飼い主が帰ってくると突進してきて飛びつく犬は本当にかわいいものです。
これで一日の仕事の疲れが癒されるという人もいるでしょう。
そんな時の犬の心理についてご紹介します。
1.飼い主が帰るたびに突進して飛びつく犬の行動
犬は飼い主が外出してから、帰ってくるなり突進してきて、飛びついて顔を舐めようとします。
毎日同じように外出して同じように帰宅しても、やはり毎回大喜びで突進してきて飛びつきます。
尻尾をぶんぶん振り回して、興奮して吠えることもあります。
犬はこうした行動で何を表しているのでしょうか?また犬の心の底にはどんな心理があるのでしょうか?
2.犬から飼い主への愛情表現
突進してくるのは犬の飼い主に対する愛情の表れです。
犬はとにかく飼い主が大好きなので、体中で精一杯愛情を表現しています。
犬は聴覚や嗅覚が優れているので、飼い主が玄関口に現れる前から気配で帰宅を察知しています。
そして一刻も早く会いたいので、飼い主が来ると猛スピードで突進して来るのです。
飛びついたり舐めたりという一連の行動は、すべて犬なりの愛情表現です。
3.犬が愛情を欲しがっている
突進して来るのは、犬から飼い主に対しての愛情表現ですが、同時に飼い主からの愛情も求めています。
「かわいがってもらいたい」という欲求の表現です。
飼い主がいないさみしい時間を過ごしてきたので、犬は愛情に飢えています。
早くかわいがってもらいたい、かまってもらいたいという要求を満たすために、突進して来るのです。
空腹の場合は愛情に加えて「早くエサが欲しい」という食欲の要求も加わります。
4.服従の表現
犬が飼い主に突進してくるのは、服従の表現でもあります。
愛情を与えてほしい、かまってほしいというのは、いずれも甘えているのです。
つまり下の立場から上に愛情を要求しているわけで、飼い主に服従していることを表します。
飼い主の顔を舐めるという行動も、服従の表現です。
子犬が親犬からエサをもらうときには親犬の顔を舐める習性があります。
それは犬の先祖のオオカミの習性からきているのですが、子オオカミは親オオカミからエサをもらうときに、親オオカミの顔を舐めて口元をつついて未消化のエサを得ていました。
飼い犬の場合は、エサを与える飼い主が親オオカミのような立場にあります。
飼い主に突進してきたり顔を舐めようとする犬は、子犬のような下の立場から飼い主に甘えているのです。
5.承認要求の表現
犬は愛情を求めると同時に「留守中にいい子にしてたんだからかわいがってね」「さみしくても耐えていたんだからわかってね」と言いたいのです。
飼い主がいなくてもいい子にしていた自分を認めてもらいたいという「承認要求」があります。
犬が留守中に問題なく過ごして本当に「いい子」にしていたら、それを認めて評価して、思い切り褒めてあげましょう。
6.分離不安
飼い主と密着している犬ほど飼い主がいない状況に不安を感じます。
犬は飼い主と離れて精神が不安定になっていたのかもしれません。
飼い主が帰ってきたら、犬は心の底から安堵して、癒しを求めて猛スピードでダッシュします。
突進してくるくらいなら良いのですが、飼い主がいないことに不安を感じて留守中に破壊行動をしたり、異常に吠えたり。
または適切でない場所で排泄をするようになると、「分離不安症」と言われるストレス障害が疑われます。
犬が飼い主に精神的に依存しすぎるとこのような症状を起こします。
犬にそのような傾向があるときには、犬が飼い主の不在に耐えられるように訓練する必要があります。
短時間不在にして、大人しくしていたら褒めて、だんだん時間を長くして犬を慣れさせます。
帰ったときには犬を抱きしめる前に靴や上着を脱いで、するべきことを何気なくした後で犬を抱きしめるようにします。
そうすることで、犬に「外出は特別なことではない」とわからせるようにします。
7.飼い主の予定を理解できない
人間同士なら外出するときに「○時○分に帰ってくる」というふうに予定を伝えられますが、犬にそのような伝言をすることはできません。
犬は飼い主が外出からいつ帰ってくるかを知ることができないので「もう帰って来ないのではないか?」という不安にかられてしまいます。
毎日同じ時刻に帰ってきたりきちんとしつけをすれば、犬は飼い主が帰ってくることを理解できますが、それでもやはり一抹の不安があります。
それでたった数時間の不在の後でも、まるで何年も会っていなかったかのような大袈裟なリアクションになります。
そして毎日外出して毎日帰ってきても、毎回突進してきて大袈裟なお出迎えになります。
言葉が理解できない犬は、飼い主の不在に対して人間には想像できないほど不安を抱えているのです。
飼い主が帰ってくると突進してくる犬の気持ちを知ろう
飼い主が帰ってくると突進してくる犬は、飼い主に対して愛情を表現するとともに愛情を求めています。
また飼い主の不在に対する不安な気持ちや承認要求もあるので、犬の気持ちを理解してあげましょう。
もし犬に分離不安の傾向があれば、飼い主の不在に耐えられるようにしつけをしましょう。