クリクリの目、滑空する姿が魅力のペット、モモンガ。
ちょっと変わったペットが飼いたくてモモンガに憧れる人は多いのではないでしょうか。
しかし、どうやって飼えば良いのでしょうか。そして、モモンガは何を食べるのでしょうか。
今回はそんなモモンガを飼う際のポイントについてご紹介します。
自分に合った種類のモモンガを選ぶ
一口にモモンガと言っても、日本で主にペットとして飼われているモモンガには、アメリカモモンガ、フクロモモンガの2種類があります。
アメリカモモンガはげっ歯目リス科、つまりリスの仲間なのに対し、フクロモモンガは有袋類、つまりカンガルーの仲間に入ます。
それぞれ性格も異なります。
フクロモモンガは寂しがりやで甘えん坊の性格です。
なつきやすいので、モモンガと積極的にスキンシップを取りたい方に向いています。
ただし独特の臭いがあります。
特にオスは頭の上に臭腺があり、メスより臭いが強いです。
そのため、頻繁に掃除をする必要があります。
アメリカモモンガは神経質で、なつきにくいと言っても良いでしょう。
上級者向けのモモンガです。
しかし臭いはきつくなく、排泄量もそれほど多くないので、フクロモモンガに比べると掃除は楽に済みます。
高さのあるケージを選ぶ
モモンガは野生では木から木へ滑空して移動している生き物です。
一生のほとんどを木の上で生活すると言われています。
そのため、高さのあるケージを選ぶ必要があります。
皮膜を広げてケージの上から下へ滑空できるくらいの広さが理想です。
リス用のケージや鳥かごを使うのが一般的です。
モモンガは器用でケージの扉を開けて脱走します。
必ずナスカンや南京錠で鍵をかけましょう。
ケージの金網をかじる子が多いので、白や黒などに塗装してあるケージは避けましょう。
また、うさぎ用やフェレット用のケージでは格子幅が広いのでモモンガは隙間から抜け出してしまいます。
ケージの下には木のチップを敷くのが一般的ですが、木くずで呼吸器疾患になることもあるのであまり細かいクズが出ないものを選びましょう。
ハムスター用の床材の紙製のものはクズが出なくてオススメです。
木やハウスを入れて快適空間に
ケージ内に是非入れてほしいのは、木とハウスです。
鳥かごのように止まり木を水平に付けても良いですが、場所によって太さの異なる天然の木を斜めに入れてあげるとモモンガが木をつたって移動できるのでオススメです。
モモンガは臆病な性格のため、ハウスを入れてあげないと隠れる場所がなく、ストレスになってしまうので必ず入れてあげましょう。
特にフクロモモンガは、その名の通り袋に入るのが好きで落ち着くようなので、布でできたポーチタイプのハウスを入れてあげるのもオススメです。
しかし、布に爪が引っ掛かる危険もあるので注意して使いましょう。
アメリカモモンガは歯が一生伸び続けるため、木などの硬いものをかじって歯を削り、常に長さを調節しています。
必ずかじることのできる木を入れてください。
ですが、硬いものをかじるからと言って、ケージの金網等硬すぎるものをかじらせ続けると不正咬合を引き起こしますので注意が必要です。
その他、遊び道具としてハムスター用の回し車を入れるのも良いでしょう。
その際は、爪や指が挟まらないようなものを選びましょう。
しかし、回し車で遊んでくれるかどうかはその子の性格次第です。
全く遊ばない子も多くなります。
エサはペレットをメインにバランスよく
アメリカモモンガとフクロモモンガではエサも異なります。
どちらも雑食性の動物ですが、フクロモモンガの方が多くの動物性たんぱく質を必要とします。
フクロモモンガは全体の約50%、アメリカモモンガでは約20~30%の動物性の食材を与えるべきと言われています。
バランスよく栄養摂取させるには、ペレットと呼ばれる総合栄養食を与えるのがオススメです。
しかし、フクロモモンガ用のペレットは販売されていますが、アメリカモモンガ用ものは販売されていません。
ハムスター用のものを代用するのが一般的です。
しかし、ハムスター用のペレットでは動物性たんぱく質が足りない為、副食で補う必要があります。
具体的に動物性の食材とは、ミルワーム、コオロギ、鶏のササミ、チーズなどです。
野生では虫を捕まえて食べている生き物なので、ミルワームやコオロギがベストです。
チーズは人間用のものは塩分が高いので与えてはいけません。
必ずハムスター用などペット用のものを与えましょう。
フクロモモンガ、アメリカモモンガ共に、副食として果物、野菜、ナッツ類を与えます。
あくまでも副食として、少量にしてください。
果物はりんご、みかん、バナナを好む子が多いです。
種は有毒なので取り除いて下さい。
野菜はかぼちゃ、さつまいも、にんじん、小松菜がオススメです。
ナッツ類はヒマワリの種、かぼちゃの種、アーモンド等が一般的です。
必ず無塩のものを与えましょう。
脂肪分が多いので1日2粒程度で十分です。
逆に与えてはいけないものは、ネギ類、アボカド、チョコレート、人間の食べ物(味付けされたもの)です。
中毒を起こし、死に至ることもあるので絶対に与えないで下さい。
エアコン、ヒーターで温度管理
アメリカモモンガとフクロモモンガでは快適に感じる温度が大きく異なります。
アメリカモモンガは暑さに弱く、寒さに強い生き物です。
28度以上にならないようにしましょう。
冬場は15度を下回るようならヒーターをつけて保温してあげてください。
フクロモモンガは暑さに強く、寒さに弱い生き物です。
23度以下になると体調を崩しやすくなるので、夏場以外はヒーターがあった方が良いでしょう。
暑さに強いとはいえ、30度を超えるようなら注意が必要です。
どちらの種類も、急激な温度変化で体調を崩しやすくなります。
なるべく一定の温度を保てるよう、エアコン等で室温を調節してあげましょう。
ケージを窓際に置いていると直射日光で暑くなりすぎたり風が当たったりと温度変化が生まれやすいのでオススメできません。
モモンガのペースで少しずつ馴らす
モモンガは神経質な生き物なので、馴らすのには努力が必要です。
なつかせるのに一番良いのは、赤ちゃんの頃から育てることです。
手に乗せてミルクを飲ませて育てます。
そうすることで、人間の手を怖がらない子に育てることができます。
大人のモモンガも、大好物でスキンシップを取れば徐々に馴れてくれます。
早く馴れて欲しいからといって、無理にスキンシップをとろうとするのは逆効果です。
モモンガの方から近付いてくるまで待つようにします。
そうすることで、モモンガは、この人は自分に危害を加えないのだと学習してくれます。
モモンガのケージの中はモモンガの縄張りです。
そこによそ者である人間の手が突然進入してきたら、威嚇するのも当然です。
モモンガのケージの中に、飼い主の匂いのついたものを入れておくのも有効です。
自分の縄張りの中の匂い=飼い主の匂い、飼い主は仲間だと気がつけば、警戒心は薄れます。
しかし、大人のモモンガを馴らすにはかなりの時間がかかることを覚悟しておいてください。
特にアメリカモモンガの場合、1年以上かかるかも知れません。
上級者向けのペットのモモンガ
決して飼うのも馴らすのも楽とは言えないモモンガ。
しかし、だからこそ、なついてくれたときの喜びは大きいものです。
モモンガの可愛らしさだけではなく、大変さも理解した上で、自分に合った子をお迎えしてあげてください。
愛情をもって育てれば最高のパートナーになってくれます。