犬の行動には色々な意味が隠れていますが、言葉を発しないため、誤解していたり、ちゃんと理解してあげられていなかったりすることもあります。
その中でも、犬がぴたっと飼い主さんにお尻をくっつけてくる行動の犬の心理をご存知でしょうか。
どうして背中を向けてくるのかな?と不思議に思う飼い主さんも少なくないと思います。
犬の行動に隠された心理を知ることで、より良い関係が築けることでしょう。
くつろいでいる時に、お尻をつけてきた場合
くつろいでいる時に、飼い主さんにお尻をくっつけて犬が寝始めることは少なくありません。
この行動に隠された心理は「安心している・飼い主さんを非常に信頼している」というものです。
野生で生活していた頃、後ろ足やお尻を向けるという行為はとても危険な行為です。
犬の視野は広いですが、いきなり後ろから襲われるとさすがに反応できないため、致命傷になってしまう危険性があります。
犬の祖先がまだ野生で生活していた頃、群れで休む時は、足やお尻をくっつけ合って死角をなくして休息を取ったり、寝たりしていました。
こうすることで、異変にも気づきやすく、いざというときにも逃げやすいという野生の知恵です。
背後を守るというのは本能的に持っているのです。
この名残もあってか、犬はお尻をくっつけた状態は非常に安心する姿勢と言われています。
飼い主さんに寄り添っているだけで安心し、落ち着くことができるのでしょう。
ただ、前述のように、この姿勢は信頼している相手でなければ、非常に危険な姿勢。
つまり、お尻をくっつけてくる姿勢は安心している証拠、飼い主さんを信頼している証拠です。
飼い主さんからすれば背中を向けて、こちらを向けば良いのに…と思ってしまいがちですが、犬の行動にはこのような心理が隠れていたのです。
良好な関係が築けている証拠で、さらに愛犬のことが愛おしくなってしまう行動です。
外出先でお尻をつけてきた場合は不安を感じている
外出先で(例えば、散歩中に公園でベンチに座っている時、動物病院の待合室で順番を待っている時など)犬がふとお尻をくっつけてくることはありませんか。
このような行動をとるときには、犬が何か不安に感じるものがあるのかもしれません。
公園では色々な犬に会ったり、いつもと違う色々な音がしたりして不安を感じたり、動物病院の待合室では「何か嫌なことをされるのかな…」と怖く感じたりします。
犬がお尻をくっつけてきた時、犬の状態もしっかりと見てあげましょう。
体に力は入っていないか、表情に力が入っていないか、耳はどうなっているか…犬の感情を読み取ることができます。
間違いなく、くつろいでいる時の表情とは違うはずです。
このように行動と合わせて、犬の表情を読み取ることはとても大切です。
この行動は一つ目の、【くつろいでいる時にお尻をつけてきた場合】のところでも書いたように、飼い主さんを信頼している存在だからこそする行動です。
飼い主さんに寄り添うことで少しでも安心し、落ち着こうとしています。
犬のことを撫でながらしっかりと声をかけてあげて、安心させてあげましょう。
そして犬が何か怖いもの、不安を感じるようなものがあれば(可能であれば)そこから離れてあげることをオススメします。
初めて会った犬がお尻をつけてきた場合は気持ちを許す前兆
初めて会った犬がお尻をくっつけてくることもあります。
この行動には、どんな気持ちが隠れているかというと「初めましての挨拶」で、「少し気持ちを許してみようかな?」と考えている証拠です。
ただ、お尻を向けておくことで何かあったらすぐ逃げられるようにしているとも考えられます。
でも、初対面の人に犬がお尻を向けるということは間違いなく「敵対心は無いですよ」という友好的な気持ちを表しています。
このようなときには、手をグーにして、犬の鼻の前に持っていき、においを嗅がせてあげましょう。
これが人間からも犬への挨拶になります。
いくら友好的な態度を取ってくれていても、突然触ったりすると犬もびっくりして攻撃する危険性もあります。
きちんと挨拶をし合うことで、良好な関係が築けることでしょう。
このようなときにも犬の表情をしっかりと見て、犬がびっくりしたり恐怖を感じたりしないように気を付けてあげることが大切です。
犬がお尻をくっつけてくる理由を知っておこう
これらの行動の理由を知ると、犬がお尻をつけてくる行為というのは、飼い主にとっては嬉しい行動ということがわかっていただけたのではないでしょうか。
犬は言葉を発しない上、人間とはまったく違う習性をもった動物なので、もしかしたら誤解してしまっている行動が他にもあります。
カーミングシグナルという、犬独自の感情を表す行動についてしっかりと勉強してあげることはとてもオススメです。
きちんと犬の心理を理解して、より良い関係を築いていきましょう。