犬が見せる仕草にはどれも愛嬌がありますが、中でも鼻をチョンと体に当ててくる行為には、ドキッとするほどの魅力がありますよね。
でも犬は飼い主を魅了したいわけではなく、明確に伝えたい意思があります。
ではそんな鼻チョンをするとき、犬はいったいどんな心理状態なのでしょうか。
何かを求めている
何かを求めていたり、伝えたい欲求があるときに、犬は鼻をチョンと飼い主に押し付けてアピールします。
鼻の接触によって体に触れ、直談判しているのでしょう。
多くの場合はエサや遊びの催促が理由となりますが、ときには何か不安要素が近くにあると知らせていることもあります。
鼻チョンされたときはそれ以外の動作や様子に注意を向け、犬が何を必要としているのかを判断しましょう。
鼻チョンをされるたびに犬の要求に応じていると、犬は味をしめてどんどん我がままになっていきます。
最終的には自分が飼い主よりも偉いと勘違いしてしまうかもしれません。
要求の頻度が多くなるようなら注意が必要です。
鼻チョンの可愛らしさに騙されないで、犬の欲求をコントロールできるようになりましょう。
控えめに注意を引きたい
しつけの行き届いている犬は、自分の気持ちを表現するために吠えたり暴れたりはしません。
けどときには飼い主の注意を引き、かまってほしくなることがあります。
飼い主に叱られない方法で注目を集めようとして、鼻チョンという仕草をしているのかもしれません。
特に飼い主がテレビや本に夢中になり、犬の存在が完全に意識の外にあるとき、犬は思わず鼻で飼い主をつつき、ここにいるよとアピールします。
しかしあくまで鼻チョンは控えめなサインなので、その後あまりにかまわれると逆に嫌になってしまう場合もあります。
ちょっと声をかけたり体を撫でるだけでも、犬は十分に満足するかもしれません。
小さな嫉妬を放置していると、ストレスや退屈さにかまけてイタズラをする可能性もあります。
程よく遊び、犬との日々を上手に過ごしましょう。
邪魔者扱いしている
軽く触れるような鼻チョンは犬のささやかな意思表示に過ぎません。
しかし、強く相手を押すように鼻チョンをするなら、もしかしたら飼い主を邪魔者扱いしているのかもしれません。
犬の寝床やお気に入りの場所を塞いでしまったなどの理由がないのに、犬がそんな態度を見せるのなら、飼い主のことを自分より下だと判断しているのでしょう。
主従関係が逆転してしまうと、犬はあらゆる場面で我がままを押し通そうとします。
もし犬の行動に問題が見られるなら、飼い主の威厳をもう一度はっきり見せつける必要があるでしょう。
力の強い大型犬は、子犬や子供に思わぬケガを負わせる危険性もあります。
普段から力の加減を身につけ、相手を押したり、強く当たったりしないようにしつけましょう。
簡単なあいさつ
犬は他の犬に出会うと、お尻のにおいを嗅ぎ合うことでお互いの情報交換をします。
それは心を許し合った証であり、ほほえましい光景といえるでしょう。
しかし犬にも苦手な相手がいます。
誰でも関係なく心を開くようなことは、犬でも不可能です。
まだ仲良くなれないけど、少し相手のことが気になる。
そういうとき犬は鼻と鼻をチョンとつけあって、においを嗅ぎ合うような仕草を見せます。
仲良くなれるかどうか判断する、簡単なあいさつだといえるでしょう。
犬同士が鼻をぶつけあっているならいいのですが、片方が一方的に鼻を押し付けているように見えるなら、無理に仲良くなろうとして失敗しているのかもしれません。
あまりにもしつこくするなら、飼い主の方で制止してあげてください。
ときには冷静な対処も必要
鼻チョンに対して飼い主が何らかのアクションを見せることがわかると、犬は頻繁に鼻チョンを利用して自分の要求を押し通そうとします。
一度や二度なら問題ないような我がままも、毎日繰り返せば犬の立場をどんどん押し上げていってしまいます。
そのままでいれば、飼い主の言葉を聞かなくなるほど関係が悪化してしまうかもしれません。
鼻チョンは愛おしく感じる行為なので、つい犬の欲求を認めてしまう飼い主も多いでしょう。
しかしときには冷静になり、しつけのつもりで犬の鼻チョンを無視してください。
思い通りにはいかないことを、犬に理解させることが大事です。
犬に冷たくすることができない人は、鼻チョンをしてきたときに、逆にこっちから何かお願いをしてみましょう。
おすわりやふせをさせて、こちらの命令で犬の行為を上書きするのもいいですね。
犬にとってやっぱり飼い主が一番だと思わせるように、日々の接し方に工夫をするようにしましょう。
犬の今後を左右するのは、飼い主のリアクションにかかってる
犬の鼻チョンにどんな意味が込められていたとしても、それをどうコントロールしていくかは飼い主の力量にかかっています。
甘やかせすぎれば我がままになり、厳しすぎればストレスになることがあります。
上手にバランスを取り、お互いにとって一番気分のいい関係を保ってください。
犬にとって適切なリアクションを取り続けることができるように頑張りましょう。