ちょっと目を離すと猫はお風呂場の水を飲んだりトイレの水を飲もうとします。

その他にも台所の流しの水、花瓶の水などを飲むのも好きです。

ちゃんと水をあげているのにどうしてこのような行動をするのか、猫の心理についてご紹介します。

1.水の味や臭いが猫の好み

お風呂の水や台所の流しの水は、有機物が混ざっているので少し味があります。

それがちょうど猫の好みに合っているのかもしれません。

水道の水はカルキ臭があって、嗅覚が敏感な猫は気になってしまうようです。

お風呂屋やトイレや台所の流しの水は、他の味や臭いが混ざっているためにカルキ臭が緩和されて薄くなっています。

カルキ臭が無いからといっても、ミネラルウォーターを与えるとミネラル過剰になって下部尿路結石の原因になります。

猫にミネラルウォーターは与えないようにしましょう。

2.たまり水や流れる水を飲む本能

イエネコの祖先はアフリカの砂漠地帯に住んでいました。

雨が少ない地域なので、猫がたまに水を飲むときは、水たまりのわずかな水や、草や木の葉についた夜露を飲んでいました。

そのころからの習性で、猫はたまり水を見るとつい飲んでみたくなります。

家の中を冒険して「水たまり」を見つけると、猫の野生の血が騒ぐのです。

お風呂やトイレの水も猫にとっては水たまりの水に見えるのかもしれません。

野生の猫が水を飲む機会は、水たまり以外だと小さな溝や小川を流れる水でした。

器に入れた水よりも流れる水を好んで、台所やお風呂場の蛇口から出る水を飲みたがる猫もいます。

中には自分で水道の蛇口を操作して水を出す猫もいます。

3.温かい水が好き

野生の猫が飲んでいた水たまりの水は、砂漠の日光に照らされて少し温まった水でした。

それで猫は冷たい水よりも少し温かめの水を好みます。

猫が好むのは36度から38度くらいの人肌からぬるま湯くらいの温度の水です。

この温度が獲物の体温に近いから猫が好むとも言われています。

お風呂の残り湯は少し温かいので、ちょうど猫の好みに合っています。

4.水を入れる容器に不満がある

水を容器に入れてあげているのに飲まず、お風呂など他の場所の水は飲むという場合。

それはもしかすると、猫は水を入れている容器が気に入らないのかもしれません。

飲みにくい形をしている、材質が好みでない、塗料やコーティング剤の臭いがするなど、何か容器に原因が無いかチェックしてみましょう。

容器をプラスチックから陶器に変えたらよく飲むようになったという例もあるので、猫の好みを確かめてみましょう。

5.その場所が好き

お風呂場やトイレや台所は、家の中でもあまり日が当たらず涼しい場所にあることが多いので、夏は涼みに行く猫が多いところです。

しかも水があったら、猫にとってはこの上なく好都合です。

またお風呂場はお湯を使うので冬は逆に温かく、温まるために冬に出かけていく猫もいます。

トイレは静かで落ち着ける環境です。

台所は食べ物の臭いがして、面白そうなものがたくさんあって、猫の好奇心をそそります。

涼しいから、温かいから、静かだから、落ち着けるから、面白そうだからなどの理由でその場所を好んでいて、ついでにそこにある水を飲む場合があります。

6.お風呂場の危険性

猫がお風呂場に行って水を飲むのはよくあることですが、お風呂場は猫にとっていろいろな危険があります。

お風呂場で使っている石鹸、シャンプー、染毛剤、お風呂の掃除用洗剤などはどれも猫にとって有害です。

床や容器についたものを舐めるともちろん危険です。

また、猫は自分で毛を舐めて毛づくろいをするので、浴室の壁についた洗剤やカビ取り剤が毛についても、皮膚に炎症を起こしたり中毒を起こすことがあります。

また入浴剤が入った水を飲むと猫の健康に有害です。

猫が浴槽に落ちて溺れる危険性もあります。

沸かしているお湯で40度以上あると、やけどを起こす可能性もあります。

お風呂場には猫が勝手に入らないようにしましょう。

もしどうしても猫がお風呂場を好むようなら、危険なものを完全に排除した状態で入れましょう。

7.トイレの危険性

トイレの水は衛生的ではないので、猫に飲ませないようにしましょう。

またトイレの洗剤や漂白剤は猫に有害です。

トイレも猫が落ちると溺れる危険性があります。

猫をトイレに近づけさせないようにして、トイレの蓋は必ず閉めましょう。

8.台所の危険性

台所の洗剤は猫に有害なので、猫が触れられるところに置かないようにしましょう。

また台所は刃物、食器など危険なものがたくさんあるので、水を飲みに来た猫が怪我をしないように、危険物は隠したり取り除きましょう。

水道の蛇口から流れる水に興味を持って、自分で水を出そうとする猫がいます。

間違って熱湯を出すとやけどをするので気を付けましょう。

これはお風呂場の場合も同じですが、猫が蛇口を勝手にいじらないように気を付けましょう。

猫がなぜお風呂やトイレの水を飲むのか知ろう

猫は様々な理由でお風呂場やトイレの水を飲もうとします。

あまり望ましいことではありませんが、猫がどうしても好むなら、トイレはダメですが、お風呂場や台所の水を管理したうえで飲ませてあげましょう。

その場合、猫に有害なものは取り除いて、危険が無いようにして飲ませましょう。