陸にも上るイシガメ、クサガメ、アカミミガメ。

ずっと水の中で過ごす、スッポンやスッポンモドキなど。

ペットとして飼われている水棲ガメにはたくさんの種類がいます。

食べることが大好きな彼らのエサには何が適していて、どのように与えたら良いのでしょうか。

人工飼料

主食として最適なのは人工飼料です。

カメの健やかな成長に必要な栄養素がバランス良く含まれているだけなく、保存もきき、バラエティも豊富です。

購入できる場所も多く、ペットショップ、通販、またホームセンターやスーパー、100均でも取り扱いがあります。

カメの大きさに合った形のものを選ぶようにしてください。

注意点として、カメによっては好き嫌いをして人工飼料を食べくれないものもいます。

その際は別の商品を試すなどして、気に入ってくれるものを探してください。

よく食べてくれるからといって人工飼料以外のエサを主食とすると栄養バランスを崩し、病気につながる可能性があるからです。

乾燥・冷凍のエサ

副食として与えやすいものとして、乾燥エサと冷凍エサがあります。

特にオススメなのが乾燥川エビです。

丸ごと殻まで食べることで、カルシウムも摂取できて塩分も少ない上に、よく食べてくれるカメが多くなります。

乾燥しているため常温での保存もしやすいのが利点です。

他にも乾燥イトミミズ、乾燥赤虫などがありどれも安価に手に入れることができます。

冷凍エサの代表的なものは冷凍イトミミズ、冷凍赤虫です。

自然解凍をしてから与え、一度解凍したものは使い切るか、余ってしまった分は捨てるようにしましょう。

生きエサに近い状態のエサをいつでもあげることができるという利点がありますが、保存が長すぎると冷凍焼けを起こして品質が劣化するため注意が必要です。

水棲ガメと言うと魚というイメージがあると思いますが、実は肉類もよく食べてくれます。

鶏、牛、豚のどれも与えることができます。

適しているのは脂の少ない部位で、鶏のササミ・鶏皮を取り除いた胸、レバー、ハツなどがオススメです。

脂の多い部位を与えると消化不良を起こし下痢になってしまうため注意しましょう。

生肉を与えている人もいますが、細菌感染のリスクがあります。

必ず茹でてから与えるようにしてください。

肉類が大好きなカメは多いですが、あくまで副食として人工飼料と一緒に少しずつ食べさせることを心がけてください。

野菜・果物

イシガメ、クサガメ、アカミミガメなどは雑食性で、野菜や果物も与えることができます。

トマト、ニンジン、小松菜、りんご、バナナ、かぼちゃ、ブドウなどが適しています。

子ガメはあまり野菜や果物を好まず、大人になると食べ始めることが多いそうです。

カメによってかなり好き嫌いがありますので、いろいろと試してみてください。

その際の注意点として、シュウ酸が多く含まれているものは与えないようにしてください。

シュウ酸にはカルシウムの吸収を阻害する性質があるためです。

一番身近な例だとホウレンソウですが、新しいものを試す際はよく調べることをオススメします。

野菜や果物も、あくまで副食だということを心がけてください。

生きエサ

水棲ガメは生きエサが大好きです。

大喜びで食べてくれるため、食欲不振に陥った時などに上手に利用してください。

メダカ、ミナミヌマエビ、サワガニなどの淡水の魚や甲殻類、コオロギ、ミルワーム、ダンゴムシなどの昆虫類、タニシなどの淡水の貝類が適しています。

注意が必要なエサとして、金魚が挙げられます。

小赤と呼ばれるエサ用の金魚は安価で手に入りやすくカメも大好きなのですが、ビタミンB1を破壊するサイアミナーゼという酵素が比較的多く含まれています。

ビタミンB1不足になると栄養失調に陥る可能性があるため、あげすぎないようにしてください。

量・頻度

量は、体積だとカメの頭1個分、時間だと数分で食べきれる量というのを目安にします。

しかし変温動物であるカメは気温により食べる量もスピードもかなり違うため、実際は様子を見ながら調整してください。

頻度は子ガメで1日2~3回、成長してからは1~2日に1回で十分です。

食べ残しはこまめに取り除いて水質悪化を防ぎましょう。

冬眠中は数ヶ月食べませんし、大人のカメは旅行などで2、3日空いたとしても特に問題はありません。

また、水棲ガメは飼育容器の水を飲んでいます。

水が汚れていると飲むのを拒否したり、それが原因で食欲不振に陥ることもありますので注意してください。

カメに与えてはいけないもの

カメはとても食べっぷりがいいためいろいろと与えたくなりますが、カメのエサに適さないものがいくつかあります。

まずは海の魚介類です。

刺身の残りをあげている方も多くいますし、実際喜んで食べてくれます。

しかし、海の魚介類に含まれている塩分はカメにとって過剰なため、与えないようにしましょう。

同じ理由で人間用に加工された食品もよくありません。

具体的にはかまぼこ、ちくわなどの練り物、チーズなどの乳製品、ウインナーやハムなどの肉の加工品などです。

これらには塩分だけでなく脂肪分や糖質、添加物も含まれているため、命に関わる体調不良を引き起こすことも考えられます。

よく調べてバランスよく食べさせよう

一生懸命食べるカメの姿はかわいくて、いつまで見ていても飽きません。

しかしかわいさのあまり好きなものばかり与えると、深刻な病気を引き起こしてしまう可能性があります。

またカメの種類のよって最適なエサが違うこともありますので、よく調べることも必要です。

カメの健康を守れるのは飼い主だけです。

それを十分に理解した上で、カメと一緒に食べる楽しみ、与える楽しみを存分に味わってくださいね。