犬のしっぽの動きごとの心理。上がったしっぽや下がったしっぽの意味とは

人間のように言葉をしゃべらない犬たちにとって、しっぽには感情を伝える大きな役割があります。

よく観察してみると、大きく振っていたり、垂れさがって丸まっていたりと、色々な動きをする犬のしっぽ。

しっぽの動きに注目することで、愛犬が今どんなことを考えているのかがわかります。

そこで今回は犬のしっぽの動きごとの心理についてまとめました。

高く上がったしっぽ

犬はとても社会性の強い動物です。

しっぽを斜め上に向けてピンと上げている状態の時は、自分の優位性を示したいという心理が見て取れます。

しっぽの振り方が固かったり、鼻に皺を寄せていたり、唸るなどの緊張感がある場合は、うかつに近づくと吠えられたり、噛まれたりする恐れがあります。

犬同士の場面でこのような動きがあった場合は、リーダーは自分であると自己主張していることになります。

また、低い姿勢で高く上げたしっぽがゆらゆらと動く場合は攻撃の意思を示している場合もあります。

犬を刺激したり、興奮させないように離れましょう。

しかし、このように、単純にしっぽの動きだけを見て判断するのは危険です。

犬の表情や仕草も踏まえたうえで、接するようにしましょう。

しっぽの毛が逆立っているのも、攻撃のサインです。

十分に注意しましょう。

平行に揺れるしっぽ

しっぽが平行に上がっている場合は、威嚇や緊張はないものの、何かに強い関心や興味を持っているというサインです。

犬同士で何かを取り合ったりする場合も、しっぽがこの状態であれば攻撃性は少ないです。

ただ、緊張感は持っていますので、ケンカにならないよう注意が必要です。

散歩中に初めての犬と出会った場合にゆったりとしっぽを振るのは、まだ相手との距離が判断できない様子を表します。

匂いを嗅ぎあったり、少し時間が経つとしっぽの動きにも変化が見られます。

仲良くなった犬同士であれば、出会った時に小刻みにしっぽを揺らし挨拶をします。

また、友好を示す場合にはしっぽを平行にし大きく振ります。

付け根から大きくふられ、耳が立っているのは人間でいうと大喜びの状態です。

飼い主が外出から帰ってきた時や、ご飯やおやつの時間などに多くみられます。

喜びの大きさや興奮度合いによって、しっぽの振りはより大きく早くなってきます。

腰まで動くような大きな振りは飼い主に甘える仕草でもあります。

下がったしっぽ

しっぽが垂れ下がるという行動は、恐怖や不安感を示しています。

後ろ足の近くで、ゆっくり揺れている時はどこか痛いところがあったり、体調がすぐれない場合です。

そのうえで、元気がなかったり苦しそうにしている場合は病院で診察を受けましょう。

少し腰の低い姿勢で後ろ足の間にしっぽが垂れている場合は、寂しさや不安を表しています。

留守番しなければならないことに気がついて、家族を見送る時やいつもと違う環境に不安を抱いていたり、居心地の悪さを感じている時に多く見られます。

また、攻撃的な相手に降参の意思を示す場合には、しっぽを脚の間に丸めてみせます。

これ以上ケンカせず、穏便に済ませたいという気持ちが込められています。

犬同士が遊んでいる最中、ケンカに発展するのを避ける意味合いもあります。

飼い主の前で床を掃くようにしっぽを動かす場合は、愛情と尊敬の意思を示しています。

しっぽの動きに加えて人の顔を舐めたり、自分の周辺の空気を舐めるようなしぐさも見られます。

斜め下に垂らしたしっぽを大きくゆったり動かすのは、リラックスした状態を示しています。

しっぽを追いかける

成犬時に自分のしっぽを追いかけグルグル回る行動をとるのは、ストレスが溜まっている証拠です。

なかなか散歩に行けず運動不足になっている場合や、退屈さを感じている時にもこのような行動をとることがあります。

自分の思った通りに行かないストレスを発散させる意味もあります。

飼い主に構ってもらうためのアピールの場合もあるので、忙しくても一緒に過ごす時間を作ってあげましょう。

どんな理由でしっぽを追いかけているかにもよりますが、時間をかけて散歩をしてみたり、気をそらすようなおもちゃを用意してあげるなど早めに対処してあげることが重要です。

犬はしっぽをグルグルと追いかけているうちに興奮状態をなり、凶暴性が出る原因となることも。

ストレスや不快な状態を解消し、できるだけ早くやめさせるようにしましょう。

特にしっぽを噛んだり、毛をむしったりするような行動は思わぬケガや皮膚トラブルの原因になるので、要注意です。

心理状態ごとの犬のしっぽの動き

このように犬のしっぽには動きによっていろいろな感情が隠されています。

犬同士の間でもしっぽの動きで相手に意思を伝えるなど、コミュニケーションをとる大切な役割を担っているのです。

感情を伝える以外にも、走ったりする際に体のバランスを保つ意味もあります。

一般的に犬がしっぽを振っているのは喜んでいる証拠と思われがちですが、しっぽの位置やしぐさから警戒心や威嚇の場合もあります。

初めて触れ合う犬の気持ちや、愛犬の状態などを把握するヒントとしてしっぽのサインを読み取るのも良いかもしれません。