飼っている犬に足を噛まれてしまうことに悩んでいる飼い主さんは、結構多いと思います。

しかし、これには犬なりにきちんとした理由があったのです。

単なる噛み癖だと思っていた行動にはどのような理由があるのかをご紹介します。

飼い主の足を噛んで単純に遊んでいる

飼っている犬に飼い主が足を噛まれる問題の理由としては、このケースが最も多く挙げられます。

犬は常に何か遊ぶものを探しています。

そして同時に飼い主さんに遊んでほしいと思っているのです。

そこで試しに足を甘噛みしてみたら反応してもらえておもしろかった。

遊んでほしい時は足を噛めばいいんだ、と学習してしまいます。

こういう場合、足はおもちゃではないということをきちんとしつけてあげれば、いずれこういう癖はなくなっていくと思います。

しつけのコツとしては、噛まれた時にしっかりとダメと叱ること。

もしくは徹底的に無視して、足を噛んでもおもしろくないということを覚えこませるのがオススメです。

動いているものに反応してしまう習性

2つ目の理由として、動いているものに反応して噛みついてしまう犬の習性によるものが挙げられます。

これは子犬や小型犬に良く見られる傾向です。

犬は本来狩りをして生きていたオオカミ系の血筋です。

したがってまだそのDNAには狩猟本能が深く刻まれています。

それにより、自分の目の前で機敏に動いている足をついつい噛んでしまいます。

対策としては、噛まれた時にすぐに動くのをやめるのがまず有効です。

動いているものに反応しているのであって、飼い主の足が憎たらしくてしょうがないわけではありません。

動きさえ止まれば基本的に犬は冷静になり噛むのをやめます。

また、それでも止めない時は、おもちゃを使って噛む対象をそちらに移すのも良いでしょう。

どうしても犬は常に何かに噛みつきたくてうずうずしているので、おもちゃに噛みつくことでその欲求を発散でき、ストレスが溜まるのを防ぐこともできます。

主従関係を確認している

犬は本来、群れで生活していた生き物です。

そして群れとは完全な縦社会、すべての犬同士上下関係がはっきりしています。

よって犬は、家庭という群れの中で自分がどのくらいの位置にいるのか把握しようとします。

その時に相手に甘噛みします。

甘噛みを拒否されたら自分より上、噛んでも嫌がられなかったら自分より下の存在、という感じです。

この場合、きちんと叱らず噛ませていると飼い主を自分の手下だと思われてしまいます。

それでは好き放題なわがままな子に育ってしまうので、その場合は噛まれるのをきちんと拒否し、叱ってあげることが大切です。

威嚇による噛みつき

こちらは、犬が何か自分が嫌なものに対して威嚇している心理によるものです。

具体的に言うと、ブラッシングやお風呂が嫌で飼い主の足に噛みつく、という感じです。

犬には結構お手入れを嫌がる個体が多く、このケースも非常によく見られます。

この場合無視してブラッシング等をしようとすると強く噛まれ足を怪我する可能性があるので危険です。

対処法としては、無理に長時間お手入れをせず何回かに分けてこまめにする方法があります。

これにより多少嫌なことでもすぐ終わるので我慢できる場合が多いです。

そしてこまめにお手入れをして毛玉ができないようにしておけば、ブラッシング時に痛いことがなくなるので、犬が嫌がることもなくなります。

また、お手入れが終わった後にご褒美のおやつをあげるなどして、お手入れ=おやつをもらえるという風に良いものとして犬に思ってもらうやり方もあります。

それぞれの犬に合った方法を試してみてください。

自己防衛による噛みつき

5つ目としては、犬が飼い主を威嚇しているケースです。

上記の威嚇のケースと似ていますが、その原因に大きな差があります。

このパターンの原因はおそらく犬が飼い主に恐れや不安を抱いているためです。

おっしこのしつけや上記の噛み癖を直すために、犬を強くたたいたりしたことはありませんでしたか?

そのようなしつけ方をすると犬は飼い主に対して、恐怖や敵対感情を抱いてしまい、自分の身を守るために飼い主に噛みつくことがあります。

この場合、犬と飼い主の信頼関係に大きな溝ができてしまうので、このようなしつけ方をしている方はすぐに止めることをオススメします。

犬のしつけは何もたたくやり方だけではないので、きちんとしたしつけ方を飼い主の方に学んでいただきたいです。

犬が飼い主の足を噛む時の心理を知ろう

このように、ただの噛み癖だと思っていたものにはきちんとした理由があったのです。

ですから噛まれた時に頭ごなしに怒ったり、たたいたりしてはいけません。

ぜひこれらのことを飼い主の皆さんには理解していただいて、しつけの際に役に立てていただければと思います。

それぞれの大事な犬が噛み癖のないいい子に育つようにしっかりとしつけてあげてください。