人へのタバコによる害は有名ですが、ペットの犬や猫にも影響があります。

今回は、そんなペットへのタバコの害についてご紹介します。

肺への影響

タバコを吸う人の肺が真っ黒である画像を見たことはあるでしょうか。

タバコに含まれるタール物質は呼吸によって肺に取り込まれ、肺を構成する細胞である肺胞に蓄積されます。

タバコを吸う人の肺が黒いのは、黒いタールがどんどん沈着するからです。

喫煙者の部屋の壁が汚れるのも、煙の中に含まれるタールによる汚れです。

肺には、外部から入ってきたゴミや細菌を除去するために免疫細胞の一種としてマクロファージという細胞がたくさんいます。

タバコの煙に含まれ、肺に溜まっていくタールも本来このマクロファージによって除去されていくのですが、喫煙量が多いとマクロファージの処理能力を超えてタールがどんどん沈着していってしまいます。

肺の免疫細胞の機能が低下。影響は?

自分やペットが直接タバコを吸わなくても、受動喫煙によってタバコの煙を吸い込むことでタールを取り込むことになってしまいます。

本来細菌やウイルス、ゴミなどを食べてくれる肺の免疫細胞マクロファージがタールの処理に一生懸命になってしまうと、病原菌などの侵入を容易にしてしまうことになります。

風邪や肺炎などにかかりやすくなってしまいますし、飼い主の喫煙はペットの肺も真っ黒にしています。

発がん性

諸説ありますが、タバコに含まれる化学物質が発癌リスクを高めると言われています。

ペットたちにも、人と同じく、その説は当てはまります。

ガン細胞と言われる異常な細胞は、実は体の中で毎日何千個も作られてしまっています。

しかし、健康な体では本来持つ免疫機能によって異常な細胞は破壊され、癌にはなりません。

ですが受動喫煙などで免疫機能が低下していると、異常細胞の検知が出来ずに癌となってしまいます。

ペットはタバコを吸いませんが、飼い主が部屋でタバコを吸っていると、ペットの体にも有害物質が取り込まれてしまいます。

飼い主が喫煙者の場合の犬猫の発がん率は、そうでない場合の1.6倍にもなると言われています。

人よりも体が小さいので、少しの量の受動喫煙でも大きな影響が出てしまいます。

またマズル(鼻先)の長い犬種(ダックスフンドやゴールデンレトリーバーなど)は鼻腔がんの発生率が高く、マズルの短い短頭種(フレンチブルドックやパグなど)は肺がんの発生率が高いと言われています。

アレルギーの原因

近年、ヒトでもアレルギーの子供が多いと報道されていますが、犬猫も同じくアレルギーの個体がとても多くなっています。

まぶたの腫れ、目をかゆがる、皮膚疾患、くしゃみ、鼻水、喘息などがアレルギーの主な症状とされていますが、元々アレルギ―を持っている犬猫はタバコへも過敏に反応してしまう場合が多く、アレルギーの悪化へとつながります。

「ペットのアレルギーは飼い主の喫煙など生活習慣と関連している」ということも研究統計でわかっています。

アレルギーを持っていないと思っていた犬猫でも、「いつまでも鼻水を垂らしている」「くしゃみをよくする」「呼吸音がおかしい」などの症状が出た場合には、原因はタバコの煙かもしれません。

目ヤニ鼻水

喫煙者の飼育しているペットには、目ヤニや鼻水を年中出している子が見受けられます。

私たちが煙のある場所で、目がしばしばして涙が出やすくなったりくしゃみや鼻水がでるのと同じように、ペットの体も異物を体内に入れないように分泌物を出して防御します。

目ヤニや鼻水が多く出ると、犬猫の場合その周りで雑菌が繁殖しやすくなって感染症の原因になったり、周りの被毛の色が変わってしまう原因になったりします。

毛の色が薄い種類で被毛の変色がよく目立つ為、涙がよく出て目の周りが茶色くなってしまっている。といった場合には、あなたのタバコの煙が一因かもしれません。

人が涙・鼻水が出ているとストレスなように、ペットたちもストレスを感じます。

被毛が臭う

飼い主がタバコを吸う場合、ペットの被毛にタバコの臭いがついている場合が多いです。

煙の臭いが付いているという事は、煙に含まれる有害物質も被毛にくっついています。

すると、動物たちが体をキレイにするために体毛を舐めてグルーミングをする時、被毛についた有害物質を直接口から取り込んでしまう原因になります。

また犬たちは臭いでコミュニケーションを取り合いますので、喫煙者の方で自分の犬をお散歩に連れて出た際、

・他の犬が少し臭いを嗅いで逃げてしまう
・他の犬が寄り付きたがらず仲良くできない
といった場合には、愛犬から臭うタバコの煙の臭いが原因の一つであります。

愛犬や愛猫のためにタバコをやめよう

喫煙者自身への影響だけでなく、発がん性やアレルギー、ストレスや臭いなど、あなたの喫煙はペットたちにとても大きな悪影響を与えてしまっています。

喫煙をする際にはペットのことも考えて行いましょう。