「よく育つものはゆっくり育つ」という格言がありますが、亀の成長にも当てはまるかもしれません。
ここでは、ミドリガメの大きくなる様子を段階別にご紹介します。
生後1日目で、2センチぐらい
生まれたばかりミドリガメの甲長は、500円玉サイズです。
生まれたときから甲羅は鮮やかな緑色をしていて、本当に可愛いですね。
よく見ると、お腹の甲羅の割れ目からオヘソのようなものが出ています。
爬虫類にもオヘソがあったのだと意外な発見に驚いてしまうのですが、正確に言うと、これはおへそではありません。
おへそと同じ役割をする臍孔(さいこう)という器官で、それがヨークサックとよばれる栄養の入った袋とつながっています。
ヨークサックは養分が吸収されると、しぼんで取れてしまいます。
それまで数日ですがエサの必要はありません。
そして数か月で、臍孔も甲羅の隙間の中に消えていくのです。
ちなみに亀の長さは甲羅で測ります。
上から見ると、首の出ているところがちょっと凹んでいますね。
その凹んだところから尻尾のでているところまで縦に直線で測ります。
背中が山をようにカーブを描いていますが、直線距離で測ってください。
生後1か月で、甲長は3センチぐらい
甲羅がしっかりしてきて、水の中を元気にすいすい泳ぎ回っています。
ペットショップで売られているのは、ちょうどこれぐらいの亀。
まだオス亀スかの判別はできません。
元気そうに見えますが、水温の変化で急に弱ってしまうこともあるので、幼体のうちはヒーターを入れて飼育すると良いでしょう。
生後6カ月で、甲長は4センチから5センチ
甲羅の緑色がだんだん褪せていきます。
赤ちゃんのときの可愛らしさがなくなっていくので、これ以上大きくならないでと思う人もいますが、それは人間の勝手。
成長していることを喜んでください。
この頃になると、だんだん性格がでてきますから、何匹も一緒に飼っているときは、けんかしていないか注意してください。
弱い個体が十分エサを食べることができなかったり、場合によっては、足や尻尾の先を噛み切られたりすることもあります。
生後1年で、甲長は5センチから7センチ
これぐらいになると、大きさにバラつきがでてきます。
個体差があるのはもちろんですが、エサの与え方や、冬眠をさせた場合させない場合で、大きさが変わってきます。
冬眠中は飲まず食わずの状態なので、冬眠させない方が大きくなります。
しかし、将来繁殖させたいと思うなら、冬眠は必須です。
でもそれは、もう少し大きくなってから考えれば良いでしょう。
エサはやればやるほど大きくなってしまいますので、このぐらいから二日に一回というやり方に切り替えても大丈夫です。
ただし栄養バランスには注意してください。
生後2年で、甲長は8センチから10センチ
これぐらいになると、オスとメスの身体のつくりの違いがはっきりしてきます。
オスの尻尾はメスに比べて長く、尻尾の裏側についている肛門が背中の甲羅のふちより外側についています。
メスの場合、肛門が尻尾の付け根の辺りで、甲羅のふちより内側です。
それから、オスの前足の爪はメスに比べて長く伸びています。
これはオスが縄張り争いをするためです。
一匹で飼っている場合は、わかりにくいかもしれませんね。
オスとメスを比べると、違いは一目瞭然です。
生後3年で、甲長は12センチから15センチ
ここまで成長したら、急に死んでしまうような危険は無くなったと考えて大丈夫です。
環境の変化にもかなり耐えることができます。
この先も普通の世話さえしていれば、元気に長生きしてくれます。
しかし、扱いには少し注意が必要になってきます。
というのは、性格が変わってくるからです。
口の指を近づけると、怖がらずに平気で噛みついてきます。
特に池で捕獲した個体は、気性が荒いので、気を付けないと、ガブリとやられてしまいます。
ここまで大きくなったものは顎の力も相当に強いので、噛まれたら深い傷を負ってしまいますよ。
これ以降
ここからは比較的ゆっくり大きくなっています。
メスの方がオスより大きくなり、最大で30センチぐらいになります。
オスは20センチを超えることはほとんどありません。
繁殖可能なサイズはオスで12センチ、メスで15センチと言われています。
ただ、この数字にも個体差はあります。
いずれにしても、ここまで大きくなると水槽や狭いゲージで飼うことは不可能になってきます。
事情が許すのであれば、屋外飼育に切り替えた方が、無難でしょう。
庭にある池の一部分に金網で囲いをして、飼育スペースを作るのです。
自然に近い環境で飼育した方が、繁殖も容易です。
ミドリガメを長く飼おう
このように、ペットショップで売っている小さなミドリガメもいずれは成長して、甲羅は黒っぽくなり、身体も大きくなります。
将来のプランもないままに飼うと、亀も人間も困ることになってしまいますので、しっかり計画を立ててから飼ってくださいね。