犬の前足

ふとした気づいたら、犬が前足を乗せてじっと見つめてきている…犬の飼い主ならば誰しもそんな経験があることでしょう。

なんとも可愛らしいこのしぐさですが、気をつけなければならない点もあります。

ここでは、犬が前足を乗せるしぐさの意味するところをご紹介します。

自分に注目して欲しいというサイン

他のペットや赤ちゃんなどに飼い主の注意が向いている時、甘えん坊の犬は前足を乗せてくることがあります。

これは、そっと乗せてくるのではなく、結構がっちりつ捕まってくる感覚です。

「ねえねえ、ボクのこと忘れないで」という気持ちから来ています。

または、小さい子どものように、飼い主を独占したいという気持ちから、何とか注意を引こうとしている場合もあります。

「そういえば最近、犬に構っていなかったなあ」など心あたりがあれば、手が空き次第めいっぱい遊んであげましょう。

お散歩や遊ぶ時間が普段より減っていないのであれば、単なる犬のやきもちです。

その場合は気にせず無視して、いつも通りの生活を続けましょう。

遊んでほしい、かまって欲しいというサイン

人間ならば「ヒマ~」と言って軽く体当たりしてきているようなものです。

これは、犬以外のことに飼い主が集中している時にありがちです。

例えばお休みの日にクルマのパーツを磨いていると、膝の上に軽いタッチが。

見ると犬が両前足を乗せて見つめている、というような状況です。

ここで、いくら愛犬のためであっても全てを投げ出して遊んであげる飼い主はあまりいないことでしょう。

すぐに犬の要求を聞いてあげる必要ありません。

いつものお散歩や遊ぶ時間を削っているのでなければ、特別なことをする必要はありません。

飼い主が「遊んであげたい」と思うのであれば、飼い主の都合に従って後で時間をとってあげれば十分。

無理に自分のしていることを切り上げてしまうと、犬は「おねだりすれば聞いてくれるんだ」と勘違いしてしまうからです。

何かを要求しているサイン

犬は規則正しい生活を好む動物です。

例えばお散歩やエサの時間を忘れていると、ちゃんと前足を乗せて要求してきます。

これは大抵の場合、お座りの状態で前足だけ飼い主の体に乗せてくるポーズです。

お散歩は時間前から要求してくる場合も少なからずですが…「ごめんね、時間を忘れていたよ」と、すぐ要求に従う必要はありません。

人間同士の関係では、「謝ってすぐ対応する」のは当たり前ですので、変な話だと思われるかも知れません。

でも、要求している側の犬は「時間だよ。今日はどうしたの」と催促しているにも関わらず、飼い主がすぐ対応してくれると「飼い主さんはボクの言うことをいつでも聞いてくれるんだ」と思ってしまうのが理由です。

飼い主は、慌てることなく「あっそうだね~、ちょっと待ってね」という感じで、少し待たせてから対応すると良いでしょう。

もっともっと。と催促するサイン

犬を撫でている時、手を止めると「お手」のようにして片方の前足を飼い主に乗せてくることは、ありませんか?

これは「もっと続けて」という催促です。

なんとも可愛らしいしぐさなので、何度も何度も犬に催促されるまま「気づいたら随分長い時間犬を撫でていた」という飼い主も。

でも、撫でてもらうことは犬にとってご褒美です。

過剰になってしまっては、ご褒美感覚が薄れるだけではなく、「おねだりすれば、いつでも撫でてもらえる」と犬は思ってしまいます。

そして、要求通りに撫でてもらえない場合は、唸ったり咬んだりするようになる可能性も。

犬を撫でてあげるのは、飼い主にとって都合の良い時間だけで十分です。

それでも犬にとっては十分満足なのだということを忘れずに。

自分の方が飼い主よりも優位だ。と思っているサイン

犬が他の犬の背中に両前足を乗せている姿を見たことがありませんか?

これは、相手より自分の方が優位だというサインです。

お座りして前足を乗せてくるのではなく、体全体を持ち上げている状態です。

された側の犬は大抵振り払いますが、飼い主も「ダメだよ」と振り払ってしまいましょう。

普段から飼い主の言うことをきちんと聞く犬なら、無理に振り払うよりは、乗せてきた前足をそっと降ろしてあげる方が良いでしょう。

愛犬に冷たくするのは誰しも気が引けますものね。

犬が前足を乗せてくる気持ちを理解してあげよう

犬が前足を乗せてくる行為には色々な意味がありますが、犬の気持ちを読み取るコツは普段の飼い主との関係にかかっています。

いつも飼い主の言うことに従う犬なら、5番目である心配はほぼ無いと言えます。

例えば、ごはんの時は必ず待たせるなど、「飼い主の言うことに従う」という立場をはっきりさせる習慣を生活の中にいくつか作っておけば、安心なことでしょう。