お散歩の途中で、犬が鼻を鳴らして歩いていたりすることはありませんか?

こうした「鼻を鳴らす」という行為は、普段の生活の中でよく見かける仕草ではあります。

あまり珍しい行為とはいえませんが、犬が鼻を鳴らすのにはいったいどんな心理や理由があるのでしょうか。

犬が鼻を鳴らす理由についてご紹介します。

匂いを嗅ぐ前のリフレッシュ

犬が「ふんっ」と鼻を鳴らす時に、いちばんよくあるのが何かの匂いを嗅ぐ前のタイミングです。

「ふんっふんっ」としょっちゅうやっているようなこともあります。

何かの匂いを嗅ぎたい時や、興味をそそられるものがあるとこうした行動を取るようです。

外で散歩をしていた入り、新しいドッグフードやおもちゃを与える時に多いかもしれません。

これは、犬が鼻の中をリフレッシュしようとしています。

犬は人間の何倍も嗅覚の鋭い動物なので、匂いを嗅ぐ前に他の匂いが混ざらないようにしています。

こうしてリフレッシュすることで、目の前のものの匂いに集中できるようです。

これ自体はよく見られる行動なので、これといって心配する必要はありません。

感情の高ぶりの表現

吠えたりはしなくても、犬は感情の表現として鼻を鳴らすことがあります。

犬を飼っていたりする人なら、身近な経験として記憶されているのではないでしょうか。

例えば、部屋でゆっくりとくつろいでいる時に、急に鼻を鳴らすことがあります。

こうした時には、「かまってほしい」「遊んでほしい」という気持ちで鳴らしていたりします。

また、「遊んでくれない」とか、「退屈だ」という気持ちで、まるでため息のように甘えて鳴らすこともあります。

他にも、お散歩の途中で遊んであげると、興奮したように鼻を鳴らすこともあります。

これもまた、「楽しい」とか「もっと遊んで」という喜びの表現だったりします。

鼻を鳴らすタイミングや状況によって、その意味合いもまた変わってくるのです。

深呼吸のため

犬が寝ている最中や、ゆっくりとくつろいでいる時に鼻を鳴らしたりすることもあります。

先に紹介したように、明らかに鼻のリフレッシュでもなさそうだし、何かのサインというわけでもなかったりします。

こういうときに鼻を鳴らすのは、深呼吸や気持ちの切り替えのためではないかといわれています。

人間でも、「ちょっと気分を変えようかな」と思った時に、深く息を吸って深呼吸をしますよね。

犬でも、同じように深呼吸をして気分を変えたり、リラックスしたりすることがあります。

このタイミングで鳴らす鼻の音は、そのときに漏れている時の音のようです。

「何か不満があるのかな…」とため息ではないかと思ってしまいそうですが、そういうわけでもありません。

犬の表情を見て、そうした機微を察してあげましょう。

鼻水を飛ばすため

「ふんふんっ」と鼻を鳴らす時に、意外に多いのが鼻水を出すためにしている時です。

顔を近づけている時にやられて、「鼻水が飛んできた」なんてことを経験した人も少なくないでしょう。

日常的に鼻水が出ていたりすることもあるので、あまり不思議な光景ではありません。

やっぱり鼻が詰まっていたり、スッキリしない時には、私たちだって鼻をかみたくなるものです。

犬の中には、フレンチブルドッグのように、鼻先や鼻腔が短い短頭犬種というものがいます。

こうした犬種では、どうしても鼻の構造上、鼻水が出やすくなってしまいます。

そのため、いつも鼻がぐずついているような状態で、鼻息といっしょに鼻水を出そうとします。

特に異常というわけではありませんが、あまりに頻繁なら動物病院で診てもらいましょう。

鼻腔狭窄に注意

先ほども紹介したように、犬の中には鼻先が短い犬種で、鼻水を飛ばすために鼻を鳴らす犬がよく見受けられます。

こうした犬種は比較的最近になって交配が進んだ新しい種類が多く、鼻腔内の組織が余ってしまっているものが多くあります。

その結果、鼻腔が狭くなってしまい、呼吸がし辛くなったりなる犬が多く見られます。

一般的に鼻腔狭窄と呼ばれますが、悪化すると非常に犬が苦しい思いをしてしまいます。

よく鼻を鳴らして鼻水を出そうとしていたり、日常のお散歩ですぐに呼吸が荒くなってしまう時には要注意です。

特に短頭犬種を飼っている場合には、鼻の穴が狭くなっていないかどうか、観察するようにしましょう。

鼻腔狭窄の影響は、ただ単に呼吸がしにくくなったりするだけではありません。

鼻が通らず、呼気による熱の排出ができなくなると、熱中症にもかかりやすくなってしまいます。

鼻を鳴らす犬の心理を知ろう

犬を飼っていると、普段から何気なく鼻を鳴らすことがあります。

そうした仕草にも、状況によっていろいろな意味がありますね。

「かまってほしい」と甘えている時もあるので、あまり甘やかしてもよくありません。

大体の場合においては、犬の感情の表現だと思って、その様子を観察するようにしてみましょう。

ですが、鼻を鳴らす時に苦しそうな素振りをしていたり、鼻水が多い場合には鼻腔狭窄の疑いもあります。

そうした時には、なるべく早めにサインに気付いて、病院で診てもらうようにしたいですね。