地上で生活するリスの仲間である、コロンビアリジス。
愛らしい、ぼってりした体や毛並み、快活な動きが人気のリスの仲間ですが、飼育には多くの手間や根気が必要です。
コロンビアジリスの特徴や性格についてご紹介します。
コロンビアジリスとは
コロンビアジリスは、哺乳綱ネズミ目リス科に属する、中型のかじ歯類です。
リス科の仲間は体の大きさによって呼び名が異なり、コロンビアジリスなど中型の種類を総称して「ジリス(地栗鼠)」と呼びます。
ジリスよりも大きい種類はマーモットやプレーリードッグと呼び、小さい種類はシマリスと呼びます。
名前の由来となった、カナダのブリティッシュコロンビア州をはじめとして、アメリカ合衆国のワシントン州、アイダホ州などの高原地帯に生息しています。
標高の高い地域で暮らしていますが、人の住む牧場や牧草地に住むこともあります。
野性のコロンビアジリスは牧草を食べてしまうため、放牧する家畜のエサの減少を懸念して、定期的に駆除が行われています。
リスの仲間ですが、地上で巣穴を掘って生活します。
集団行動を得意として、大きな群れを形成して活動します。
地面の下には20メートル以上のトンネルを掘る場合もあります。
コロンビアジリスの特徴
成体の大きさは40㎝~50センチ、重さは350g~800g程度です。
全体的に黄色みがかった褐色の体毛を持ちますが、色合いには個体差があって、灰色や赤みを帯びた個体もいまます。
ジリスの仲間の中では最も毛並みが美しい種類として人気が高く、ペットとして世界中に流通しています。
昼間に活発に動き回り、植物や木の実、昆虫を食べます。
高地で生活する割に寒さには弱く、一年の半分以上の時期は冬眠をして暮らします。
実際に活動する期間は、夏の3~4ヵ月程度です。
そのため、巣の中に大量に食料を溜め込む習性があります。
コロンビアジリスの性格
他のジリスに比べて野性味が強く、人に慣れにくい性格をしています。
個体によって性格も大きく異なりますが、攻撃的な個体は噛みつくことが多いため、慣れるまでの扱いには注意が必要です。
大人しい個体でも、繁殖期になると気性が荒くなる傾向にあるため、気を付けます。
子供の頃から大切に育てると懐きやすく、エサをねだったり、飼い主の気を引くために鳴くなど、愛嬌を振りまきます。
コロンビアリジスは、チュンチュンと雀のような鳴き声を発します。
大人しいものはほとんど鳴きませんが、頻繁に激しく鳴く個体もいます。
体を動かすことが好きで、好奇心旺盛です。
気になるものがあると何でも噛みつく習性があります。
その反面、臆病な性格もしていて、カラスや犬の鳴き声を怖がる場合もあります。
普段は巣穴に隠れて身を守っているため、暗くて狭い場所に行くと落ち着きます。
コロンビアジリスの生涯・寿命と長生きの秘訣
コロンビアジリスは、冬眠を終えた4~6月頃に交尾を行い、一度に2~3匹の子供を産みます。
子供は生後3日で体毛が生え、15日で歩き回り始めます。
一ヵ月程度で離乳しますが、一年ほどは親の側で一緒に暮らします。
成長は非常に早く、オスは3年、メスは2年で大人になります。
寿命は5~10年です。
良い環境で育つと、10年以上生きる個体もいます。
大きな音や衝撃などの外的要因がストレスになって弱ってしまう場合もあるため、静かで落ち着ける環境での生活が理想です。
ジリスの治療措置は一般的にはあまり広がっていないため、いざという時にきちんと診てくれる動物病院をチェックしておくことも大切です。
食べ過ぎると太りやすい体質のため、健康志向の強いエサ選びも大切です。
定期的に運動をすることで肥満を改善できます。
野生で育った個体は冬眠する習性がついていますが、屋内での冬眠や激しい気温差は余計に体力を消耗します。
小屋の温度を25℃くらいで一定に保って冬眠させないことで、負担も少なく長生きできます。
値段・入手方法
コロンビアジリスは流通量はそれほど多くありませんが、大きなペットショップで購入できます。
値段は一匹2万円~3万円が主流で、メスのほうがオスよりも高い傾向にあります。
ペアだと4万~5万程度で購入できます。
金額はその時の流通量やお店によって異なるので、細かいチェックを行うと良いです。
コロンビアジリスという名前が主流ではないことが多く、ミニプレーリードッグという名前で売られている場合もあります。
名前に騙されないように注意が必要です。
繁殖が容易にできるため、ブリーダーから直接の購入や里親募集で入手することも可能です。
ネットショップや通販で購入も可能ですが、個体の状態をしっかりと確認することが大切です。
ジリスのペースを大切に
コロンビアリジスは活発でありながら、臆病な一面も持ちます。
最初のうちはあまり構いすぎず、ジリスの生活リズムに合わせてあげることで、だんだん人にも慣れてきます。
一度懐いてくれれば、自分からすり寄ってくるなど可愛い姿を見せてくれるようになります。
性格を理解して、互いの距離感を大切にしながら、根気強く付き合っていくのが理想的です。