犬を飼っていると、なんとも不思議な行動をする場面に出くわすことがあります。

トイレの前にあっちにうろうろ、こっちにうろうろ…。

落ち着きがなくなったり、吠えたりして、トイレを知らせる犬もいたりします。

そうした、トイレの前に暴れたりするのには、どのような意味があるのでしょうか。

1.周囲を確認している

トイレの前にぐるぐると回ったり、落ち着きなく歩き回ったりするは珍しくありません。

しかし、こうした行動は、単にそわそわしているわけではないのです。

その理由には、これから紹介するように、いくつかの原因が考えられます。

多くの場合には、自分の周囲に危険がないかを探していることが考えられます。

特にうんちをするときには、一時的ではありますが、とても無防備な体勢になります。

そのため、こうして必要以上にあたりを警戒することがあります。

こうした行動は、実は犬の先祖にあたる狼にも見られたりします。

ペットとして飼われる前からの警戒心が、そうした行動を引き起こしています。

特に、家にやってきたばかりの犬に見られることが多かったりします。

2.落ち着かない場所にトレイがある

先ほど、周囲を警戒して落ち着きがなくなることがあることを紹介しました。

こうした行動からもわかるように、犬はトイレにある種のこだわりがあると言えます。

別の言い方をすれば、犬だって落ち着いてトイレをしたいと思っているのかもしれません。

ですので、トイレの場所が気に入らないときにも、同じような行動をとることがあります。

トイレの近くに犬の嫌うようなものがあったりしませんか?

急にそうした行動を見せるときには、気に入らないものがあったりする可能性があります。

また、トイレの場所を変えたり、トイレシーツを変えたりすることも関係していたりします。

いままでと異なる環境で、「どこでトイレをすればいいの?」と戸惑ってしまっているということもあります。

ですので、改めて、「トイレはここでするんだよ」と教えてあげるようにしましょう。

3.方角を探している

犬がトイレ前に落ち着きなくぐるぐると回るのには、別の理由も考えられます。

その理由というのが、地球の磁場と方角と言われています。

ちょっと人間には共感しがたい理由ですが、動物的な勘というやつなのでしょうか。

渡りを行う鳥は、その方角を確かめるために磁場がわかると言います。

同じように犬にも磁場を感じることができるようです。

というのも、多くの犬は、トイレをするときに南北の方角に向きをあわせてすることが多いそうです。

すべての犬、あるいはすべてのトイレのタイミングで、というわけではないでしょう。

しかし、そうした方角を定めるために、トイレの前にぐるぐる回るような行動を見せるようです。

ほ乳類全般には、こうした磁場と関連する行動が多く観察されることがあったりします。

4.犬はトレイに安心を求める

結局のところ、犬がトイレの前に暴れるのは、安心を求めているからと言えます。

犬を飼うときには、まずはトイレのしつけからすることが多いでしょう。

そうしたルールや習慣が、ちょっとした変化で不安に変わっているのかもしれません。

また、こうしたトイレトレーニングが悪影響を及ぼすこともあります。

というのも、トイレに失敗して厳しく叱られると、恐怖心を持つようになります。

そのために、いつまでも安心して用をたすことができない場合もあります。

こうしたトレイに対する恐怖心や不安は、犬にとってあまり良いこととは言えません。

ストレスの原因になるだけでなく、暴れるような行動が習慣化してしまうこともあります。

ですので、いま一度、犬のトイレ環境について見直すようにしておきたいものです。

5.トイレの場所を変えてみよう

まずは、現在の犬のトイレについて、よく考えてみましょう。

急に暴れたりするようになったのであれば、何かしらの原因があるはずです。

トイレの近くに、犬が嫌がるおもちゃや家電などはないでしょうか?

トイレやトイレの場所を変えた後には、もう一度トイレトレーニングをしてみましょう。

「ここでしていいんだ」という安心が得られれば、行動も改善することが多いです。

トイレの場所を元に戻したら落ち着いたなんてことも、珍しくない話だったりします。

多くの方が心得ていると思いますが、トイレのしつけは褒めることが大切です。

失敗しても厳しく叱ったり、叩いたりしないようにするのは、しつけの基本中の基本です。

うまくできたら褒めてあげるというのが、効果的なしつけののみこみつながります。

6.トイレトレーニングを取り入れてみよう

犬が安心して用をたせるようにするためには、トイレトレーニングも有効です。

トイレトレーニングは、トイレの場所のしつけとは違い、飼い主がトイレのタイミングを主導してあげるトレーニングです。

「大丈夫だから、安心してしなさい」と犬に教えてあげることができます。

最初は、トイレのタイミングに合わせて「シーシー」や「ワンツースリー」と掛け声をかけます。

そして、トイレをしたらご褒美をあげるようにします。

そうすることで、掛け声のタイミング=トイレをしてもいいときと認識してくれるようになります。

このトイレトレーニングは、普段の生活だけでなく、いろいろと役立つ場面があります。

例えば外出先や不慣れな場所でのトイレの粗相を減らすことができます。

また、お散歩の前などに用をたすことで、散歩中に外でトイレをすることもなくなると言うメリットがあります。

うんちの前に暴れて予告する犬の心理とは

トイレの前に落ち着きなく、ぐるぐる回ったりしていると、ついついかわいいなと思ってしまうかもしれません。

しかし、落ち着きのなさや、吠えたりして暴れるといったことは、犬からのメッセージです。

トイレに抵抗感があったり、不安があるといったサインだと思うようにしましょう。

こうした行動は、ある種の警戒や危機感の表れだと言えます。

しっかりと観察して、安心してトイレができるように、いっしょに頑張るようにしましょう。