犬がシッポを振りながら吠えてくる時というのは、犬が喜んでいる時なのでしょうか?
それとも、必死に危険を示そうとしてくれているのでしょうか?
ちょっと考えてしまうようなシチュエーションというのはありますよね。
シッポは犬の感情が非常によく現れるパーツですが、こういう時にはどんな気持ちなのかご紹介します。
興奮してシッポを振る
犬がシッポを大きく振る時には、気持ちが高ぶって興奮しているという状況が考えられます。
こういう時には、喜んでいたり「嬉しい」という気持ちでシッポを振っています。
吠えられると「何か怒っているの?」と思ってしまいますが、そんなことはありません。
どちらかというと、「好き好き大好き」といったハイテンションに近い状態だったりします。
このような喜怒哀楽でいう「喜」を表現する時には、ぐるぐるとシッポを回すように大きく振ったりするのが特徴です。
前足をあげて体を起こしてお腹を見せたり、人の周りをぐるぐると回るように走ったりすることもあります。
とても無防備な姿を晒したりするので、怒ったりしているわけではないというのは直感的にわかるでしょう。
簡単に言うと嬉しすぎて、ちょっとはしゃぎすぎているといった感じです。
警戒してシッポを振る
犬に吠えられると、反射的に何か怒っているのかと思いますよね。
犬が吠えたりするのは、本来、何かに警戒したり、危険を感じた時の威嚇に近いことが多いです。
しかし、先ほどの喜んで興奮している時のシチュエーションとしては正反対の心理です。
「一体どっちなの?」と思ってしまいますが、警戒している時にはシッポの振り方に少し違いが見られます。
警戒をして吠えている時には、シッポを上に立てて小刻みに早く振っています。
喜んだり興奮していたりする時と比べると、シッポの動きは硬く力んでいるような感じに見えます。
これは体をこわばらせてるというようなイメージで考えて貰えばわかりやすいと思います。
こういうときに無理に触ろうとしたりひっぱったり、嫌なことをされると噛みつかれてしまいます。
おねだりのためにシッポを振る
「遊んでほしい」「もっとおやつ欲しい」といった、おねだりをしている時にも同じような行動が見られます。
こういう時には、シッポの振り方よりも、吠え方に特徴があります。
一度だけ短く「ワンッ」と吠えたり、執拗に吠えてくる素振りを見せません。
感情的に吠えているというよりも、構ってほしいアピールに近く甘えてくる感じです。
シッポの振り方も、先ほどの感情の表現のようなシチュエーションとは少し異なります。
こういう怒ったり喜んだりといった激しい感情でない時は、シッポはおしりの上にこることがありません。
リラックスしているときような感じで、左右にふんふんと振っている状態です。
決して怒ったりしているのではなく、どちらかというとご機嫌がいい時の仕草と言えるでしょう。
戸惑いや不安があるためシッポを振る
おねだりする時や甘えてくる時に似ていますが、また別の感情で吠えることもあります。
シッポは下げ気味で、ゆっくりと何かを探っているかのような振り方をしていたりします。
このような時には、犬が後ろをついてきたり、こちらをじっと見ていたりするような仕草も見られたりします。
これは、犬が不安な時や、戸惑っている時に見せたりする仕草です。
「何をするの?」とか「どこに行くの?」といった不安をこちらに伝えようとしています。
よく出かけるために服を着ようとしたりする時に、こういう行動を見せたりすることがあります。
しっかりと犬と飼い主の間に信頼関係ができればこその行動ではありますが、やはり姿が見えなくなったりするのは不安に思ったりするものです。
悪い意味の行動ではありませんが、そうした気持ちを察してあげるようにしましょう。
シッポと吠え声は感情の表現
ついつい先入観やイメージで、私たちは犬の感情を推し量ってしまいがちです。
単純に「シッポを振っていれば喜んでいる」「吠えている時は、気が立っていたり怒っている」と判断してしまいます。
しかし、犬にもいろいろな感情があり、体の動きや吠え方でそれを私たちに伝えようとしています。
シッポを振ったり、吠えたりする時の感情では一様ではないということを理解しておくのも、コミュニケーションを取る上で大切なことです。
また、シッポ以外にも犬は感情や気持ちのでやすい体のパーツがいくつもあります。
例えば耳がぴんと立っていたりすれば、警戒したり緊張状態にあることがわかります。
頭を下げて腰を上げているような態勢なら、「すぐにでも攻撃できるぞ」と緊張して威嚇している状態です。
こうした犬のいろいろなパーツの様子で、そのときのメッセージは何なのかを察するようにしましょう。
「私たちなら、どうアピールするだろう?」と、犬の気持ちになって考えてみるのもよいかもしれません。
シッポを振りながら吠える犬の心理を知ろう
犬にもいろいろな感情がありますが、残念ながら私たちのように言葉で示したりすることはできません。
その一方で、吠えたりする声のトーンや、シッポなどの体のパーツを使って、必死に気持ちを伝えようとしてきています。
こうした行動は、動物同士の間では、相手に威嚇や不快感を伝えるシグナルとしてきちんと機能しています。
私たちが、もう少し犬の発するシグナルに敏感になってあげてもいいのかもしれません。
いろいろな行動やサインを見つけ、そうした状況の文脈から犬の気持ちを翻訳できるように心がけたいですね。