キャットフードにリンが入っているのはなぜ?意味や危険性を知ろう

最終更新日:2017年1月29日

キャットフードの成分を見ると必ず出てくる「リン」とは何でしょうか?

何のために「リン」が含まれているのでしょうか?

猫にとって必要なものでしょうか、危険は無いのでしょうか?

リンは猫の必須ミネラルの一つ

リンを含む「ミネラル」は無機質とも言われ、キャットフードには「粗灰分」と表示されることもあります。

100種類以上あるミネラル元素の中で猫の体に必要な12種類の必須ミネラルは、1日の必要摂取量が100㎎以上の「主要必須ミネラル」と、100㎎以下の「微量必須ミネラル」に分けられます。

猫の主要必須ミネラルは、マグネシウム、カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、塩化物(塩素)の6種類。

微量必須ミネラルは、鉄、銅、亜鉛、マンガン、ヨウ素、セレンの6種類です。

猫の12種類の必須ミネラルは、互いに作用しあって、体のバランスを保ったり骨や歯を作るなど重要な役割を果たしています。

リンは主要必須ミネラルの一つで、猫の体には無くてはならない大切なものです。

カルシウムと結びついて骨や歯を作ったり、炭水化物や資質の代謝を助けたり、体内の酸とアルカリのバランスを取るなどの働きをします。

リンの過剰摂取が問題になりがち

リンの一番大切な役割は、カルシウムと結びついて骨や歯を作ることです。

リンとカルシウムが結合すると「リン酸カルシウム」になり、これが骨を構成します。

骨や歯を作る上で最適なバランスは、リンとカルシウムの比率が「1:1.2~1.5」と言われています。

このバランスが崩れると、猫の健康に悪い影響があります。

リンは肉に含まれているので、肉食の猫はリンが不足することはあまりありません。

むしろ過剰摂取が問題になることの方が多いです。

リンの過剰摂取による問題:骨や歯のカルシウム減少

リンの摂取量が多いと、猫の体は血中のリンとカルシウムのバランスを取ろうとして、骨の中のカルシウムを溶かしてリンと結びつけようとします。

その結果骨や歯のカルシウム量が減少して、骨粗しょう症、骨軟化症、くる病、歯槽膿漏その他の歯のトラブルが起こります。

リンの過剰摂取は成長期の猫の発達に悪影響を与えます。

また関節や筋肉にも影響を及ぼして、猫の活動性が衰えます。

リンの過剰摂取による問題:ストルバイト結石

リンの摂取量が多くカルシウムが少ないと、余ったリンが尿中に排出され、マグネシウムと結びついて「ストルバイト結石」を作ります。

この結石ができると猫の膀胱や尿道などの下部尿路に詰まって尿が出なくなり、放置すると腎臓疾患を起こして深刻な事態になります。

「ストルバイト結石」は猫の病気の中でも特に頻度が高いものです。

その対策用に、マグネシウムを抑えて尿を弱酸性にして結石を溶かす、「下部尿路の健康維持用キャットフード」(マグネシウム量0.09%以下、PHコントロール成分)があります。

この結石を防ぐためには、リンの過剰摂取を控えることも大切です。

リンの過剰摂取による問題:慢性腎不全を悪化させる

リンの過剰摂取が続くと、多量のリンが体を巡って腎臓に到達して腎臓に負担をかけます。

高齢の猫や慢性腎不全の猫は、腎臓の働きが弱く十分にリンを排泄できないので大きな負担になります。

溜まったリンやカリウムなどのミネラルを排出しようとするため、猫は多飲多尿になって、血圧が上がったり体力を消耗します。

猫を長生きさせるためには、腎臓の負担を減らすことが重要なポイントになります。

そのため猫によっては「低リン」のキャットフードが必要になります。

リンの不足による問題:シュウ酸カルシウム結石

リンの割合がカルシウムに比べて低い場合にも猫の健康に問題が起きます。

リンと比べてカルシウムの摂取量が多すぎると、余ったカルシウムが体内で「シュウ酸」と結びついて「シュウ酸カルシウム結石」を作ります。

「シュウ酸」はほうれん草、枝豆、さつま芋、その他の野菜に含まれていて、キャットフードの中にも含まれているのですが、普通は余ったものは便になって排出されます。

「シュウ酸カルシウム結石」は「ストルバイト結石」とは別の種類の結石ですが、ストルバイト結石と同様に猫の下部尿路に発生して尿が出なくなります。

猫にとって適切なリンの量

リンは猫にとって大切なものですが、不足することよりも過剰摂取が問題になることが多いものです。

キャットフードを選ぶときにはリンの割合や量に気を付けましょう。

健康な猫の場合は、リン.カルシウムの適正割合の1:1.2~1.5が保たれているフードを選ぶのが大事です。

慢性腎不全など腎臓に問題がある猫の場合は、リンを最低値に抑える必要があります。

リン.カルシウムの割合は1.1.5以上にして、これに加えてリンの含有量を0.45%~0.6%に抑える必要があります。

腎臓ケアのキャットフードは大体この値になっていて、リンの含有量がさらに低く0.3%ほどのものもあります。

獣医師の指示に従って、適切なものを選びましょう。

キャットフードのリンについて知ろう

リンは猫の体にとって欠かせない大切なものですが、過剰摂取になりがちで、カルシウムとのバランスが崩れると健康に影響を及ぼします。

特に猫に多い尿路結石や腎臓疾患と深い関わりがあるので、キャットフードを選ぶときにはリンは是非チェックしておきたいポイントです。

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