犬が前足で頭を掻く仕草は意外とよく見られるものです。

そのしぐさにはそのような意味や心理があらわれているのでしょうか。

単純に痒いという理由もあるでしょうが、それ以外にもいろいろな理由があるのでご紹介します。

何らかの理由でかゆいから

1つ目の理由は単純に痒いからです。

ノミやダニによる痒みの場合もありますし、蚊に刺されたり、他の虫に刺されている場合もあります。

ノミやダニがついている場合は、素人がとってしまうと危険な場合もあるので動物病院で処置をしてもらったほうがよいでしょう。

虫刺されの場合は、予防接種や夏のノミダニ対策(フロントライン)などをきちんととっていれば基本的には問題はありません。

2日~3日様子を見て、患部が腫れてきたり膿が出たり悪化していくようであれば動物病院へ行くようにしましょう。

虫刺され自体は何ともないものでも、犬が前足でかいてしまうことによってばい菌が入ってしまうこともあります。

忘れずに毎日患部の状態を確認するようにして下さい。

耳の病気の可能性

前足で頭をかいている仕草に見えて、実は耳の病気である場合もあります。

耳の中はかくことができないので頭をかいているように見えますが、虫刺され等がない場合は耳の病気を疑ってみましょう。

中耳炎や外耳炎が犬がなりやすい耳の病気で、主にダニが原因で感染してしまいます。

子犬や垂れ耳の犬種は特に耳の病気になりやすいので、頭付近を痒そうにしている仕草が頻繁にみられる場合は、動物病院で診てもらった方がよいでしょう。

耳ダニの場合は、あっという間に他の犬にも感染してしまうので特に注意が必要です。

しっかりと治療をおこなって治してあげてください。

不満を表している

痒いわけでもケガをしているわけでもないので前足で頭をかく仕草をしている場合もあります。

この場合は犬の心理を表していて、不満を表している場合が多いと言われています。

犬が自分にかまってもらいたいときや、ヤキモチなどで注目してもらいたいときにこのような行動をします。

自宅に飼い主の友達が遊びに来て話に夢中になっていたリ、テレビやゲーム携帯電話に夢中になっていたリ。

あるいは、小さい子供がいる家庭はそちらにばかり夢中になっていたリ、犬はいろいろな場面で自分は注目されていないと感じながら生きています。

もちろんいつもいつも犬にかまうのは難しいですが、犬もあまりに不満がたまってしまうと問題行動を頻繁に起こすようになります。

頭をかく癖のある犬であれば、この行動がエスカレートして、やがては毛が抜けるほどに頭をかいてしまうこともあります。

そうならないうちに、異変に気付いてあげて適度に相手をしてあげるようにしましょう。

何時間も放置されてしまうのは、犬にとってこれ以上ない苦しみであり寂しいことであると飼い主は認識しておく必要があります。

ちなみに後ろ足で頭をかく仕草をしている場合は気分がいいときだけだと考えられています。

ごはんを食べて満足していたリ、たくさん飼い主と遊んで満足している時に見せる喜びの仕草であると言われています。

不快指数が高くなっている可能性

昔から「猫が顔を洗うと雨が降る」と言われていますが、実は犬にもその能力はあるそうです。

動物はもともと物事の変化に敏感で、天気などを察知する能力が高いと言われています。

雨が降る前に猫が顔を洗うのは、空気が湿ってきて湿度があがってくることも一つの理由です。

同じように感じる犬がいてもおかしくはありません。

確かに天気が悪くなる前には、湿気を持ったベタベタした風が吹くことがありますよね。

動物は人間よりずっと敏感にそうした空気を感じ取っているため、前足で頭をかくような仕草をすると考えられます。

病気ではないのによく前足で頭をかくしぐさをする犬の場合は、どのような時に頭をかく仕草をするのか観察しておくと面白いかもしれません。

眠いから

これは非常に単純な理由ではありますが、人間も眠くなると目をこする人がいるように犬も目をこするように頭をかく仕草をするようです。

眠いときにこのような行動をとる犬は少数だとは思いますが、稀にいます。

眠くなるような時間帯に頭をかくような仕草をしていたら眠い合図かもしれないので静かに眠れる環境を作ってあげましょう。

犬が前足で頭をかく仕草をする理由はたくさんある

以上のように、犬が前足で頭をかく仕草をするのには様々な理由があります。

病気や虫刺されなどの目に見える理由がある場合と、かまって欲しいなど目には見えない心理的な理由と両方が考えられます。

このような仕草が見られた場合にはまず病気の可能性がないかどうか見極めが必要となります。

病気の場合は治療してあげればかく仕草はなくなりますが、心理的な要因の場合は要求が満たされないとかく仕草は続きます。

時間をとってコミュニケーションをとるように意識し、心の隙間がなくなるようにかわいがってあげて下さい。