ペットとして亀を飼育している方や、これから飼おうと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

亀と言えば長寿で有名なので、頑丈そうだし飼育も簡単そうと思っていませんか?

実は亀は意外とデリケートで、飼育環境に気を使ってあげないと病気にかかりやすい生き物です。

今回は亀の代表的な病気とその症状、治療法についてご紹介します。

ミズカビ病

ミズカビ病は、亀の皮膚や甲羅に白っぽいカビが生える病気です。

悪化すると皮膚が剥がれ、炎症を起こしてしまいます。

ミズカビ病の原因となる細菌は普段から水の中にいる菌なので、健康な亀はまず発症することはありません。

しかし飼育環境が不衛生だったり、日光浴不足だったり、ストレスで亀の体力が弱っている時はかかりやすくなります。

治療するには、水質を改善して飼育環境を清潔に保つことと、カビを殺すためにイソジン薬浴(消毒)することが大切です。

薬浴後には日光浴で完全に体を乾燥させてやりましょう。

小まめに薬欲と乾燥を繰り返した方が、治りは早いです。

イソジンは原液だと濃すぎるので、10%程度まで水で薄めて使用してください。

自宅ケアでも治療できますが、治りが遅いようなら動物病院で診てもらいましょう。

アエロモナス感染症

アエロモナス菌やシユウドモナス菌が亀の体の傷口から侵入すると、アエロモナス感染症にかかります。

甲羅にポツポツと軽石のような細かい穴が空き始め、だんだんと甲羅がボロボロになっていく危険な病気です。

輸入される水生亀が発症する確率が高く、感染経路は特定できていません。

治療が難しい病気なので、発見したらすぐに対処が必要です。

甲羅に穴がある亀はすぐに他の個体と隔離し、飼育道具一式を全て消毒してください。

飼育環境を清潔に保ちつつ、病院で治療を受けましょう。

すぐには治らない病気なので、根気よく治療してください。

くる病

くる病は生後1年未満の赤ちゃん亀がかかりやすい病気です。

孵化してからかなり時間が経過しているのに甲羅が柔らかかったり、変形していたり、触るとボロボロと剥がれ落ちたりします。

重度になると、手足に変形がみられたり、甲羅が歪んだりします。

くる病の原因は甲羅や骨を形成するためのカルシウム不足と、日光浴不足からくるビタミンD3の不足です。

症状がみられるようなら、まずはカルシウムが豊富に含まれたエサを十分与え、しっかり日光浴をさせてください。

飼育している水槽ごと外に出し、自然光(紫外線)を浴びさせると一番効果があります。

室内なら紫外線ライトを当ててやりましょう。

くる病によって一度甲羅が変形してしまうと二度と元に戻りません。

早めの対策が重要です。

ハーダー氏腺炎

亀の目が白く腫れていたり、目が閉じたままになっていたりしたらハーダー氏腺炎という目の病気にかかっている可能性があります。

亀には非常に多い病気で、原因はビタミンAの欠乏と日光浴不足、水質の悪化が考えられます。

多くの場合、栄養バランスの悪いエサを与えてビタミンA不足になり、免疫力が低下したところに水中の細菌が入って発症します。

生後1年位の赤ちゃん亀がかかりやすく、重度になると元気がなくなりエサを食べなくなるので命の危険があります。

自宅でビタミンを与えて治療することも可能ですが、動物病院で処置を受けた方が間違いありません。

初期の段階で治療すれば完治する病気です。

ハーダー氏腺炎は他の亀に感染するので、複数の個体を同時飼育している場合は隔離が必要です。

完全に治るまで一緒せずに飼育ゲージを別けましょう。

マウスロット(口内炎)

健康な亀の口の中はキレイなピンク色をしています。

口の中に白いチーズ状のもの(膿)があったり、口内がねばねばしていたり、臭かったりする場合は口内炎にかかっている疑いがあります。

前足で口を気にする動作をしたり、口を開きっぱなしにしたりする時も口内炎の可能性があります。

口内炎になると食欲がなくなり体力が落ちてしまいます。

原因はビタミンA不足か水質悪化による細菌感染と見られ、内臓が炎症を起こしている場合もあります。

飼育環境を清潔に保ち、ビタミンの豊富なエサで症状を改善させることができますが、様子を見て動物病院を受診してください。

口内炎は、亀が風邪や肺炎にかかっている可能性もあるので注意が必要です。

肥満

亀もエサをあげすぎると肥満になります。

亀が食べる姿はとても可愛いので、ついついたくさんエサを与えてしまうことがありませんか?

特にエサやりを子供に任せていると栄養過多になりがちです。

亀が肥満かどうは、一度甲羅に手足を引っ込ませてみることでわかります。

ちゃんと手足が甲羅に入りきっていればOKです。

太り過ぎの亀は手足がはみ出しています。

肥満は他の病気の要因になりますので、エサのやり過ぎには注意してください。

病気から亀を守ろう

亀がかかりやすい病気は他にもたくさんあります。

丈夫で病気とは無縁のイメージがある亀ですが、意外とデリケートです。

どの病気も、早期発見・治療することが大切です。

特に飼育環境を清潔に保つことは病気の予防にとって重要なので、水温・水質管理には気を配ってください。

また、栄養バランスの良いエサを適量与え、十分日光浴をさせてあげることで病気にかかりにくくなります。