犬が食事をした後に床や脚などを舐めることがあります。

一見、人間からは理解不能な行為ですが、この時犬はどのような心理なのでしょうか。

以下で説明していきます。

胃に不快感がある、腹痛

まず考えられるのは食事によって胃に不快感が出たり、腹痛を起こしたりしているケースです。

その時に床を舐め異物を体内に摂取することによって、それらを吐き出しすっきりしようとしています。

この場合、犬に与えているエサを見直す必要があります。

犬のエサはいろいろな種類のものが出回っているので、消化の良いものなどを選んであげると良いのではないでしょうか。

種類だけでなく、エサをあげる量や回数にも気をつけましょう。

中には一度にたくさんの量を食べられない子もいますので、そういう場合一度に与える量を減らし、ご飯の回数を増やすことで対応します。

どのようなドッグフードを選んだらいいのか難しいという方は、詳しくはかかりつけの獣医や、ショップの店員などに尋ねてみるとよいと思います。

食事の量が足りない

食事が物足りなくておなかが減っているために床などを舐めているというパターンもあります。

犬は不満や欲求が溜まっている時に床を舐めることがあるためです。

適性の量よりも少ない食事だと極度に痩せてしまって体力や免疫力の低下の原因にもなりますので良くありません。

この場合満腹感がないのが原因なので、単純にご飯の量を増やすか、回数を増やしてあげるとよいでしょう。

その時に肥満の心配も出てくるでしょうから、適度に運動させてあげるか肥満防止の低カロリーのエサを与えてあげるといいです。

運動はストレス発散にもなりますし、運動不足による病気も予防できますのでぜひさせてください。

ストレスによって舐めている

犬はストレスを感じた時に床や自分の脚を舐める傾向があります。

特に性格がおとなしい犬によく見られます。

おとなしい性格の犬は自分の不満やストレスを外部にぶつけるのが苦手なのでストレスをずっとため込んでしまいます。

そうしてそれを発散するために、床や脚を舐めてしまいます。

この場合、その犬のストレスの原因をしっかりと理解してあげて、きちんと対応しないといけません。

放っておくと脚を舐めすぎて皮膚が炎症を起こしてしまう危険性があります。

また、そうなってしまった時は獣医に診てもらうようにしてください。

食事で汚れた口を拭いている

犬は全身に大量の毛が生えている生き物です。

当然口の周りにも毛がたくさん生えています。

食事をするとその口の周りの毛にエサの食べカスが付いてしまうことが多々あります。

そうなると犬は気持ちが悪くて仕方ないので、床を舐めるように口を押し付け食べカスを取ろうとしています。

その時は飼い主さんが濡れたタオルなどで口の汚れを拭き取ってあげるとよいでしょう。

そうすればむずがゆく気持ち悪いのが直るので床や脚を舐める行為は止むはずです。

それでも止まない場合は、口の周りの毛が絡まっていてむずむずするなどの別の原因があると思われます。

床に落とした食べ物や飲み物の匂いがする

みなさんご存知の通り、犬の鼻は非常によくききます。

飼い主さんが食事などで床に落とした食べ物の匂いを、たとえ入念に掃除したとしてもそのかすかな匂いを嗅ぐことができます。

人間の食べ物というのは、塩分や糖分など基本的に犬の体には良くない成分のものが多いので、なんとかして止めさせなくてはなりません。

その対策としては、ペットショップなどで売っているビターアップルという犬が苦手な味のするスプレーのようなものがありますので、それを床に吹きかけるとよいです。

あとは日ごろから床の掃除を徹底して行って常に清潔にしておく必要があります。

単なる癖で舐めている

特に理由はありませんが、なんとなく床や脚を舐めてしまう犬というのも存在します。

特に退屈している時に舐めてしまうことが多いです。

特に問題はありませんが、危険な物質が床に落ちていないか確認する必要があります。

健康上あまり良い行為だとは言えないので極力止めさせたいです。

皮膚炎の恐れも出てきます。

この場合、おもちゃを与えるなどで犬の気を床や脚から離す方法が有効です。

そうすることで特に理由もなく舐めている場合は止めてくれるはずです。

しかし、食後に急な運動は良くないので、与えるおもちゃは静かにかじるなどして遊べるものにしてください。

ボールなど激しい運動を伴うものはNGです。

犬が食事をした後に床や脚などを舐める心理を知ろう

このように、犬が食事の後に床や脚を舐めるのにはきちんとした理由があったのです。

多くは人間側にその原因がある場合が多いのです。

飼い主さんにはこれらのことをしっかりと理解していただき、それぞれの犬が抱えている問題に適切に対応していただければと思います。