世界最古のテリア犬種と言われているボーダーテリア。

元々はキツネなどを狩る猟犬として活躍していました。

現在では、ペットやショードッグなどとして飼育されています。

そんなボーダーテリアとは、どのような犬なのでしょうか。

テリア種には珍しい穏やかな性格

一般的にテリア種は、元々が猟犬だったために、警戒心が強く気性が激しいとされています。

しかし、ボーダーテリアは、比較的穏やかで人懐っこい性格をしています。

子供なども大好きで、多少手荒な扱いを受けても、基本的には優しく受け入れて怒ったりすることはありません。

しかし、ネズミやリスなどの齧歯類(げっしるい)とは、あまり相性が良くありません。

攻撃的な性格ではありませんが、やはり元は猟犬のため、追い掛けてしまう習性があります。

そのため、かじ歯類含め小動物との同時飼いは、あまりオススメできません。

探究心も持ち合わせているため、稀に吠えたり地面を掘り起こすなどの行動を見せることもあります。

ボーダーテリアの特徴

ボーダーテリアの体重は5kg〜7kg、体高は25cm〜28cmで、分類としては小型犬となります。

体型は、体高のほうが体長よりも少々長くなっています。

元々キツネなどの穴に住む動物を相手とする猟犬だったこともあり、狭い隙間に入るには丁度良い大きさの骨格をしています。

皮膚は厚くたるんでいて、この皮膚が、獲物に噛まれた時などに身を守る役割をしています。

披毛は二層構造となっており、短く密に生えた下毛と、硬くて真っ直ぐな針金のような上毛で出来ています。

毛色は、タン&ブラックやタン&ブルー、ブルー単色など、様々なものがあります。

寿命とかかりやすい病気

ボーダーテリアの寿命は、12年〜15年となっています。

かかりやすい病気としては、椎間板疾患や股関節形成不全などがあります。

椎間板疾患の中でも、最もかかりやすいのが、椎間板ヘルニアです。

肥満や老化が主な原因で、突然起き上がれなくなったり、歩行が出来なくなるといった症状があります。

また、排泄が上手く出来なくなるというような症状も現れます。

椎間板ヘルニアになった後に運動をすると、とても危険です。

症状が現れたら、早急に受診をしましょう。

股関節形成不全は、成長の過程で、股関節に異常が起こる病気です。

遺伝的なものが原因である場合がほとんどです。

この病気になると、歩行に支障が出たり、股関節を脱臼するなどの症状が見られます。

少しでも違和感を感じたら、こちらも早急に受診することをオススメします。

しつけ方

ボーダーテリアは、飼い主だと認識した人には忠実です。

そのため、子犬の頃から共に遊んで信頼関係を築くと共に、服従訓練を行う必要があります。

こちらが甘やかしてしまうと、ボーダーテリアは自分が上だと思い、注意を聞かなくなってしまいます。

服従訓練を行っておけば、その後のしつけが比較的楽になります。

ボーダーテリアは、テリア種としては人懐っこいとはいえ、全く他の動物との関わりがなければ、それなりに距離を置いてしまいます。

そのため、こちらも子犬の頃から、なるべく多くの動物や人物と関わりを持たせてあげることが必要です。

飼う際の注意点

ボーダーテリアは、体を動かすことが好きな犬種です。

そのため、散歩はもちろん、それ以外にも適度な運動をさせてあげる事が必要です。

散歩は1日1時間程度で、それ以外の運動は、多くの動きを必要とするゲーム感覚のものにすると喜びます。

屋外で飼えないわけではありませんが、暑さにそれほど強くない犬種です。

様子を見ながら、室内に入れてあげるなど配慮をしてあげましょう。

披毛の手入れは、披毛自体が硬くしっかりしているため、1週間に1度程度のブラッシングで充分です。

また、年に4回程度のムダ毛の処理もしてあげることが好ましいです。

価格と入手方法

ボーダーテリアの価格は、約35万円〜50万円程度となっています。

通常、主な犬の入手方法は、ペットショップでの購入、ブリーダーさんからの購入、里親などがあります。

しかしボーダーテリアは、国内ではまだまだ繁殖数が少ない希少な犬種です。

そのため、ペットショップで取り扱われることは、ほとんどありません。

また里親は、様々な事情で家がない犬を、代わりに引き取って育てるものですが、必ずしもボーダーテリアが見付かるとは限りません。

そのため入手するには、ブリーダーさんを探す方が確実ですが、国内のブリーダーさんも、まだまだ少ないです。

それでも、どうしても見つからなければ、海外からの輸入も視野に入れる必要があります。

しかし、海外からの輸入となると、仲介や様々な手続きなどから、100万円前後することもあるため、よく考えて探す必要があります。

ボーダーテリアの特徴を知ろう

テリア種でありながら、比較的穏やかで、他のテリア種よりも飼いやすいイメージのボーダーテリア。

しかし、そもそもの国内繁殖数が少ないため、出会うまでには苦労する犬種かと思います。

また出会えたとしても、穏やかとは言え、もちろんしつけはきちんと行わなければならなかったりと、大変さは付いてきます。

どのような犬種でもそうですが、飼いやすそうだからと軽く考えずに、ボーダーテリアの特性をきちんと把握した上で飼うことが大切です。