アイルランドの国犬として指定されているケリーブルーテリア。
まだ世界中でもあまり知名度は高くありませんが、少しずつ愛好家が増えきているんですよ。
ここでは、そんなケリーブルーテリアの性格などについてご紹介します。
ケリーブルーテリアの歴史
ケリーブルーテリアは「アイリッシュ・ブルー」と呼ばれている、ケリー州が原産となる古いテリアの犬種を指します。
1847年にはすでに誕生していたことがわかっていますが、それ以前の細かな歴史については明らかになっていません。
この犬種は猟犬として昔から活躍しうさぎが鳥をはじめ、どう猛な害獣として知られているアナグマなどにも立ち向かっていき、活躍していたと言われています。
長い間アイルランド国内のみで飼育されていましたが、1920年代にドッグショーに出展されたのをきっかけに人気が出て、アメリカやイギリスなどに輸出されるようになりました。
ところが、猟犬としての気の荒さが家庭犬には向いていないとされ、あまりペットとして普及することはありませんでした。
けれどその後、このケリーブルーテリアの愛好家たちによって穏やかな気質をもったブルーテリアの繁殖が進められ、今では少しずつ人気を集めるようになってきています。
ケリーブルーテリアの体高・体重
平均的な体高は44~50㎝、そして体重は15~18㎏で、中型犬に分類されています。
猟犬としての役割を果たしていただけあり、体格は素晴らしく、体はがっしりとしていて筋肉質です。
ブルーテリアの毛は、テリア犬としては珍しくシングルコートで、ブルーが入ったグレーの色をしていますが、生まれたばかりの頃は真っ黒な毛色をしています。
そして生後9ヶ月頃からブルーがかったグレーへと変化をしていくのです。
また、琥珀色をした瞳、ふさふさのあごひげ、断尾されて直立しているしっぽ、そして細長いかたちをした顔も特徴的だといえるでしょう。
ケリーブルーテリアの性格
ケリーブルーテリアはとても落ち着いたマイペースな性格をしています。
テリア犬によく見られるように好奇心旺盛で、少し気が荒い一面もありますが、飼い主やその家族には従順で愛情深いことで知られています。
もともと家畜を外敵から守る役割をしていたため、本能が働いて、見知らぬ人に吠えたり噛みつくことがあります。
ただし、この行動は飼い主を守ろうとして起こすものであって、その見知らぬ人が敵ではないことが理解できるととてもフレンドリーになることがあります。
また、家の中ではお行儀よくできていても、外へ出かけると地面に穴を掘るなど、やんちゃな行動を起こすこともあります。
ケリーブルーテリアの飼い方
ある程度の運動量が必要になる犬種ですので、1日2回、30分から1時間程度は体を動かす時間を作ってあげるようにしましょう。
こうした散歩などの時間を確保できなければストレスとなり、攻撃的な性格へと変わってしまうこともあるので、飼育が可能かどうかよく考えて決めてください。
また、しつけに関しては、テリーブルーテリアの頑固な性格のせいで進めにくいことがあります。
気が強い犬種なので、無理やり進めようとすると反抗されてしまうことがあり、中途半端な状態になりかねません。
テリーブルーテリアは本来、飼い主を喜ばせることが大好きなので、その性格を活かし、褒めることをメインにしていくといいでしょう。
ただし、いけないことをした時には厳しく叱るようにしてください。
なお、被毛のお手入れは、毎月1回はトリミングをし、1週間に2回ほどコーミングを、そして2日に1回ほどブラッシングをしてあげることが必要です。
ケリーブルーテリアの寿命とかかりやすい病気
ケリーブルーテリアの寿命は平気で12~15年と言われています。
比較的長寿な犬種ですが、注意しておきた病気がいくつかあります。
主に目の病気で「白内障」「緑内障」「瞼腱内反または外反」「結膜炎」などです。
定期的に健診を受けるようにし、目は念入りにチェックしてもらうといいでしょう。
また、ごく稀にですが、ケリーブルーテリア特有の疾患である「小脳アビオトロフィー」という病気を発症することがあります。
この病気は、体内の神経が徐々に死んでいき、全身の機能が正常に働かなくなってしまうものです。
原因は「脳内出血」や「ウイルス感染」であるとされていますが、まだはっきりと解明されておらず、効果的な治療法もありません。
現在の医療では完治させることができない、怖い病気であるといえます。
ケリーブルーテリアの特徴を知ろう
テリーブルーテリアの性格や飼い方や注意すべき病気など、ご購入前に知っておいていただきたい情報をご紹介しました。
先ほどもお話した通り、テリーブルーテリアは運動時間の確保が重要な犬種ですので、家族でどこまで協力し合えるのかよく話し合い、購入を決めてくださいね。