犬が前足で目を隠そうとしているかのような動きをすることがあります。
猫の場合は「顔を洗うと雨が降る」と言われますが、犬の場合、いったい何故そのような仕草をするのでしょうか。
どんな心理が隠れているのでしょうか。
目がかゆい
目を隠そうとしているのではなくて、単純に目やその周辺がかゆいから解消しようとして前足を目の辺りに擦り付けています。
頻繁に繰り返す傾向にあります。
かゆさの原因は、目の周りに出来た傷やできものかもしれません。
または、ダニやノミがいるからということも考えられます。
特に、長毛種の場合はパッと見では毛の下の変化が分かりにくいので、日頃のブラッシング時に目の周りもよくチェックしてあげましょう。
放置しているとだんだんと悪化して皮膚病になることもありますので、早めに対処してあげる必要があります。
ちなみに、目ヤニがついた状態で放置していると、ダニが付く原因になります。
気が付いたらウェットティッシュなどで目ヤニを拭き、清潔な状態にしてあげましょう。
耳がかゆい
目だけではなく耳がかゆいから、という場合もあります。
耳を前足で掻くと、目の方に足が行ってしまって、目を隠しているように見えるのです。
耳の中は、耳垢が溜まりダニの温床になりやすい環境です。
特に耳が垂れている犬種は耳の中の通気性が悪く、ガスや汚れが溜まりやすいため注意が必要です。
ダニが耳の中で発生した場合、動物病院で診てもらって専用の薬で駆除しなければ、ダニ増加の悪循環を断つのが難しいかもしれません。
万が一耳の中にダニがいそうであれば、早めに受診した方が良いでしょう。
耳の中がダニの温床になる前に、定期的に伸びた耳毛をカットしたり耳垢を掃除したりして、耳の中を常に清潔に保ってあげてください。
犬用の耳掃除グッズや耳毛カット用のハサミがありますので、出来ればそれを使って犬に負担のかからないお手入れをしてあげましょう。
目に異物が入っている
目にゴミなどの異物が入っているのを取り除こうとして行っている場合があります。
自分の毛が目にかかって鬱陶しいから振り払おうとしている場合もあります。
特に、長毛種だけど短めにカットしている犬の場合、目の周りの毛が伸びて目の前を覆ったり目に刺さったりすることがあります。
そのまま放っておくと、眼球の表面に傷がついて目の病気になってしまいます。
なるべく早めに、目にかからない長さにカットしてあげてください。
ただし、ご自分でカットする場合は、目にハサミが当たらないよう細心の注意を払って行ってください。
プロにお願いする場合、お手軽に顔周りだけをトリミングしてくれるお店もあります。
もし、シャンプー中やシャンプー後にこの動きをしたら、目にシャンプーやリンスが入ってしまったのかもしれません。
目の周りをシャワーで洗い流してあげたり、清潔なガーゼに水を含ませて軽く拭いてあげたりすると解消する場合もありますが、目の周りを濡らされたり拭かれたりするのを嫌がるようでしたら無理やりするのは良くありません。
何もせずにしばらく様子を見た方が良いでしょう。
時間が経っても目が赤く充血していたり開けにくそうにしていたりする場合は、念のため病院に連れて行き、目の炎症を抑える目薬を点眼してもらった方が良いかもしれません。
顔に風が当たっている
犬の顔に息を吹きかけて遊んだり、シャンプー後のドライヤーの風が顔に直接当たっていたりするときに目を隠す動きを取ることがあります。
ただ単純に、顔に風が当たるのが不快だから止めて欲しいと訴えているのです。
面白がって何度も息を吹きかけたりドライヤーの風を顔に当て続けたりするのは止めましょう。
犬にとってストレスになります。
なお、家庭用のドライヤーは温度調整が難しいため、近くで風を当てると犬にとっては熱すぎます。
ご自分の手に風を当てて熱いと感じない距離を保つ必要があります。
もちろん、熱くない温度だからといって犬の顔に風を当て続けてはいけません。
自分に注目してほしいとアピールしている
例えば、犬のことそっちのけでお喋りに夢中になったり読書や部屋の片付けなどに没頭していると、飼い主に見える位置でわざとこの仕草をすることがあります。
これは、少しは自分に構ってほしい、遊んでほしい、無視しないでほしい、など、飼い主に対するアピールです。
甘えん坊な性格の犬ほど自分が注目されていない状態が続くと、不満を感じやすいです。
どんな犬でも飼い主さんに声をかけられるのは大好きです。
必死で気を引こうとしているかのようで可愛らしく思えますが、あまり寂しい思いをさせないよう時々声をかけて気を配ってあげてください。
目を隠す仕草をしたらなるべく早く原因を突き止めてあげよう
犬が前足で目を隠そうとする仕草は、微笑ましくとても可愛い動きに見えますが、残念ながらあまり良い理由で行っている訳ではません。
特に、目の周りに何かしらの違和感があっての行動ならば、放置すると悪化して病気になる可能性があります。
なるべく早く原因を取り除いてあげてください。