猫が身近にいる方なら、一度は独特な赤ちゃんの泣き声にも似た鳴き声を聞いた事があるでしょう。
怖い、と言うよりは、本当に赤ちゃんが泣いているのではないかと不安な気持ちになります。
では、どうして猫はそのような鳴き声を発するのでしょうか。
その理由を探ってみましょう。
1.繁殖のため
猫の繁殖期は大体2〜8月の7ヶ月間に渡ります。
多くの猫がその期間に赤ちゃんの泣き声ような声を発します。
繁殖期を迎えたメス猫はフェロモンを出し、甘えた声を発してオスを誘います。
そしてその声につられて現れた猫が伴侶として相応しいと認められた時、猫の交尾が始まります。
メス猫はオス猫を探す時と交尾の間、この鳴き声を発します。
この時の声が赤ちゃんのような声に聞こえるのです。
この場合は去勢するなどして対策を取れば、声を発する頻度は下がって行きます。
オス猫の去勢費用は10000円〜20000円、メス猫の去勢費用は15000円〜30000円とそれほど高くはありません。
しかし2度と子供をつくる事ができない体にしてしまうので、飼い主さんはよく考えてから行動するようにしましょう。
また、去勢する事で去勢前の元気をなくしてしまう個体も存在します。
慎重な行動を心がけてください。
2.ケンカの最中であるため
繁殖期になると、オス猫はメス猫をめぐってケンカを始めます。
その時に威嚇として発せられる猫の鳴き声を、赤ちゃんの声に勘違いしてしまいます。
また、繁殖期だけでなく、個々が持つナワバリを侵すような行為を行った猫に対して、威嚇の意味を込めて発する場合もあります。
その他にも、各猫が嫌いとしているもの、また苦手としている飼い主さんの行動などにより、不快感を感じて鳴く場合もあります。
この場合は面識のない猫や猫の脅威になるものをなるべく遠ざけ、声を出させない環境を作ってあげると、次第に声は止んで行きます。
掃除機などの騒音が出るもの、子供のような高い声で規則性なく動くものに対して猫は不快感を示します。
また個体によって嫌いなものは必ず違います。
自分の猫が何を嫌っているか、また何に不快感を持つのかを、飼い主として見極めて行きましょう。
3.自分の欲求を満たすため
エサが欲しい時や飼い主さんにサインを送る時など、自分の欲求を満たそうとして赤ちゃんのような声を発する場合があります。
早朝などに声を出す猫はこの理由が当てはまる事が多いです。
猫は夜行性のため、早朝などに空腹を感じたり、飼い主に目覚めて欲しいと思ったりした他場合、飼い主さんの近くで鳴き声を発する事があります。
それを赤ちゃんの鳴き声と勘違いしてしまいます。
この場合は欲求を満たしてあげる事で声を抑える事ができます。
言わばこれは猫が飼い主に甘える行為であると捉えることも可能です。
猫の希少な甘えてくる時を逃さず、望みを叶えてあげると良いです。
外に出たくてしょうがない、おもちゃで遊んで欲しい、高いとこから降りられないなど、猫の気持ちを敏感に察知して欲求を満たしてあげましょう。
そうすれば自然と声を発しなくなります。
そして、猫との信頼関係を少しずつ築いて行きましょう。
4.飼い猫ではない場合
飼い猫の発する声ではない場合、自宅周辺に棲み着いている野生の猫が鳴き声の発生源です。
理由は上記に書いた通りで、自分が飼っている猫ではないため、対策を講じるのはあまりオススメしません。
しかし、自分の飼っている猫が繁殖期を迎えた時、繁殖を行うために野生の猫を引きつけ、自宅周辺まで侵入を許してしまう可能性があります。
猫は犬同様、マーキングのような行為を行います。
マーキングによって出された猫の尿は、人間にもわかるほど強烈な匂いを発するので、自宅周辺に侵入されると人間にも被害が及んでしまう事があります。
自分が飼っている猫と自分を守るために、野生の猫用の忌避剤を購入する事をオススメします。
猫を飼う事がストレスになってはなりません。
お互いがリラックスして自由に楽しく生きていくことができるよう、飼い主さんは十分な対応をしておいてください。
5.特異事例.ネコ泣き症候群
まれに、猫が赤ちゃんのような鳴き声を発しているのではなく、「赤ちゃんが猫の鳴き声のように」泣いてしまう病気があります。
染色体異常の病気で、心奇形や心疾患などの合併症を引き起こします。
ネコ泣き症候群の場合、繁殖期の猫のように「アオーン」と泣くのではなく、子猫のように「ミャーミャー」と、高い声で泣きます。
これは猫側ではなく、人間側に問題がありますが、このような事例がある事を少しでも知っておいてください。
赤ちゃんのように鳴く猫の心理とは
猫が赤ちゃんのようになく理由が理解できたでしょうか。
猫は私たち人間のように言葉を喋る事はできないので、鳴き声などで自分の気持ちを伝えます。
闇雲に鳴いている訳ではありません。
その事を理解し、猫を飼う事をオススメします。
ペットにも、命と感情がある事を忘れず、真摯に向き合っていきましょう。