犬の耳が何かしらの動きを見せるとき、そこには犬の心情が反映され、何かを発信して訴えているのかもしれません。

耳の動きごとに、どんな気持ちが隠されているのでしょうか。

一つずつ分析して、犬の気持ちの変化に少しでも早く気づける飼い主になってみませんか。

犬が耳をピンと立てている時の気持ち

普段は柔らかい犬の耳がピンと立ち、集中するような素振りを見せるとき、犬は何かに関心を持ち、興味を引かれていると考えましょう。

目に見えない音や気配に対して耳を傾け、やや警戒気味に気持ちを緊張させているときもあります。

飼い主の動きや声にも耳をピンと立てるときがありますが、これは飼い主に対する尊敬の意味合いが強いです。

必要ならば自分が何かをしようという忠誠の証であるといえるでしょう。

しかし単純にエサや散歩などの欲求があるときにも、飼い主の動きに注目するために耳を立てることもあります。

耳がピンと立っている間は、目の前のことで気持ちが一杯になっていることがあるので、あまり驚かさないように気をつけましょう。

犬の興味が逸れるまで待つことで、日々の好奇心を満たしてあげることができます。

犬が耳を前に倒している時の気持ち

犬が耳を前方に傾けているとき、それは周囲に対しての威嚇や、怒りの気持ちを表しているのかもしれません。

心当たりがその場にあるのなら、速やかに取り除くか、なるべく犬に近づけないようにしましょう。

音が原因なのか、それとも別の物や人物なのかをはっきりとさせ、犬にストレスを与えないような配慮をしてください。

身近からいらいらの原因がなくなれば、自然と耳を前に向けることはなくなります。

例えば臆病な犬や気性の荒い犬がこのような耳の動きを見せる場合、ある程度は飼い主の方でその不安と憤慨する気持ちを抑えてあげる必要もあります。

すぐに耳を前に倒すような癖がつくと、他の犬や飼い主とのトラブルにつながる可能性もあるでしょう。

なるべく犬の気持ちを落ち着かせ、平常な気持ちが保てるような訓練をしてみてください。

犬が耳を後ろに伏せている時の気持ち

耳がやや後ろの方に向いて、伏せ気味になっているとき、犬の気持ちは好意で満たされていると考えられます。

何か嬉しいことがあったり、楽しい気分でいるのかもしれません。

飼い主に頭を撫でられるとき、自然と耳が後ろに伏せた形になるので、スキンシップを期待しているときには自然と耳が後ろになる犬もいます。

しかし状況によっては、恐怖や不安の気持ちを表すサインとなって、耳が後ろに傾くこともあります。

完璧な見極めは難しく、飼い主であっても心情を読み違えることがあります。

そんなときは耳の他に、尻尾の動きや目を見ましょう。

尻尾がふられているようなら、気持ちは喜んでいることがほとんどです。

一方体が緊張し、目に不安の色が映っているなら、まったく逆の気持ちでいるのかもしれません。

正しい感情を理解してあげられるように、日頃から耳と合わせて他の部分も観察しておくといいですね。

犬が両耳を広げている時の気持ち

犬が両耳を左右に広げ、Vの字に見えるような形を作っているとき、好きと嫌いが両立していて、どうしようかと判断に迷うような気持ちでいるのかもしれません。

飼い始めのまだ心が通いきっていない頃ほど、犬は人間に対してそのような耳の動きを見せることがあります。

飼い主としてはまず犬の信頼を得て、しっかりと自分が飼い主であることをわからせましょう。

犬は自分だけで物事を正確に判断し、解決することはできません。

犬が何かを前にして両耳を広げているようなら、その気持ちを判定するのは飼い主の役目であるといえるでしょう。

危険なものは遠ざけ、相性の悪そうなものとはなるべく距離を取るようにしてください。

犬が耳を頻繁に動かしている時の

やたら耳が動き、前後左右のどこにも位置が定まらないようなとき、犬は自分の気持ちを整理し、頭の中で考えをまとめている可能性があります。

気持ちが不安定なときは耳の動きも規則性が乱れ、落ち着きをなくしてしまいます。

飼い主としてはあまり犬を刺激せず、じっと待つことが必要です。

犬の方からよってくるまで、下手に手出しをしないほうが賢明でしょう。

それでもあまりに不安で心細そうに見えるなら、声をかけながらゆっくりと接してあげてください。

犬によっては耳が動いているその瞬間に、何か不安やストレスに直面している場合もあります。

周囲の環境を見直し、犬の平常心を妨げるようなものがないか今一度確認してみましょう。

耳が頻繁に動くような時間帯や場所があるのなら、何か見落としている原因があるのかもしれません。

犬の耳の動きから察するつもりで犬と心を通わせよう

犬の耳は気持ちを表現し、ときには表情や声よりも重要になることがあります。

言葉でコミュニケーションがとれないからこそ、耳の細かな動きにまで気を配り、心情を理解してあげるように努めましょう。

飼い主に頼ることができれば、犬はよりあなたに感情を見せ、信頼をよせてくれるようになります。

犬と少しでも近くで生きるために、耳の動きに注目してみることをオススメします。