犬はとても多く、6歳以上の80%以上の犬が歯周病に罹患していると言われています。

歯周病で歯を失うと食事が食べにくくなったり、おもちゃで遊べなくなったりします。

さらに、口臭や各臓器の疾患に影響を及ぼすこともありますので、早い時期から歯磨きを習慣にしましょう。

歯磨きは自己流で始めると失敗することが多く、継続も難しいため、歯磨き導入時は専門家に習うとよいでしょう。

5.歯がグラグラしている

生え変わるまでは歯がグラグラしています。

無理に抜こうとせず自然にまかせるのがよいでしょう。

無理に抜こうとして折れてしまったり、歯列に影響が出るため自然に抜けるのを見守りましょう。

また、硬すぎるオモチャや蹄などの硬いおやつは歯が折れる原因となったり、エナメル質や歯肉にキズがついてしまうことがあります。

こうしたものは、子犬の時期だけではなく成犬になってからも与えないようにします。

7.食事

歯がグラグラしていたり、生え変わる時期でも特に食事を変える必要はありません。

ドッグフードならば月齢に合わせたフードを与えます。

歯がグラグラしてカリカリのドッグフードを食べにくそうにしている場合は、水でふやかして与えるとよいでしょう。

なかには、生え変わる時期に歯の違和感などで食欲が落ちる場合もあります。

ですがこれは一時的ですので、この場合も食べやすいようにふやかしたり、野菜を煮たものをトッピングをしたり、ゆで汁を混ぜるなど工夫をしてみましよう。

ただし、食欲も元気もない場合が続く場合には病気の可能性がありますので動物病院を受診してください。

噛み癖をつけないようにしよう

歯が生え変わる時期に、むず痒いために噛むことが多くなります。

飼い主の手や足を甘噛みする場合もあり、そのまましつけをせずにいると歯が永久歯になってからも噛む癖が残ってしまことがあります。

歯が痒いのだから仕方がないと諦めてしまわず、噛んではダメなものを噛んだ時にはきちんとしつけが必要です。

甘噛みが治らない場合には早めにドッグトレーナーなどの専門家に相談しましょう。