室内で飼っている小型犬、外へ散歩に連れていった大型犬など、犬はそこらへんに落ちているゴミや草などを、クンクン臭いを嗅いでから食べようとします。

犬は比較的、視力が弱い動物と言われているため、鼻で臭いを嗅いでから、興味のあるものを食べて確かめようとする習性があります。

そこで今回は犬が落ちているゴミを食べようとする心理をご紹介します。

美味しいものを探そうという心理

室内で飼っている小型犬でわかるように、ゴミ箱に頭を突っ込んだり、床に落ちているゴミを食べてしまったりしてしまうことがあります。

ドッグフードを与えた後でも、興味本位でこの行動をしてしまうようです。

これは、犬が目の前にある「見知らぬもの、味わったことのないもの」を食べて、どんな味がするのかを興味から確かめようとする心理と言えます。

この動作をする時は、必ず鼻でクンクンとゴミをつっついたりしてから、ペロッと舌で口の中に入れるはずです。

室内であれば、自分の臭いのついた物や普段からある物なら犬はその存在を知っているため、興味を示しません。

そこに、ゴミが落ちていたり、見知らぬ物体が落ちていたりすると、まずは口の中に入れたり、かじって遊んだりします。

ゴミに限らず、ティッシュや段ボールなどは「遊びの対象」としてかじったり、むしってから食べてしまうこともあるでしょう。

しかし、この動作は止めないでいるとそのまま癖がついてしまい、同じゴミやティッシュ、段ボールなどを見つけるたびに食べてしまうようになります。

興味の対象を奪われると、犬は急に怒り出し、飼い主でもかみついたり吠えたりするので、多少、危険が伴います。

この動作を確認したら、おやつを与えるスキにゴミを取って、興味を逸らすようにしましょう。

ゴミ、ティッシュなどは食べても便として排出されますが、癖がついて大きなものを食べてしまうと、腸が閉塞してしまう恐れがあるので、注意が必要です。

ゴミは美味しいものではないということを飼い主が知らせることで、犬の心理を変えることができるでしょう。

ストレスを解消したい

ゴミを食べる(なめる、かじる、手で転がす)のは、遊びたいというストレスを解消する心理と言えます。

外に散歩に行きたいけど、室内にいるから暇を潰してストレス発散したいという心理でしょう。

これは、人間も犬も同じく、同じ室内に長時間いて何もせずにいると「解放されたい」という心理が働き、ストレスを解消しようとします。

そのため、部屋の中をうろついて「何か新しいものを探そう」とします。

そして、普段は目にしないゴミや落ちているティッシュ、段ボールなどを見ると、ここぞとばかりに「新しいおもちゃを見つけた」という感覚で食べてしまいます。

この行動は特に飼い主が帰宅した後に表れやすいもので、「誰かがいる=遊べる」という心理から、ゴミを見つけて食べてしまうようです。

普段、誰もいない部屋の中では、犬はゴミが落ちていても見向きもせず、ずっと体を伏せて退屈そうにしているはずです。

家人が目の前にいると、ゴミを食べ始めたりするので、かまってほしいという心理から、ストレスを解消するためにする行動と言えるでしょう。

単に空腹を感じている心理

単にお腹がすいている時も、ゴミをひろって食べてしまうことがあります。

これは、ごはんを食べたりない時、空腹になってしまった時の心理なので、ドッグフードを与えて解消できます。

外でのゴミを食べる・持ち帰りたいという心理

ゴミを食べるのは室内とは限りません。

外へ散歩に行ったときも、落ちているゴミや草などを鼻でクンクンした後でペロッと口の中に入れてしまうことがあるでしょう。

この行為も、基本的には室内のゴミと同じく、「美味しいものを探したい」という心理が働くためと言えます。

ただし、外で見つけるゴミは、草いきれの臭いや他の犬の臭いなど、雑多な臭いが混じっているので、よけいに美味しそうと感じて、興味から食べてしまうようです。

散歩中のことであれば、首輪を引いて「食べてはいけない」という飼い主の意思を伝える必要があります。

また、外にあるゴミなどは大きなものもありますが、それは食べずにくわえてそのまま持ち帰ろうとするでしょう。

これは、外で見つけたおもちゃを自分のテリトリーに持ち帰って遊びたいという心理が働くためです。

散歩中は特に、犬にとって興味を引く要素がたくさんあるので、飼い主がきちんと対処する必要があります。

ゴミを食べてしまう心理を知ろう

犬がゴミを食べてしまうのは、「美味しそうなものを探したい」「ストレスを解消したい」「お腹がすいた」「自分のテリトリーに持ち帰りたい」などの心理が働くためと言えます。

犬が本来持っている興味からくる心理ですが、放置しておくと食べたゴミによってお腹を壊したり、病気になったりします。

散歩中などは特に、おやつを持ち歩いて、ゴミを食べる代わりに与えて興味を逸らして習慣化することを防ぎましょう。