人間が言葉でコミュニケーションをとりますが、犬は言葉を話すことができません。
そこで、犬はアイコンタクトを使って人間とコミュニケーションをとろうとします。
でも、じっと見つめるこのしぐさにはどんな意味があるのでしょうか。
「大好きだよ」のサイン
犬があなたの目をじっと見ている時、それは犬から「大好き」という気持ちが向けられている証拠です。
犬と飼い主の信頼関係が築かれている場合、このように愛情たっぷりの視線を飼い主に送ることがよくあります。
犬はあなたを見つめながらしっぽを振っていませんか?あなたのことが大好きで、見つめているだけで幸せです。
犬と飼い主が見つめあっていると、まさに「幸せホルモン」や「愛情ホルモン」と呼ばれている「オキシトシン」という物質が分泌されていることが明らかになっています。
これまでこの「オキシトシン」は、お母さんが赤ちゃんを抱っこしたり頭を撫でたりする時に、お母さんと赤ちゃんの両方で分泌される物質だと言われてきました。
けれど近年、犬と飼い主の関係でも同じように分泌が促されることがわかったのです。
犬がじっとあなたの目を見つめてきたら、あなたも優しく犬の目を見つめ返してあげましょう。
どうしても忙しい場合でも、決して無視したりせずに「ちょっと待っててね」と微笑み返してあげるといいでしょう。
犬はあなたがどんな反応をしてくれるのか、ドキドキしながら待っているのです。
「お願い事があるの」のサイン
犬があなたの目をじっと見つめている時、犬はあなたに何かしてもらいたいと思っていることがある場合が多いです。
もちろんあなたのことが大好き、あなたを信頼しているという気持ちも混ざっていて、愛情表現の延長のようなかたちで見つめるのです。
例えば、あなたが食事をとっている時やお菓子を食べている時などに、そばに寄ってきてオスワリをしながら、じっと目を見つめられた経験はありませんか?
そのまま無視し続けていると、前足を使ってあなたの気を引こうと一生懸命になっている姿を見かけませんでしたか?
この場合はそう、犬は「それ、私にも食べさせて」と言っているんです。
じっと目を見つめられながらおねだりされると、あまりのかわいさに、つい犬にごはんやお菓子をあげてしまいたくなりますよね。
他にも、テレビを見ているあなたの方を犬がじっと見つめていて、それにあなたが気付いた時、目をじっと見つめられた経験はありませんか?
これもそう、「あなたにお願い事があります。テレビばっかり見てないで、一緒に遊んで」と言いたいんでしょうね。
こんな風に、あなたにして欲しいことがある時、犬はあなたの目をじっと見つめるのです。
あなたに対して敵意があるサイン
犬があなたの目をじっと見つめている時、それは敵意があることを態度で示されているのかもしれません。
犬を飼ってしばらくたてば信頼関係も築けますが、飼い始めて間もなくの頃はこういったこともあるものです。
一般的に、犬だけではなく動物は、相手の目をじっと見続けるということは敵意があるサインだと受け止めます。
ですから、もしも、動物同士で敵意がない、別にケンカをしたいわけじゃないという時には、わざと相手から目をそらしたりするものです。
それなのに犬があなたの目をじっと見るということは、上下関係をよく理解できていない証拠です。
まだ新しい環境に慣れることができず、緊張したり興奮してしまっているのでしょう。
もしも「ウー」と唸っていたり、歯をむき出してようであれば、確実だといえます。
こんな時は決して大きな声で怒ったり、あなたも犬をじっと見返したりなどはせずに、まずは手の甲の臭いを嗅がせてあげて、犬の気持ちを落ち着かせてあげましょう。
そして、犬が落ち着いてる時に服従訓練を繰り返し行なうようにします。
では、うんちの時に見つめてくるのは何のサイン?
これは犬にもよるのですが、うんちをする時に、なぜか飼い主の目をじっと見つめる犬がいます。
じっと力強い目で見つめてくるので、明らかに何かのメッセージがあるのですが、どんなサインなのかわかりますか?このしぐさには2つの可能性があります。
1つは、これまで行なってきたしつけの影響です。
犬は幼い頃に行なわれたトイレトレーニングのことをよく記憶していることがあります。
その時に、うまくトイレができて褒めてもらったことを思い出し「今からうんちを上手にするよ、褒めてね」というサインを送ってきているのだと考えられます。
また、もしくは、トイレトレーニングでトイレの場所を徹底的に教え込まれたのを思い出して「ねえ、この場所で大丈夫だよね?」と問いかけているのかもしれません。
いずれにしろあなたの指示をよく覚えてあなたに従おうとしている気持ちが伝わってきますね。
犬が人間の目をじっと見つめる時の理由を知ろう
今回は、犬が人間の目をじっと見つめる時の心理や理由についてご紹介しました。
犬と見つめあう回数が増えれば触れるほど、信頼関係は強まっていくと考えられています。
最初はなぜ見つめられているのかわからなくても、長く一緒に過ごしていれば犬の言いたいこともわかってきますよ。
犬が送るサインをうまく受け取ってあげましょう。