爬虫類のペットには非常に人気のある様々な種類がいますが、その中でもギリシャリクガメは飼育しやすいことで有名です。

他の亀とはどういった違いがあるのか気になるところです。

ギリシャリクガメの特徴や価格は、一体どのようなものなのでしょうか。

生態・特徴

野生のギリシャリクガメは乾燥地帯を好んで生息しており、冬になると穴を掘って冬眠をします。

名前に「ギリシャ」とありますが、決してギリシャの固有種というわけではなく、スペイン南部や北アフリカなど様々な場所で生息しています。

ギリシャのモザイク模様と甲羅の柄が似ていることが、ギリシャリクガメという名前の由来と言われています。

後ろ足の付け根には大きなトゲのような鱗があり、そこから「トゲモモリクガメ」という別名で呼ばれています。

成長しても30cm前後のサイズにしかならず、大きく成長しすぎる心配もいらないため、ペットとして人気の高い亀とされています。

草食性で様々な野草や果物を食べます。

また、レタスやキュウリ、トマトなどの野菜も食べます。

非常におとなしい生態で、エサをしっかりと与えていれば懐いてくれます。

懐いてくれたギリシャリクガメは手に乗せたり触ったりしても嫌がりません。

国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに危急種として指定されており、国際的な取引が規制されている種類でもあります。

牧草地や農地などの開発が原因とされています。

非常に多くの亜種が存在し、その数は16種類が確認されています。

好む環境

ギリシャリクガメは適切な温度と湿度の中で生活します。

風通しが良く適度な湿度を保てる環境下を好み、湿気の多い環境は好みません。

また、温度が高すぎる、または低すぎると体調を崩してしまいます。

もし飼育する際は専用のヒーターを使用して温度の調整を行い、日中は25℃、夜は20℃前後にして、高温多湿にならないようにしましょう。

自然環境下のギリシャリクガメは全身が浸かれる程の水を使って水分の補給や保温を行います。

その際には、ギリシャリクガメは一度にたくさんの水を飲みます。

水槽内で飼育する場合には水換えをなるべく頻繁に行い、水質の悪化を防ぐ必要があります。

野菜や野草をよく食べる

ギリシャリクガメは毎日多くのエサを食べて成長します。

栄養を摂りすぎると病気や甲羅の変形の原因となるので、栄養分の多い人工飼料はギリシャリクガメの体には向いていません。

基本的にギリシャリクガメは様々な野草や野菜、果実を食べて健康的に育つ生き物です。

主食となるのは道端に咲いている野草となります。

タンポポやクローバー、ハルジオンなどかなりの種類の野草を食べることができます。

しかしイチジクやアジサイなど一部の野草はギリシャリクガメにとって害があるとされており、与えないように注意する必要があります。

もし野草を拾ってくる場合は犬や猫のフン、汚染(農薬や排気ガスなど)が付いていないことを確かめましょう。

カルシウムが豊富な小松菜もよく食べ、大根の葉やキャベツも好物です。

ギリシャリクガメは甘い果物であるバナナやリンゴもよく食べますが、これは水分補給も兼ねています。

果物を与える際は糖尿病や偏食にならないよう、おやつ感覚で与えるようにしましょう。

寿命と病気

リクガメは自然環境の中でもかなり長生きすることが確認されています。

ある種のリクガメは30年以上行方不明であったにもかかわらず元気な姿で発見されたことでニュースにもなりました。

ギリシャリクガメも寿命は長く、30年~50年は生き続けることができます。

体が丈夫でサイズが大きいほど長い期間生きることができますが、病気やケガをすることはあるので注意する必要があります。

侵されやすい病気として、RNS(鼻水症候群)が挙げられます。

これは偏食で不健康な食生活や適切でない温度・湿度が原因で引き起こされる病気です。

この病気は一度感染すると完治が難しいとされているため、予防対策を行うことが非常に重要です。

健康体のまま長生きするためには、栄養バランスのとれた食生活と日光浴、過ごしやすい温度・湿度などの環境が必要となります。

ギリシャリクガメの飼育方法は一般的には簡単な部類ですが、長生きさせるためにはギリシャリクガメの様子を日々観察し、体調不良やケガにいち早く気づいてあげることが大切です。

購入時の注意と価格

現在、自然回で育った(WC)ギリシャリクガメが多く出回っています。

一方で、人の手によって繁殖された個体(CB)が市場ではあまり見受けられない傾向にあります。

そのため健康面を配慮して育てられたギリシャリクガメは少なく、1匹約10,000~30,000円で販売されています。

CBのギリシャリクガメは人に慣れており、警戒せずにエサを食べてくれます。

そしてギリシャリクガメの生態を配慮された環境で育てられてきたため、非常に健康的です。

そのためCBはWCと比べると初心者でも簡単に育てることができ、体も丈夫であるといえます。

WCとCBを見た目で判別するのは非常に難しいですが、ペットショップではきちんと表記されているので確認しましょう。

また、購入時には甲羅にキズが付いていないか、活発かどうかなども確認しておくと良いでしょう。

ギリシャリクガメはしっかり飼おう

近年では人口の増加に伴い、農地や牧草地が増え、ギリシャリクガメの生息地が減っています。

絶滅の心配もされており、保護区を設けている国も出てきたほどです。

飼育が簡単なためペットとして人気の亀ですが、飼育するのであればギリシャリクガメの特徴や生態をしっかりと理解し、環境を整えてあげて、丈夫に育つように努めてあげたいですね。