一昔前では、犬の排泄は外でさせるものと考えられていましたが、現代では室内にてトイレシートを利用するご家庭が増えてきました。
それと共にトイレシートを噛みちぎってしまったり、食べてしまったりというトラブルも増えてきています。
では、なぜ犬はトイレシートを噛んだり食べたりするのでしょうか。
オモチャになっている
ご家族全員が日中出かけてしまうご家庭では、お留守番時にはケージの中に入っててもらうことが多いですね。
ケージ内にある物は2~3つのオモチャとベッドとトイレシート・・・となると、オモチャやベッドで遊ぶのに飽きると、当然トイレシートに興味を持つ犬もいるでしょう。
噛みちぎると中から綿が出てきて、楽しいのではないでしょうか。
この場合には、お散歩や室内でのボール投げ等でたくさん疲れさせてからお留守番をさせ、日中は寝て過ごせるようにしてあげましょう。
また、ケージ内に入れていくオモチャは日替わりで組み合せを変えて、毎日飽きずに遊べるよう工夫してあげることが必要です。
運動不足
近年では小型犬が飼われることが多く、排泄も室内で出来るため、お散歩に行かないご家庭が増えています。
犬はサイズや犬種に関わらず、必ず散歩が必要な生き物です。
有り余る体力を発散できないと、顎を使いそれを発散させようとすることが多くなります。
トイレシートの噛みちぎったり、テーブルやイスの足を噛んだり、無駄に吠えたり・・・天候や飼い主の体調が悪くない限りは、最低でも1日1回のお散歩で心と体のリフレッシュをさせてあげることで、改善へと向かうことがあります。
水分が足りていない
最近では犬の水分補給はお皿からではなく、ペットボトルをケージに設置して、舐めて少量ずつ出てくるタイプの給水機が主流になってきました。
これならひっくり返したり遊び道具になったりすることもなく便利なのですが、一度に出てくる量が少ないため、ずっと舐めているのに疲れ、飲むのを止めてしまうことがあります。
また、ペットボトルが空になっていることに飼い主が気付かないことも多くあります。
水分不足になると、トイレシートのポリマーに含まれる水分(オシッコ)まで摂取しようとすることがあります。
ペットボトルタイプからお皿でお水を与えるように変えただけでトイレシートを噛みちぎらなくなったという事例もありますので、お皿での給水を試してみてはいかがでしょうか。
食事が足りていない
共働き世帯では長時間のお留守番になることが多く、お腹が空いてトイレシートを食べたり、ベッドの端っこをガジガジして布を食べたり・・・
トイレシートや異物を飲み込むと腸閉塞や、最悪窒息死を起こすこともありますので非常に危険です。
一度に与える食事の量や回数を増やせる場合には、増やしてみましょう。
どうしてもお留守番が長く、食事の回数が増やせない場合には、タイマー設定が出来る自動給エサ機を検討してみても良いかもしれません。
毎日フードを補給し、タイマーボタンを押すだけなのでとてもお手軽です。
余談ですが、食べ物を欲しがって吠える「要求吠え」がある犬にも、自動給エサ機は有効です。
人間はどうしても吠えられると「お腹を空かせて可哀想」や「あげちゃえば静かになるから」といった理由で食べ物を与えてしまうことが多いですが、自動給エサ機は吠えても吠えても時間にならないと食べ物を与えてくれないので、心を鬼にせずともしつけることができます。
飼い主の気を引きたい
ケージの中でトイレシートを噛んで遊んでいたら「こら、やめなさい」と、注意をしに飼い主が近くまで来てくれたとします。
お利口にしている時は放っておかれるのに、トイレシートで遊ぶとこちらに気づいてくれるのです。
すると犬は「トイレシートで遊ぶと構ってもらえるぞ」と学習し、飼い主の気を引きたい時はトイレシートで遊ぶようになります。
犬の要求は「飼い主の気を引きたい」ところにあるので、大人しくしている時や遊んで良いオモチャで遊んでいる時こそ近くに行き、「お利口さんね」と声をかけてあげるようにしましょう。
ケージから出してもらえる
トイレシートを噛みちぎり散らかすと、当然飼い主はその片づけをしないといけません。
その為に犬をケージから出し、掃除をすることが多いため、犬は「トイレシートで遊ぶとケージから出してもらえて、楽しいフリータイムの始まりだ」と学習します。
とは言え、やはり犬がケージ内にいる状態では掃除がしにくいので、その時には犬は別のクレートやキャリーバッグに移動させ、掃除が終わったら再度ケージへ戻すようにします。
ケージから出してあげる時は、お利口さんに過ごしている時を見計らって出してあげるようにしましょう。
※5.6.の学習をしている犬の特徴は「飼い主が在宅中にだけトイレシートを噛みちぎる」であり、お留守番中はあまりやらないことが多いです。
犬がトイレシートを噛んだり食べたりせずに済むようにしよう
いずれの原因にも有効な解決法は「網付きトイレトレー」を利用することです。
網付きであれば、トイレシートの全面をトレーにて保護が出来るので、シートを引っ張りだして噛んだり食べたりすることが出来なくなります。
ただし、犬にもやはり色々な願望がありますから、1~6の項目を参考によりよい生活を送れるよう人間側が工夫してあげたいものですね。