飼育用のリクガメの中でも、サイズや甲羅の模様などが印象的であるホシガメは人気の高い種類です。

実は、ホシガメは近年までは飼育方法があまり知られていなかった亀です。

果たしてホシガメとは、どのような生態や性格なのでしょうか。

ホシガメの生態

ホシガメとは正式名をインドホシガメといい、リクガメの仲間です。

サバンナや砂漠など、乾季と雨季がはっきりしている環境に生息しています。

主に花や葉っぱ、果実などを食べる植物食性とされていますが、陸棲のカタツムリや動物の死骸を食べることもあります。

体のサイズはオスよりもメスの方が大きくなります。

オスは最大で20cm、メスは38cm程まで成長します。

卵を産む卵生で、繁殖期になるとオスは体当たりをして戦います。

ホシガメは都市開発や伐採などにより生息数が減少しています。

IUCN(国際自然保護連合)ではレッドリストに指定されており、非常に希少な生き物です。

乱獲や密輸が原因とされており、国際的な取引が規制されています。

現在ペットショップなどで売られている個体の多くは、飼育下で繁殖した個体(CB)の子孫となります。

ホシガメの特徴と価格

甲羅に白と黒の放射模様があるのがホシガメの最大の特徴です。

この模様が星をイメージさせることから、ホシガメという和名が付けられました。

模様は幼体の時点では3本ほどしかありませんが、成長するに従い増えていきます。

甲羅の形はデコボコのドーム状となっており、頂部が少し盛り上がっています。

印象に残りやすい見た目をしているため、ペット市場に出回っているリクガメの中でも非常に人気のある種類です。

野生のホシガメは日光浴をするために、日中は乾燥地に出てきます。

そのため長い期間、「湿度は必要なく、乾燥させて飼育しなければならない」と誤解されており、近年まで飼育が難しい個体であるとされていました。

しかしホシガメの生態が解明されるにつれ、飼育方法が確率されてきました。

そのため現在では飼育する方の数も多くなります。

性格についてですが、幼体は若干神経質な面があります。

しかし成体は基本的には温厚でおとなしいとされています。

ホシガメの価格はサイズや状態によって変わりますが、30000~40000円程が一般的な価格です。

この亀は密輸横行が原因で国際的な取引に規制がかけられているため、購入する際には正規輸入の証明書が存在する個体を選ぶように注意しましょう。

ホシガメの飼育方法

ホシガメはどちらかというと湿気を好むため、加湿器が必要になります。

一日中加湿器を稼働させていると飼育ケージ内が水浸しになってしまうので、タイマーがあると効率よく湿度を保てます。

湿度は70~80%を目安に設定しましょう。

次に、ホシガメが好む気温についてです。

昼間は28~35℃にし、夜は20~25℃前後を保ちましょう。

昼間は少し高めに設定する必要があるので、専用のヒーターを使用しましょう。

ホシガメは寒さにめっぽう弱いので、保温球もあった方が良いです。

幼体を育てる場合は、湿度と温度は少し高めに設定し、隠れ家となる場所も作ってあげましょう。

床材は水分を吸収するものを使いましょう。

ホシガメは水を含んだ地面を好むため、水分を含むことができるヤシガラなどが良いです。

他の亀と共通している点として、水浴び場と紫外線ライトは必須となります。

紫外線ライトは1日8時間~10時間点灯しましょう。

ホシガメは気温が下がるとすぐに風邪をひくため、湿度と温度には常に気を配りましょう。

ホシガメのエサ

ホシガメは植物食性なので、野菜や野草が主食となります。

小松菜、ニンジン、かぼちゃ、三つ葉、タンポポなどを主な食事として与えましょう。

ただ、一部には与えすぎてはならない野菜があります。

キャベツ、ブロッコリー、ほうれん草などを与えすぎると、リクガメにとって有毒となるので注意してください。

また、栄養バランスを考えて人工飼料も与える必要があります。

専用のリクガメフードをペットショップや通販などで購入しましょう。

フルーツも食べるので、水分補給を兼ねてリンゴ、バナナ、みかんなどを時々与えると良いです。

幼体は動物性たんぱく質とカルシウムを多く必要とするので、成体になるまではリクガメフードを主食としましょう。

与える回数は、生態は1日に1回、幼体は2~3回に分けて与えましょう。

ホシガメの寿命と病気

ホシガメの平均寿命は約40年で、上手に飼育することができれば50年前後まで生き続けることも可能です。

40年間生き続けるためにはしっかりとした環境管理が必要となります。

特にホシガメは温度と湿度の管理が非常に重要です。

ホシガメが溺れない程度の水場を作ってあげて、その水も水質が悪化しないよう定期的に水換えを行いましょう。

もしホシガメが乾燥している際には軽く霧吹きを行い、乾燥を防ぎましょう。

温度が下がりすぎると、ホシガメは簡単に風邪をひいてしまいます。

最悪の場合、消化系の疾患も引き起こしてしまうので注意しましょう。

また、ホシガメは結石になりやすい傾向があるので、水をたくさん飲ませるようにしましょう。

風邪をひきやすいホシガメ

ホシガメは美しい甲羅がとても魅力的で人気者ですが、ホシガメを飼育する際には湿度と温度をきちんと管理する必要があります。

特に低温化による鼻風邪をひきやすいと言われています。

湿度と温度を保てるような環境を心がけましょう。

また、幼体は動物性たんぱく質とカルシウムを摂取しないと大きく成長できません。

健康に育つように、栄養バランスのとれたエサを毎日与えるようにしましょう。