よく観察していると犬がため息をすることがあります。
犬は人間と同じように心理的な要因でため息をつくとも言われています。
「フー」というため息だったり、「フン」というような短いものであったり、見ているといくつかバリエーションがあることに気がつくと思います。
それぞれのため息にはどんな心理があるかご紹介します。
心地よさを感じている
犬がため息をするとき、多くの場合は両方の前足の上に頭を乗せて腹ばいの状態になっています。
室内にいるときにはよく見かける光景ではありますが、微妙な表情や様子からため息をする心理が異なっています。
膝の上に乗っかっているときや、ご飯を食べた後やブラッシングをしてあげた後に、眠たそうな表情でフ~ンとため息をつくことがあります。
目を細めてうっとりした表情だったり、ぼんやりとした顔つきでするため息は、リラックスしているときに出てくるため息です。
私たちが食後に「お腹いっぱい」とか、「幸せ~」と思うような気持ちをきっと感じているのでしょう。
似たようなため息ですが、極度の緊張から解放されたときも同じようなため息をつくことがあります。
これも私たちに例えると、大切な会議が終わった後にふ~っとするようなため息にとてもよく似ています。
こういうため息はまったく心配することはありませんので、「幸せを感じているんだな」と解釈しましょう。
ストレスや不満を感じている
リラックスしているときと同じ体勢でつくため息でも、不満やストレスと表すため息というのもあります。
不満を示すため息をするときの特徴は、目を大きく見開いた状態だったり、私たちに目を合わせながらするというのが特徴です。
時には睨むような目線を送ってきたり、ため息をした後にそっと離れて行って拗ねた様子を見せることもあります。
こういったときには不満を示しているんだなと察してあげるようにしましょう。
遊んで欲しいときにか待ってもらえなかったり、散歩になかなか連れて行ってもらえなったり…、何かもらえるかなと私たちの食事をしているところを見ていたりしたときなんかに、よく見かけるため息です。
私たちも落胆したときに思わず「はぁ…」というため息を漏らしてしまうことがありますよね。
不満気な顔をしていたら、様子を見て、時には構ってあげるようにしましょう。
嗅覚をリフレッシュさせている
散歩に外に連れ出してあげると、よくフーンとため息を漏らしていることがあります。
ご存知のように犬の嗅覚は非常に優れていて、色々なものに対してまずニオイを嗅ごうします。
この時に鼻の中の状態を整えたり、空気を吐いて嗅覚をリフレッシュために大きなため息をつくことがあるようです。
同じように散歩中に見られるため息でも、疲れている時にもため息を漏らすことがあります。
散歩の途中なのにため息の後でしゃがみ込んでしまったり、あまり動きたがらない素振りを見せている時には、「疲れているので休みたい」というサインだと捉えましょう。
こういう時には無理に引っ張ったりせず、ちょっと休ませてあげたり給水をさせてあげるようにしましょう。
鼻が詰まってしまっている
ため息をしているときに注意しなければならないのは、頻繁にため息をしていたり、ため息の後に鼻水が出てくるようなときです。
このような症状の時には「呼吸が浅くて少し苦しい」という状態のサインだったりするので、少し観察してあげる必要があります。
短頭種という鼻が短い犬種の犬は、よくため息といっしょに鼻水を飛ばすことがあります。
ブルドッグやパグ、シーズーた短頭犬の代表種ですが、なんとなく共通する顔のイメージがありますよね。
短頭種は鼻の構造上、鼻腔狭窄という病気にかかりやすいです。
鼻腔狭窄は気管が狭くなって呼吸がしづらくなったり、悪化してしまうと呼吸器に重大な影響を及ぼしてしまいます。
短頭種は元々鼻が詰まりやすいので、鼻腔内の鼻水を飛ばして通りやすくするためにこういう行動を取っています。
ため息をすること自体が決して珍しいことではないのでうっかり見落としてしまいがちですが、苦しそうだったり元気がないときには注意して見てあげましょう。
休憩をしたい
お散歩中に見られるため息で、はしゃぎ過ぎて疲れてしまい、ちょっとその場で休みたいな、というときの出るものです。
人間も疲れると、思わずため息をついてしまいますよね。
犬達も同じような心理が働いているようです。
その場から、あまり動きたがらなかった場合はこのパターンが当てはまります。
この状態になったときは犬の様子をうかがうようにして、嫌がるようであれば、無理にお散歩を続ける必要はありません。
愛犬がため息をつく原因を探ろう
犬はうつ病などの精神疾患にもかかると言われているので、元気がないときや不満を示しているときには注意が必要です。
また嗅覚が鋭いことや、可愛らしい顔の単犬種だからこと気を付けたいトラブルもあります。
日頃から異変に気付いてあげられるように、しっかりと様子を観察してあげましょう。