マンションなど限られたスペースで飼育可能なペットとして最近人気の爬虫類。

その中でも、小さい頃から馴染みが深く親しみ易いと言われるトカゲ。

特に愛らしいルックスが人気のトカゲですが、犬や猫のように人間に懐かせることは可能なのでしょうか。

今回はその方法をご紹介します。

爬虫類の特性を理解する

まず、爬虫類を懐かせる方法を考えるうえで非常に残念なことがあります。

それは、一般的な常識として爬虫類は決して人には懐かないと言われていることです。

呼べば寄ってくる犬、返事をする猫。

それに比べると、爬虫類はほとんど鳴くこともなく、人に擦り寄ることも皆無です。

では、トカゲが飼い主にどう接してくれた時に私たちは懐いてくれたと考えれば良いのでしょうか。

手からエサをあげる

ほとんどのトカゲは、習性として人の手から直接エサを食べることを嫌います。

それ故に、トカゲが人の手から直接エサを食べる行為は非常に特殊なことだと言えます。

言葉を変えれば、それは懐いてくれた証拠だと言っても良いでしょう。

しかし、トカゲが手からエサを食べてくれるように育てるのには非常に多くの時間を必要とします。

毎日毎日根気良く、手からエサを与え続けてください。

本来、トカゲは一週間に二回ほどエサを与えれば十分な生き物です。

しかし、それは自分で取ったエサの場合です。

トカゲの固体差はあれ、基本的には人の手から直接エサを食べたくないトカゲたちは極限まで我慢するでしょう。

そこは、飼い主とトカゲの根競べになります。

懐かせるより慣れさせろ

ほとんどのトカゲは、人間に飼われることも触られることも苦手です。

しかし、慣れさせることはできます。

飼い主が「自分は無害な存在で安全なんだよ」ということを毎日繰り返し示してあげてください。

具体的には「急に大きな音を立てない」「頭を触らない」といったことが重要です。

いきなり大きな声で話しかけたり、大きな音が絶えず出ている状態では、トカゲは安心して生活することができないからです。

そのような環境でトカゲを飼うと、常に「ここは危険地帯だ」という意識がトカゲに刻み込まれてしまいます。

それでは、なかなか飼い主には慣れてくれないでしょう。

トカゲが家と飼い主に慣れるまでは、来客者も控え、音楽やテレビの音量にも配慮した生活をしてあげてください。

また、人は可愛らしい生き物を見ると無意識のうちに頭を撫でてしまいます。

小さな子供はもちろん、犬や猫の頭を撫でた経験は誰もがあるでしょう。

しかし、頭はどのような生き物にとっても急所です。

その急所を直接触ることが出来るのは、本来は信頼されている相手だけでなくてはならないのです。

そう考えると、信頼関係も出来ていない相手に頭を撫でられて喜ぶ犬って、相当社交的ですよね。

トカゲはその急所を守るという意識が非常に強いので、頭を触られることを大変嫌います。

どれだけトカゲがあなたに懐いたとしても、体はともかく頭は触らない方が賢明です。

機嫌が悪いとカプリと手をかじられてしまうでしょう。

トカゲが他の生き物よりも頭をより大切にするのには訳があります。

それは、自然界においてトカゲの一番の天敵が鳥だからです。

そのため、トカゲは飼育中も本能的に自分の頭上に注意し、頭上からやってくるものを敵だと判断してしまいます。

その習性を利用して、トカゲを慣れさせる際のエサやりなどはトカゲの頭上から行うのではなく、前から与えるようにしてあげてください。

包む

トカゲが手からエサを食べてくれるようになったら、いよいよトカゲに触れてみましょう。

くれぐれも最初から頭を撫でないでください。

最初は、胴体部分に優しく手で触れることから初めてみましょう。

手からエサを食べてくれるようになったトカゲは、少なくともあなたのことを安全な存在だと認めてくれたことになります。

そのため、最初はちょっと驚くかもしれませんが胴体を触らせてくれるでしょう。

最初から抱っこをしようとしてはいけません。

また、飼い主を危険物扱いしエサも食べてくれなくなってしまいます。

何日か繰り返し胴体を触っても大丈夫そうになってきたら、次の段階です。

次は、トカゲの胴体全体を掌で優しく包んであげてください。

過度に力を入れてはいけません。

ポイントは「包む」です。

本来、人が手で動物を掴むという動作は捕獲する時の動作です。

人間に掴まれた動物は、捕獲されたと思い、暴れたり逃げようとするのが通常です。

しかし、その時あなたとトカゲの間に信頼関係が出来ていれば、トカゲは決して逃げようとはしないでしょう。

大人しくされるがままになっているはずです。

その状態が、非常にわかりづらいですが、トカゲが懐いてくれた状態だと言えます。

トカゲになついてもらおう

犬や猫のように喜怒哀楽が分かりづらいトカゲ。

しかし、ポイントさえ知っていれば、飼い主とペットの距離を縮めることが可能です。

あなたもトカゲと信頼関係を築いてみませんか。