犬も私たち人間と同じように、様々な感情を持っています。
嬉しい時は表情が豊かになり体全体で喜びを表しますし、悲しい時や怒っている時も表情やしぐさに表れます。
今回は、犬が歯をむき出しにする心理についてご紹介します。
嫌な行為をされ怒る
例えば、えさを食べている際に体を触ったりちょっかいを出したりすると犬はとても嫌がり、ウーと唸ります。
人間だって食事を邪魔されると気分がよくないのは同じです。
物を食べる時は集中したいという心理が働くわけです。
また、鼻や手足を触られるのも嫌がります。
単純にくすぐったいというのではなく、犬にとって鼻先や手足は体の中でも最も神経が鋭くなっている敏感な部分です。
これは、犬の弱点と言っても過言ではありません。
その為、ふいに鼻を触ろうとしたり、散歩の後に手足を無理に拭こうとすると唸ります。
これは、「触らないで」という合図です。
しつけや育て方次第でどこを触られても平気な犬に育つ可能性も十分ありますので、全ての犬に当てはまるものではありません。
苦手な対象に対しての威嚇
犬は赤ちゃんや子供に「苦手意識」を持っている事が多いです。
その理由は、体が小さい為同じ対象として見なしているからです。
その対象が飼い主にかまわれたり、ご飯やおもちゃを与えられたりしているのを近くで見てやきもちを焼いてしまいます。
これは犬心で、飼い主の愛情が二分されるのは面白くないのです。
また、子供に関しては容赦なく触ってきたり、尻尾をつかんだりと犬に対して自由に接するところがあります。
中には砂や小石を投げて面白がる子供もいます。
犬からすれば嫌な目に遭わされる対象と認識され、敵として見るようになります。
家族の中に小さい子供がいる場合は、犬との接し方もきちんと教えてあげなければいけませんね。
また、犬は飼い主以外の人間に優先順位をつける習性があります。
例え飼い主の家族であっても自分より下と見なした相手には優位に立ちたい心理が働き唸る事があります。
大事な物を守りたい
犬がおもちゃで遊んでいる時に飼い主が奪おうとすると、「何するの?取らないで」というように歯をむき出しにして唸る事があります。
自分の大事な物を取られる事に対する不安と、楽しい時間を奪われる事に対する怒りを表しています。
また、大好物のえさやおやつを与えられるとその食べ物を必死で守ろうとして唸る事もあります。
「これはもう自分のものだから渡さないよ」という心理です。
警戒しつつ大好物をむさぼるように食べます。
飼い主側としては誰も取らないよと思いつつ、必死で守ろうとしている姿を見るとかわいく思えてきますね。
嬉しくて興奮している
大好きなおもちゃで遊んでいる時にも、犬は唸る習性があります。
例えば、引っ張り合いっこできる縄紐のおもちゃで遊んでいる時、飼い主が手を緩めたり離したりすると「もっと引っ張って」というように、ウーウー言いながらおもちゃを振り回してきます。
また、ボールやピーピー音が鳴るおもちゃをくわえては放り投げ、ガルルと唸って遊びます。
これらはいずれも楽しくて興奮している状態です。
犬が歯をむき出しにするのは悪い場面だけではなく嬉しくてテンションが上がった時も同様です。
ただ、このような場面で飼い主が手を出したりすると噛まれる可能性もないとは言えない為、一旦落ち着かせる事も大事ですね。
過去のトラウマを思い出す
子犬の頃に爪切りを失敗したり、耳掃除の時に痛い思いをしたりと飼い主によって怖い思いをさせられた場合、それがトラウマとなり、体を触られるだけで相手に歯をむき出すようになってしまいます。
これは人に噛み付く可能性も出くる為、非常に重大です。
犬の信頼を取り戻すのは大変なところまできている状態と言えます。
幼少期の接し方はとても大事なので、そこで誤ってしまうと大きくなった時に手の負えない犬になりかねません。
トラウマになるような行為はしないように育てる必要があります。
突然の音にびっくりする
犬は、一日をほぼ寝て過ごしています。
スヤスヤ気持ちよさそうに寝ている姿をよく見かけますよね。
そんな時何か物を落としてしまったり、ドアを強く閉めてしまったりと大きな音を立てると犬はびっくりして飛び起き、見えない相手に強く吠えます。
こんな時耳はピンと立ち、尻尾は下がっている事が多いです。
ものすごく警戒している時です。
また、基本的に犬は雷が苦手なので雷鳴がすると吠える犬が多いです。
中にはただびっくりして逃げ出す犬もいます。
犬は匂いだけではなく音にも敏感です。
歯をむき出しにする犬の気持ちを知ろう
このように、犬には歯をむき出しにするケースがいくつかあります。
人間に対して歯をむき出しにして唸るという行為は決してよい事ではありません。
ただ、犬が唸る心理というのは様々考えられ、その中には飼い主のしつけが原因になっている事も多々あります。
犬も人間と同じで、育った環境が育成に関係してくるのでしっかり向き合って接する事が大事だと言えますね。