飼い主にとって犬が飛びついてくることは、犬が喜んでいたり、甘えていたりしていると理解できます。
この飛びつきを他人の子どもにした場合、犬を怖がらない犬好きな子どもであれば、飛びつかれることに嫌悪感はあまりないかもしれません。
しかし、飛びついたことにより子どもを怖がらせたり、ケガをさせたりすることが問題になる場合も多くあります。
できることならば犬の飛びつきは、限られた人だけに許すことをしつけることがベストです。
そこで、犬の飛びつきをしないようにする、やめさせるには、どのようなしつけ方をするべきかご紹介します。
飛びつく犬の思いを理解する
犬が子どもに飛びつく時には、相手を知り、友好的な関係を持ちたいという思いがあります。
犬は、相手の顔や口元を舐めたり匂いを嗅ぐことで、まず相手を知ります。
口元を舐めたり匂いを嗅ぐために、顔の側まで近づこうとため飛びつくのです。
また、子どもはお菓子を食べたり乳製品を飲んだりする機会が、大人よりも比較的多くあります。
その匂いは犬にとって、おやつをくれる人ではないかという期待を持たせるものです。
したがって、何を食べたのか、いつ食べたのかを知るために口元に近づこうとして、飛びつくことになります。
犬が飛びつくという行動は、自分の顔より高い位置にあるものに、純粋に顔を近づけようとする行動のひとつに他なりません。
また、犬の性格によって、子どもに飛びつこうとする行動に特徴があります。
まずは、犬が子どもに飛びつこうとする時の行動をよく観察して、しつけ方を考えることが重要です。
飼い主といっしょに日常生活を過ごしている犬の場合、飛びつくという行動に敵意があることはごく希です。
性格が穏やかな犬の場合
大型犬や性格が穏やかな犬の場合、飛びつきを始める前に子どもの脚やお尻の臭いを嗅ごうとします。
これを始めたら、犬が飛びつきを始める前にそれを制止し、座らせます。
この時、多くの飼い主が慌てて犬の名前を呼んでしまいがちですが、犬の名前は呼ばず平常心で座らせる命令だけをすることが重要です。
犬が座ったら、そのタイミングですぐに、上手に座れたことを褒めてあげましょう。
このしつけのポイントは、犬が子どもに対して匂いを嗅いだり舐めたりしたことについて褒めているのではなく、上手に座って待つことができたいことを褒めていることを、明確にわからせることです。
あくまで、匂いを嗅ぐことを制止された・座って待つように命令された・座って待っていたので褒められた、という区切りを犬にわからせることが重要です。
気性の激しい犬の場合
小型犬や性格がやんちゃな犬の場合、子どもに接近するやいなや、すぐに飛びつきを始める場合がほとんどです。
小型犬の場合、こどものお尻の匂いを嗅ぐためにも飛びついて立ち上がる必要があることから、すぐに飛びつきを始めます。
また、子どものほうから犬に触れてくるような場合は、穏やかな性格の犬であっても、相手が友好的であると感じた途端に、気性の激しい犬と同様の状態になり得ます。
このような犬の状態については、まず犬を子どもから遠ざけて、子どもを観察させることが重要です。
遠ざけるためにリードを引くときには、犬の名前を絶対に呼ばないようにし、ダメ。の命令だけをするようにしましょう。
飼い主と一緒に遠ざかってから対象物を観察させることで、犬が適度の警戒心を持ち冷静になることの助けになります。
リードの引きが弱くなり、落ち着いたことを見計らってから、座らせる命令をします。
上手に座ることができるまで、繰り返し座る命令をし、上手に座れたら褒めてあげましょう。
この時も名前を呼ばずに、座る命令だけをすることがポイントです。
子どもに犬との接し方を教える
犬を可愛がる気持ちや犬への興味から、子どもの方から犬に接近して触れようとすることが多くあります。
この様な場合には、犬が飛びつきを始めてしまう前に、飼い主から子どもに犬に対する接し方を伝えることが重要です。
犬にはまず座ることを命令し、落ち着いていることを確認できたら、子どもには犬が嫌がらないスキンシップの仕方を伝えましょう。
そして、犬が少しでも飛びつきの兆候を見せたら、飛びつきが始まる前に子どもから遠ざけて、座らせることも重要なことです。
また、家族の子ども達には、犬の世話をする役割を持たせることで、外でも子どもに対する飛びつきをしなくなる助けになります。
犬と子どもとのスキンシップを含めたコミュニケーションを増やすことにより、犬が子どもとの接し方を覚えることが出来るのです。
犬の子どもへの飛びつきを防ごう
犬が子どもに飛びつくことには、ほとんどの場合悪意はありません。
子どもに興味があり、一緒に遊んでもらえるという思いだけが、子どもに飛びつく犬の心理です。
犬がこどもに飛びつくのは、ボールにじゃれて飛びつくこととは違うということを飼い主は理解してあげましょう。
そして飼い主は、飛びつかなくても子どもとふれあうことができるということを、犬に理解させてあげることが最も大切なことです。