テグーと言えば、近年日本で大人気のペットと言えるでしょう。

ネズミの様なうさぎの様な、何とも言えない可愛らしい顔立ちと愛嬌ある仕草には心癒されます。

しかしその人気とは裏腹に、まだまだ日本ではテグーの飼育方法について書かれている本も少なく、知らない事が多いのが現状です。

ペットを飼う上で最も心配になるのはやはり「病気」についてです。

そこでテグーが罹りやすい病気にはどの様なものがあって、どういった点に気を付ければ良いのかをご紹介します。

糖尿病

糖尿病と言えば、生活習慣病の一つで、人間だけが掛かる病気だと思われる方も多いと思います。

しかしテグーも糖尿病にかかります。

しかもテグーは糖尿病の研究によく使われる程、糖尿病になり易いと生き物と言われています。

野生のテグーはアンデス山脈の標高の高い場所に住んでおり、僅かな食糧でも生き延びられる身体の造りをしています。

その為、血糖を調節する機能が低いと言われています。

飼育下では贅沢な食事や高カロリーのエサを与えられることが多く、また運動不足にもなりがちな為、肥満や糖尿病を発症し易いと言います。

テグーは糖尿病になると、肥満・白内障・多飲多尿・体重の減少等を併合する場合が多いと言われています。

こまめに運動をさせ、良く観察してあげるようにしてみて下さい。

ビタミン欠乏症

テグーは人間同様に、体内でビタミンCを生成できないため、毎日の食事で補ってあげる必要があります。

しかもテグーはビタミンCへの依存性も高い為、十分な量を摂取しないと壊血病と同じ症状が起り、どんどん衰弱していきます。

特に生後3ヶ月までの子供や、妊娠出産を控えているメスはビタミンが不足し易い為、エサを見直したり、サプリメントを与えるなどして対処して下さい。

ビタミン欠乏症になった場合、無気力・歯肉からの出血・体重が増加しない・びっこを引く等の症状が出る場合が多い様です。

熱中症・低体温症

テグーは温度に敏感な生き物です。

暑さにも弱く、寒さにも弱い為、飼育下では適切な温度を保つ必要があります。

テグーを飼育するには、最低でも10℃以上28℃以下の飼育環境を用意する必要があります。

しかしこれはあくまでも目安であり、この範囲の温度であっても発症してしまう場合がある事を忘れないで下さい。

またテグーの住んでいた環境は乾燥地方であった為、湿度も40℃前後を保つ必要があります。

なるべく元々いた場所の環境を整えてあげる事が、ストレスを与えない為にも重要です。

あまり環境に違いがあると、それがストレスになり体調の悪化に繋がるとも言われます。

テグーは汗腺がない為、暑さに対して発汗による体温調節が出来ません。

低体温症にしても、飼い主が早期に発見して対処をしなければ死亡してしまう事もあり得ます。

熱中症の場合は、身体が熱くなる・神経過敏・異常行動を起こす場合が多いと言います。

低体温症の場合も呼吸数の減少・動きが鈍くなる等の症状が出る事が多いので、普段から良く観察する事を心がけましょう。

不正咬合

テグーはげっ歯類の仲間なので、歯が成長します。

普通ならばエサをしっかり噛む事で歯を磨耗するので問題はありませんが、柔らかいエサなどが原因で摩耗が行われずに、噛み合わせが悪くなった状態の事を「不正咬合」と呼びます。

不正咬合になると、エサを上手く食べる事が出来なくなり、体重も減少していきます。

不正咬合の場合、頻繁に歯軋りを行う・涎が出る・前足で口を擦る等の行動をとる事があるようなので、定期的にチェックしてあげましょう。

万一不正咬合になってしまった場合は、動物病院で歯切をして貰うのが一番安全でしょう。

その他

その他にも、「皮膚真菌症」「子宮蓄膿症」「尿路結石・感染症」などの病気にもなり易いと言われています。

またテグーは脚力が高い生き物ですので、高い所からのジャンプ・着地による骨折や脱臼もあり得ますので注意してください。

テグーはストレスに非常に弱く、デリケートな面があります。

特に狭いケージの中で飼育していると、運動不足によるストレスで自分の手足や尻尾をかじる・毛を抜く等の自傷行為の他、飼い主さんに噛み付いたりと凶暴になる事もあります。

元々が活発な生き物ですので、広いケージで飼育するか、運動が出来る環境を用意してあげてストレスが溜まらない様にしてあげましょう。

テグーが健康に過ごせるような環境を作ろう

テグーは非常に丈夫な生き物で、特有の感染症などはあまり知られていません。

普通のネズミやハムスターに比べると寿命も長く、基本さえ押さえれば飼育は容易だとされています。

しかし反面ストレスや温度に弱いなど、デリケートな面がある事もまた事実です。

また飼育についても確立されておらず、テグーを診てくれる動物病院も少ないというのが現状である為、常日頃から飼い主さんが気を付けてあげる事が大切です。

これはペットを飼う人全てに言える事なのですが、飼う生き物の事を良く調べて、良く観察して、異変があったらすぐ対処できるように心掛けましょう。