大きな甲羅を背負って、短い手足でのそのそと歩く姿は本当に可愛い。
癒しの爬虫類の代表といえばリクガメです。
そんな可愛いリクガメ、飼うとなると難しそうに思えますよね。
そこで今回は、リクガメを飼育する時のポイントをご紹介します。
リクガメの生きていける環境を作る
野生のリクガメはヨーロッパ南部、サハラ砂漠を除くアリフカ、アジア南部、アメリカ南部など暖かい地域で生息しています。
日本の気候に順応できるミドリガメとは違って、リクガメは何も対策をしないとすぐに体調を崩してしまいます。
ですので、飼育にはそれなりの設備が必要になります。
リクガメに合った床材を選ぶ
熱帯魚用の水槽か爬虫類用の木製飼育容器に、床材を薄く敷きます。
床材はほし草、ウッドチップ、ヤシガラ、木の実を粉砕して砂のようにしたもの、岩石を砕いたもの、園芸用の土など、ペットショップに行けばたくさんの種類の床材が並んでいます。
選ぶポイントは保水性と通気性です。
リクガメには乾燥を好むものと、やや高めの湿度を好むものがいます。
前者には水を吸わないか、濡れてもすぐ乾くような素材が適しています。
また、後者には保水性がある素材が適しています。
いつも清潔に
ケース内は常に清潔を保つようにします。
カメはトイレのしつけができないので、床材が糞とおしっこで汚れてきます。
30度という高温ですから、ダニや細菌が増えやすい環境です。
排泄物を見つけたときはすぐに拾って捨てましょう。
おしっこで濡れた床材はその部分だけを捨てて、新しいものを補充します。
全体に湿気をもつようになったら、床材を全部交換してください。
一か月に一度ぐらいが交換の目安です。
木を砕いた天然素材のものは、そのまま可燃ゴミに出すことができて便利です。
光と熱
カメには紫外線が必要です。
紫外線がないと、カメは体の中でビタミンを合成することができず、丈夫な甲羅を作ることができません。
用意するのは家庭用の蛍光灯ではなく、紫外線を含む太陽光に近い光を出すトゥルーライトと呼ばれる照明器具です。
これをケースの上に取り付けます。
それともうひとつ必要なのが、熱を出す保温球。
ヒーターとしても利用できるライトだと考えてください。
温度が上がりすぎたり、下がりすぎたりしないように、サーモスタットに接続して、オンオフを自動的に繰り返すようにします。
ライトはクリップ式になっているので、どこにでも取り付けることができます。
寒冷地で飼育する場合は、床材の下にフィルム状のヒーターかパネルヒーターを設置して、床暖房のように下から温めることが必要になります。
ケース内の温度は、28度から35度の間が目安です。
ケースの大きさに合わせて、ライトのW数を決めてください。
暖まらないときは、ヒーターのライトの数を増やしましょう。
色々な野菜を食べさせる
リクガメは草食なので、エサの基本は野菜です。
色々な種類のものを食べさせることで、栄養のバランスが良くなります。
中心になる野菜は小松菜、ちんげん菜、モロヘイヤ。
どれも栄養価が高い野菜ですが、毎日こればかりというのは問題があります。
青菜の野菜だけでなく、カボチャやニンジン、サツマイモなどの穀類、リンゴ、バナナ、トマトなどの新鮮な果実も取り入れましょう。
レタスもよく食べますが、栄養はほとんどないので、副菜のひとつだと思ってください。
タンポポやクローバーなど野草も良いですが、農薬の心配があります。
そして、たくさん食べさせると良くない野菜は、ホウレン草です。
含まれている成分が、カルシウムの摂取を妨害してしまいます。
キャベツやブロッコリなど、アクの強い野菜もリクガメには良くありません。
野菜や果物だけでは、どうしても栄養に偏りがでてくるので、リクガメ用のペレットや栄養剤をサプリメントとして使うのも良いです。
エサを与える回数は一日に二回。
活動が活発なお昼の時間帯にあげると、よく食べてくれます。
夜は活動のレベルが落ちるので、食べてくれないときもありますが、温度管理がしっかりしていれば、まったく食べないということはないはずです。
運動をさせる
ケースの中で飼育していると、適切な運動量を確保することが難しくなります。
ときどき時間を決めて、部屋の中を歩かせてみると良いでしょう。
また、天気の良い日は、日光浴を兼ねて、屋外で散歩させます。
ハムスターが使う回し車をケースに入れると、使い方を理解して、回し始めるカメもいます。
動画サイドには、そんな動画がいくつもアップされているのでチェックしてみてください。
意外かもしれませんが、カメは体が動かすことが好きな生き物です。
毎日の健康チェック
リクガメは一旦調子を崩してしまうと、なかなか元に戻ってくれません。
日頃から、健康を意識した飼育を心がけてください。
カメが健康かどうかを見極める一番のチェックポイントは食欲です。
食事のときは食べっぷりをしっかり観察してください。
目が開かないときや、下痢をしているときは、ペットショップで相談するか、専門のお医者さんに診てもらいましょう。
リクガメを飼育しよう
一口にリクガメといっても、飼育が比較的に簡単なものから難しいものまで、色々あります。
見た目の可愛らしさや甲羅の模様で選ぶのではなく、自分が飼育できるものを選ぶことが大切です。
どれくらい大きくなるかも購入前に調べましょう。
飼ったら、一生面倒をみてあげてくださいね。