犬がする行動で、よく見られる「穴を掘るしぐさ」はどんな意味があるのでしょうか?ソファがあるお家では必ず見るであろう、このしぐさは私たち人間は何気なく見ている行為ですが、そこには色んな意味やメッセージが込められていることがあります。
どのような意味があって穴を掘るのかを、ご紹介します。
寝床を整えるため
犬の先祖のオオカミは寝床を整える為に、土に穴を掘って巣穴を作り、そこで育児をしたり敵から身を守ったり、寝る場所として使ったりしていました。
その名残が今の犬にも残っており、本能で穴を掘るしぐさをします。
現に野生の犬は今でも、土に穴を掘り巣穴を作って生活すると言われています。
なぜ、ソファなんだろという事ですが、ちょうどソファのふんわり感が土の感覚に似ているからです。
強い力で掘れば穴が開きそうな柔らかさが丁度いいのです。
それに、ひじ掛けや背もたれもついていて、囲われた感じが犬にとっては落ち着く環境だからソファが選ばれやすいのかもしれません。
大切なものを隠すため
犬は自分が大切にしたいと思う物を隠して守ろうとする習性があります。
犬の先祖はそれはオモチャであったりオヤツやエサ、子供等様々です。
愛犬が何かを大事そうに加えてソファに行き、穴を掘り出したら何かを守り隠したいのだなと理解してあげてください。
よく聞くのはスリッパや靴をくわえて隠そうとする場合です。
なぜスリッパや靴なんだと思われた方も多いと思います。
それはスリッパや靴のかみ心地がゴムでできていて丁度かみやすいからなんです。
持っていかれないように靴箱にしまったり、犬の届かないところに隠しておきましょう。
隠しやすいようにタオルや毛布を用意してあげましょう。
獲物を捕らえたい本能から
犬の種類にもよりますが、犬の本能として獲物を捕らえたいという習性があります。
犬のご先祖は土を掘ってモグラや野ネズミなどの小動物を捕らえることもしていました。
その名残で穴を掘るしぐさをする時があります。
特にテリア系の犬は、頻繁に穴を掘ります。
ヨークシャーテリア、スコティッシュテリアなどです。
テリア系の犬は、土の中にいる小動物の狩猟用として育てられた犬種です。
テリア系の飼い犬がソファを掘っていたら、何かを狩りたいのかな?という目で見ると微笑ましく感じます。
かまってほしい時や散歩に行きたい時
愛犬を一人で長い間、お留守番させたりしていませんか?それとも、散歩に連れて行ってあげてなかったり遊んであげなかったりはないでしょうか?犬は元々、自然の中でかけまわり暮らしていました。
犬は当然、一人では散歩できませんし外出もできません。
飼い主の都合や気持ちで、さみしい思いをしてないでしょうか?短い時間や、週に1回でも散歩に連れて行ってあげましょう。
一人で留守番しているさみしさから穴を掘るしぐさをすることがあります。
これを「カーミングシグナル」と言います。
穴を掘るしぐさなどをして相手にこの不安をわかってほしい、外に散歩に行きたいという時に「シグナル」を出して訴えているのです。
また、犬自体も、この穴を掘る「カーミングシグナル」で自分の気持ちを落ち着かせようとします。
寒い時や暑い時の体温調整の為に掘る
先ほどからあるように、犬の先祖は穴を掘って寝床を作っていました。
土の中は、20cm~30cmほど掘ったところは土の温度は一定に保たれています。
冬は暖かく、夏は涼しい快適な場所でもあります。
眠る前や休む時により快適な温度が保たれている場所を作ろうと穴を掘ろうとします。
また、ご自宅の部屋が暑かったり、エアコンが効きすぎて犬にとって寒かったり暑い環境でしたら、犬が穴を掘ってより快適な場所を作りたいと思っているかもしれません。
単純に穴を掘って楽しんでいる
また、単純に穴を掘るのが好きな犬もいます。
散歩も連れて行ってるしかまってあげれているなら、もしかすると単純に穴を掘るのが好きで楽しくて掘って遊んでいる時もあります。
犬にとって穴掘りは、楽しい遊びの一環になります。
そんな時も、叱らずに温かい目で見守ってあげてください。
時には専用のソファをつくって愛犬の気持ちを汲みとってあげよう
犬の1つの行動にとっても、沢山の意味がある事がわかります。
何かを隠したいのか、寝床を整えたいのか、かまってほしいのか、散歩にいきたいのか、寒いのか暑いのか、単純に遊んでいるのか等、必ず意味があります。
ソファが掘られてボロボロになるからやめてといっても犬には、なかなか犬には理解できないかもしれません。
そんな時は、ソファに代わる愛犬専用のベッドやクッションを用意してあげましょう。
犬は自分の居場所が出来たことで落ち着きますし、飼い主にとってもお互いに良いと思います。
どうしてもソファが愛犬のお気に入りでしたら、ソファカバーをかけて掘られても破れないようにするなどして、お互いストレスにならないように工夫をするとよいでしょう。