犬が体を伏せながら肉球をペロペロとなめているところをよく見ますが、これにはいくつかの理由があるため、飼い主であれば状況をよく見ておく必要があるでしょう。
まったく気にしなくて良いこともあれば、ケガをしていて病院に連れていく必要がある場合もあります。
散歩の後などに特に気にして、ずっと肉球をペロペロしていれば注視しましょう。
トゲが刺さっている
犬が肉球(特に前足)をペロペロなめている時は、トゲが刺さっていたり、何らかのケガをしている場合が考えられます。
特に、散歩をしたあとで肉球をずっとペロペロなめている場合は、外で足の裏に何か刺さってしまったことが考えられますから、注意が必要です。
外の場合はトゲのみならず、ガラス片や木の枝など、色々な要因が考えられます。
外の散歩の後は、足を洗ってあげる際に肉球を見てあげて、異物が刺さってケガをしていないか確認する必要があります。
室内でもトゲの刺さってしまう場所はいくつもあります。
小型犬の場合などは、ベッドの下や棚のスキ間など、どこへでも潜っていってしまうので、足の裏に異物が刺さってしまうことも十分考えられるでしょう。
こういった場合は、犬は激しい痛みを感じない程度なら自分で治そうとペロペロと肉球をなめて手当しようとしますから、その時間があまりにも長いときは飼い主がきちんと見てあげる必要があります。
肉球と爪の間に何か挟まっている
この場合もトゲが刺さるなどのケガと同様、犬が自分で手当てをするために肉球をなめていることが考えられます。
犬の肉球をよく見て見ると、爪と肉球の間、指の間にはかなりの隙間があり、異物が挟まったりすることが想定されます。
特に、大型犬の場合などはその隙間が広いので、散歩の際に何かが挟まる可能性が十分あり得ます。
肉球をなめているように見えて、指の間をなめていたり、噛んだりしてることがあるため、その時は足の裏を見てあげましょう。
また、肉球の間には体毛が生えていて、目が行き届きにくい状態になっています。
ペットサロンに行って間もない場合は目視で確認できますが、毛で覆われている時は肉球の間をきちんと洗ってあげて、清潔にしておく必要があります。
爪の手入れとともに、肉球の間の毛を短く切っておくことも大切です。
肉球から体温を逃がす
犬は体毛で覆われているため、体温調節が難しい動物です。
犬は足の裏、舌、お腹と、体毛で覆われていない、肌が露出した部分だけで体温を調節するので、夏に暑さを逃がす場所がなくなると困ってしまいます。
夏場などは特に、肉球をペロペロとなめることで、自分の舌で肉球を冷やして体温を下げようとします。
この場合はクーラーなどで部屋の温度を下げたり、湿度を下げることで体温調節の手助けをしてあげる必要があります。
あまりに長い時間肉球をなめていると、ストレスが考えられるので、早めに対応してあげましょう。
肉球をなめる行為は、ストレスが原因の場合、犬が自分で止めようとはせず、際限なく続けてしまう可能性もあります。
ずっと続けると血が噴き出したりすることもあるので、なめている時間を特に注意して見ておきましょう。
足周りの清潔を保つ
肉球をなめる行動は、足の裏に何らかの違和感を感じている場合が多くあります。
この違和感は、ケガの場合もあれば「歩いている場合に、足の裏と地面が接触する感じが違うな」と感じた場合などもあげられます。
肉球の間には毛が生えていて、伸びすぎると、歩いているときに違和感を感じて自分で手入れすることもあります。
つまり、毛づくろいの一環として肉球をなめて違和感を取り除こうとしています。
この場合は、きちんと足の裏の毛を切ってあげることで解消できるでしょう。
単なる退屈しのぎ
遊ぶおもちゃもなく、お腹も空いていない時などに、自分の足の裏をなめて退屈しのぎをすることもあります。
ちょうど、飼い主の指を甘噛みするように、肉球をペロペロなめたり、前足を甘噛みして遊んでいる状態です。
特に問題はない行動なので、一緒に遊んであげるだけで退屈が解消するはずです。
犬が肉球をなめる理由を知っておこう
犬が肉球をなめる理由としては、色々な理由が考えられます。
肉球も犬にとって大切な体の一部ですから、なめる行為があまりに長く続く場合は、飼い主がきちんと見て原因を突き止めてあげる必要があります。
肉球の間、爪と指の間などは見逃しがちですが、よく見ると肌が露出していて、バイ菌が溜まりやすい場所とも言えます。
ペットサロンでの手入れはもちろん、自宅での手入れ、散歩後に足をよく洗って清潔を保つなどして対処してあげましょう。