イギリスで産出され、王室でも愛されていたキングチャールズスパニエル。

チャールズ二世が、国務を疎かにするほど夢中になったとも言われています。

それほど貴族の人々に愛されたキングチャールズスパニエルとは、どのような犬なのでしょうか。

優しくて社交的な性格

キングチャールズスパニエルは、優しくて温厚な性格をしています。

また、とても愛情深く、飼い主に対して甘えん坊な部分も持っています。

基本的には落ち着いた性格の持ち主なので、飼い主の側でゆっくり過ごすことが大好きです。

他の犬や動物、見知らぬ人物に対しても警戒心は薄く社交的なため、比較的すぐに仲良くなります。

その社交性や優しさは、子供に対しても例外ではなく、一緒に遊んでくれたりもしますが、うるさい環境が得意な訳ではありません。

あまり賑やかすぎるとストレスが溜まり、時には噛んでしまったりする事もあるため、気をつけてあげましょう。

キングチャールズスパニエルの特徴

キングチャールズスパニエルの体重は3.5kg〜6kg、体高は26cm〜31cmで、分類としては小型犬になります。

体型はややずんぐりしており、頭部は大きめですが足は細めです。

マズルは潰れていて、目は小さく離れています。

その顔の見た目から「東洋人の顔つき」と表されることもあります。

耳と尾はどちらも垂れており、どちらも飾り毛が付いています。

披毛は、ウエーブがかかった長毛で、シルクのような手触りの二層構造となっています。

披毛の色は、ブレンハイム、ルビー、トライカラー、ブラックタンの4色となっています。

寿命とかかりやすい病気

キングチャールズスパニエルの寿命は、9歳〜12歳となっています。

かかりやすい病気としては、熱中症や膝蓋骨脱臼等があります。

熱中症は、キングチャールズスパニエルに限らず、短頭種が気を付けるべき病気となります。

短頭種は、体内の熱を逃すのが苦手な犬種のため、熱中症になりやすいのです。

熱中症になると、呼吸困難に陥るなどして危険な状態に陥ることがあります。

水分補給をこまめに行う他、夏場の散歩は涼しい時間帯に行うなどして対策をする必要があります。

膝蓋骨脱臼は、膝のお皿部分である膝蓋骨が、正常な位置からずれてしまう病気です。

この病気になると、歩行の際に支障が出ます。

軽度であれば足を浮かせて歩く程度ですが、重度になると生涯歩けない可能性も出てきます。

歩き方などに少しでも違和感を感じたら、受診するようにしましょう。

キングチャールズスパニエルのしつけ

キングチャールズスパニエルは、比較的しつけがしやすく、飲み込みもとても良いです。

しかし、時には気分屋で、飼い主の言うことを聞かずに無視することもあります。

仕方がないと諦めたり甘やかしたりせず、根気強くしつけをしてあげる必要があります。

また、しつけをする際は、叱ってしまうとストレスとなり逆効果になるので、出来たことを誉めて伸ばすほうが効果的です。

飼う際の注意点

キングチャールズスパニエルは、基本的にはあまり運動量は必要がない犬種です。

しかし、だからと言って全く運動をさせないと、ストレスが溜まってしまいます。

短時間でも、毎日散歩はさせてあげる必要があります。

しかし、逆に運動のし過ぎにも注意が必要です。

足の関節があまり強い方ではないので、長時間の散歩やドッグランなどでの運動はオススメできません。

運動量には注意しましょう。

また、寒さには弱い犬種のため、冬場の散歩の防寒にも注意してください。

披毛の手入れは、抜け毛が多いことと、玉になりやすいことから、あまり放置しすぎると皮膚病になる可能性があります。

週に3〜4回はブラッシングをしてあげるようにしましょう。

価格と入手方法

今まで記してきた内容を見ると、比較的飼いやすく人気がありそうなキングチャールズスパニエルですが、残念ながら同じスパニエル犬種であるキャバリアキングチャールズスパニエルに人気を持っていかれているのが現状です。

そのため、繁殖自体が進んで行われておらず、ペットショップはもちろん、ブリーダーさんを探すのも容易な事ではありません。

ブリーダーさんがいたとしても、値段は50万円前後になることもあります。

確実に手に入れるには、輸入も検討が必要です。

しかし、輸入となると更に値段はかかりますし、海外でも進んで繁殖されているわけではないため、やはり探すのは大変です。

飼いやすく珍しいキングチャールズスパニエルの特徴

性格は温厚で、散歩や運動もあまり必要ではないことから、飼いやすいイメージのキングチャールズスパニエル。

しかし、最後に記したように、入手するのがとても大変な犬種になります。

同じスパニエル犬種であるキャバリアキングチャールズスパニエルとはまた違って、その潰れたマズルが愛らしく感じる人も少なくないと思います。

入手方法こそ大変ですが、それが苦にならず、キングチャールズスパニエルの特性をよく理解して飼うことが出来れば、きっと素敵なパートナーとなってくれるでしょう。