一昔前まではヘビの飼育などしていると、特殊な趣味の持ち主だと思われたりもしたものです。
しかし現在では、ヘビの飼育はペット飼育の1ジャンルの地位を確立し、それほど特殊なものとは見られなくなってきています。
そんなヘビ飼育におけるエサのあげ方をご紹介します。
冷凍マウス
この世に存在する全てのヘビは肉食です。
その中でも、ほとんどの種類は自分の飲み込める大きさの小型哺乳類や小鳥などをエサにしています。
かつて、ヘビのエサは生きたマウスなどを与えるしかありませんでした。
しかし、いくらヘビのエサとはいっても、生きたままのマウスを与えるのは残酷と感じる人は多く、それがヘビ飼育の人口が増えなかった理由の一つでもありました。
現在のヘビ飼育では冷凍のエサが主流になってきています。
冷凍マウスが主流ですが、他に冷凍のひよこやウズラなどなどもあります。
また、冷凍マウスには数段階のサイズがあって、ヘビの成長に合わせて与えることができます。
ただし、冷凍のエサは凍ったまま与えてはいけません。
おそらく凍ったままだと食べませんが、表面が冷たくなくても、内臓が凍ったままのような解凍が不十分なものを与えるとヘビがお腹を壊したり、消化不良になったりします。
解凍はお湯を使います。
およそ50度ほどのお湯に冷凍マウスを浸し、冷たくなったら何度か換えて、お腹の部分を押しても硬さや冷たさがなくなるまで解凍します。
そのまま放置しても食べるときは食べますが、動かないエサに反応しない場合はマウスの端などをつまんで動かしてやります。
それがエサだと認識するようになれば、動かさなくても食べるようになります。
小型哺乳類・鳥類食のヘビは1週間~2週間に一度の給エサで十分です。
これは、人間など恒温動物とは違い、変温動物のヘビは体温維持のためのエネルギーを必要としないためです。
生きたマウス
自ら生きたマウスを繁殖させて与えている人もいます。
特に、冷凍マウスがなかった時代から飼育しているベテランや、ヘビの飼育数が多い人はエサまで繁殖させている人が多くなります。
ただし、これには場所やマウスのためのエサの調達、マウスを病気にしないための環境維持など非常に手間がかかります。
それに加え、窮鼠猫を噛むならぬ窮鼠ヘビを噛むで、生きたマウスはヘビに対して反撃し、傷を負わせることもあるので注意が必要です。
この方法はかなりディープな飼育者向きなので、あまりオススメできません。
魚・カエル
日本にはヘビのエサはカエルだと思っている人が多くなります。
実際に、シマヘビやアオダイショウなどの幼体、ヤマカガシなど日本のヘビはカエルもエサにします。
特にヤマカガシは、ヒキガエルを食べることでヒキガエルが持つ毒を蓄積し、自らの毒としています。
ただし、ヤマカガシは特定動物に指定されているので、飼育するためには許可がいります。
シマヘビやアオダイショウを飼育する場合、周囲に田んぼや森林があってカエルが容易に調達できるのであれば、カエルをエサにすることもできます。
とはいえ、調達の手間を考えると冷凍マウスを使った方が良いです。
ですが、自然のものを捕獲したシマヘビの中にはマウスに興味を持たず、カエルをあげる必要が出て来る個体もいます。
しかし、カエルだけで飼い続けることはできないので、いずれマウスに慣らしていかなくてはいけません。
日本原産のヒバカリや、ミズヘビの仲間など魚を食べるヘビもいます。
大きさによってメダカや金魚で飼うことができます。
魚を食べるヘビは、マウスを与えるヘビよりハードルが低いように思えるかもしれませんが、ケージの中に魚を泳がせておくケースが必要となりますし、エサ用のメダカや金魚をキープしておく設備が他にもいるので、手間がかかります。
実際のところ、マウスを食べるヘビより魚食のヘビの方が飼育が難しいと言われています。
昆虫
例えばアメリカ原産のラフグリーンスネークなど、昆虫食のヘビもいます。
昆虫食のヘビは、市販のコオロギで飼えます。
ただ、昆虫食のヘビは自然界では様々な種類の昆虫を食べていますから、コオロギだけでは栄養が偏ります。
栄養補助パウダーをかけたり、たまには自然のバッタや、イモムシなども与えてあげると良いでしょう。
また、昆虫食のヘビは紫外線ライトにも当ててあげるのが推奨されています。
ヘビは夜行性なので日光浴は必要ないと思われるかもしれませんが、昼行性のヘビもおり、昼行性のヘビの中には飼育時に紫外線を当ててあげないと弱ってしまうものもいるのです。
昆虫食・魚食のヘビはマウスをエサにするヘビよりも頻繁に、一週間に2回から3回の給餌が必要となります。
また、昆虫食のヘビも魚食ヘビ同様飼育が難しいとされています。
ヘヴィには基本的には冷凍マウスをあげよう
ヘビ飼育の初心者であれば、冷凍マウスで飼育でき、丈夫なコーンスネークやボールパイソン、アオダイショウなどがオススメです。
ただ、初心者向けではありますがボールパイソンもアオダイショウも2mぐらいまでは育つので、それなりのスペースが必要です。