犬と遊んでいると手などを甘噛みされた事はないでしょうか。
甘えている様でとても可愛いですね。
しかしこの甘噛みと言う行為には様々な意味が隠されています。
なぜ甘噛みをしてくるのか。
愛犬の為にもその理由をしっかり理解して、それに応じた対処をしていく必要があります。
歯が生え変わる時期でかゆい
甘噛みをしてくる仔はほとんどが子犬です。
犬は生後数か月から人間のように乳歯から永久歯に生え変わります。
歯が新しく生えてくる為、痒くて何かを噛んでしまう事が有るようです。
こういった場合は叱っては可哀想ですので、玩具などを与えてあげましょう。
何か別の物を噛ませて痒みを和らげてあげるのです。
歯が生え変わる時期は犬種によって差がありますので一概には言えませんが、大体3ヶ月から半年前後が多いようです。
多くの飼い主は飼い犬の歯の生え変わりに気付かない事が多いようですので、小まめに歯をチェックする様にしてあげて下さい。
また歯が抜けていたとしても、顎の発達の為に固いフードや玩具を与える様にします。
ストレスが溜まっている
人間もストレスが溜まると攻撃的になる事がありますが、それは犬も同じです。
ストレスが多く溜まった犬はそれを発散する為に噛んだり、吠えたりと言う行為が多くなると言います。
また何もすることが無くて暇を持て余しているときにも何かを噛む事で、気を紛らわしているとも言います。
こういった場合は叱ってしまうと余計にストレスを与える事になりかねませんので、まずは何が犬にストレスを与えているかを考えます。
例えば大型犬なのに十分な散歩をしていない、日中家に誰も居なくて寂しい想いをさせている、あまり遊んであげていない等、何か心当たりは有りませんか。
ストレスの原因が分かったなら、それを取り除く様出来る限りの事をしてあげて下さい。
遊びの延長
犬は人間と遊ぶ事が大好きです。
その遊びの延長として甘噛みをしてくる事があります。
子犬同士はお互いに噛み合ってじゃれ付いて遊びます。
犬は(特に子犬は)これと同じ事を人にしてしまう事があります。
犬同士の場合だと、自分が噛まれれば痛いと学習するので徐々に噛まなくなっていきますが、相手が人間の場合だとそうはいきません。
ですので自分が噛まれる事を知らないのでいつまでも甘噛みを続けてしまうのです。
こういった場合は、甘噛みをしてきたら遊ぶのを止めて無視してしまう、玩具を取り上げてしまう等してあげて下さい。
そうすると「噛むともう遊んでくれなくなる」と学習して徐々に噛まなくなっていきます。
甘噛みをしてくるのは可愛いかもしれませんが、子犬のうちに直さないと大人になっても甘噛み癖が抜けなくなってしまいます。
自分だけなら未だしも、他の人に同じ事をしてしまったら大変です。
愛犬の将来の為にもきちんと止めさせてあげて下さい。
上下関係を確認している
ご存じの通り犬は元々は群れで生きる生き物です。
群れの中では強さによって順位があり、誰がボスで、誰が偉いのかが決まっています。
新しく迎え入れた子犬は「家族」と言う群れの中での自分の地位が分かりません。
ですので飼い主に甘噛みと言う「攻撃」をして自分より強いか弱いかを確認してくるのです。
こういった場合はきちんと叱るようにして下さい。
叱らずに甘噛みを許していると、犬は飼い主を自分より「弱い」「下位」と見なしてしまいます。
そうなってしまったら躾をしても言う事を聞かない犬になってしまいます。
ですので飼い犬から甘噛みをされた場合は振り払う等して、叱ってあげる事で飼い主が「自分より上位」なのだと教えてあげるのです。
叱ると言っても身体を叩くなどの暴力はいけません。
手などを甘噛みされたらすぐに止めさせて、強い声で「ダメッ」「止めなさいッ」と言うのです。
この時ポイントなのは「私は怒っているんだぞ」と犬が分かるように表情を付けて叱る事です。
動くものに反応してしまう
犬は元野生動物で、犬種によっては未だ強い狩猟本能を持った犬は多いです。
多かれ少なかれ全ての犬には狩猟本能があり、動くものに噛みついて捕らえようと本能的に動きます。
人間の身体で最も多く動かすものは手や足です。
ですので犬が良く動く手や足に甘噛みするのはある意味自然な行為です。
また甘噛みされたときに飼い主が反応を示すと犬は更に本能を刺激され、余計に噛むようになります。
「本能だから仕方ない」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そのまま放っておくと上記したように周囲に迷惑を掛けかねないので、飼い主の義務として止めさせるようにして下さい。
こういった場合は噛んで良いものと悪いものを教えてあげる様にします。
例えば噛んでも良いもの(玩具やガム等)を決めておいて、それ以外を噛んだら叱る、と言った具合にします。
じゃれている
犬は遊びの延長でじゃれあって人間に甘噛みしてくることがあります。
犬同士で噛みついてじゃれあいながら遊ぶ姿は子犬の頃などはよく見られますが、特に子犬の頃にこうして犬同士で遊ぶ時間が充分でないと、成長してから噛む加減などがわからず人間にも甘噛みしてしまうことがあります。
子犬は兄弟犬たちと追いかけっこをしたり取っ組み合ったりするうちに、噛んでつかむことを学習し、この中で噛み加減がわかってくるものです。
このようにして噛みついて遊ぶなかで、噛まれたら自分も痛いということを学習するのですが、こうした学習機会があまりないと大きくなってからも噛んでしまうことがあるのです。
反応を楽しんでいる
犬に噛まれたときに飼い主が変に騒ぐと、犬がそれを面白がって、人間が喜んで遊んでくれていると思ってまた甘噛みしてくることがあります。
犬が人間のこのような反応を楽しんでしまっている場合がこれです。
このような場合には、犬と遊んでいる時に犬が手などを噛んできたら、「痛い」などと言って、犬を無視して使っていたおもちゃなどとともにその場から離れるということを繰り返すと、犬は人間を噛むと楽しいことが終わってしまうということを学習して、しだいにこのような行動を減らすことができることがあります。
人間を噛んだらいけないんだということをこのような態度ではっきりと教えて、しっかりしつけをして困った癖がつかないようにしておきたいですね。
甘噛みの意味を知って対応していこう
一言に甘噛みと言ってもその理由は様々あります。
大切なのは「甘噛みする理由」をきちんと把握して適切な対処をする事です。
また覚えておいて欲しいのは、犬にとって「噛む」という行為はとても自然な事であるという事です。
犬にとって口は攻撃をする個所であると同時にコミュニケーションを行う個所でもあります。
ですので犬にとっての甘噛みには良い意味も悪い意味も有る事をご理解頂ければと思います。