ひょうきんな顔やカラフルな体色、独特な舌の動きなどが魅力的なカメレオンの仲間は、日本でも大人気のペットです。
中でもパンサーカメレオンは初心者でも飼いやすい種類として注目を集めています。
パンサーカメレオンの特徴についてご紹介します。
パンサーカメレオンとは
パンサーカメレオンは、爬虫綱有鱗目カメレオン科フサエカメレオン属に分類されるトカゲの仲間です。
アフリカ大陸の東の海域にあるマダガスカル島に生息する固有種です。
名前になっている「パンサー」は哺乳類の「豹」の意味を持ち、独特な模様が似ていることから名付けられました。
主に樹上で生活する爬虫類です。
現地の原生林で多く生息しています。
一生のほとんどを樹の上で過ごしますが、繁殖期になると地上に降り、地面の中に卵を産みます。
昼に活発に活動します。
主食は昆虫で、コオロギやバッタ、セミなどを生きたまま捕食します。
ペット用に大量に捕獲されたため、野生種の数を大幅に減らしています。
現在では人工繁殖の個体の流通が増えてきたため、生息数は回復しつつあります。
パンサーカメレオンの特徴
成体の体の大きさは、30cm~50cmで、オスのほうが大きい傾向があります。
大きな口と目を持ち、背中の丸い半月型の体を持ちます。
前後の足は細く、先端が丸まった尻尾が特徴です。
常に背中を丸めて、樹に掴まって移動します。
眼球はあらゆる角度を見渡せ、左右を別々に動かすことも可能です。
口から長い舌を伸ばして、動く獲物を捕食します。
動きのあるものに反応して行動を起こす性質があります。
エサとなる昆虫も、生きて飛び回っているものしかエサとして認識しません。
水も葉の上から落ちてくる滴を狙って飲むため、水たまりなどの流動性のない水には気付かないことが多いです。
種類によって異なる体色を持つ
太い横縞や円形の模様が特徴です。
気分や年齢、周囲の環境によって体の色を変える能力を持っていますが、基準となる色は生まれた時から決まっていて変化しません。
オスのパンサーカメレオンは生息する地域によって体の色が異なります。
ノシベと呼ばれる青や、アンバンジャと呼ばれる赤色など、様々な色をした種類が存在します。
単色だけではなく、色の濃淡がある、グラデーションが美しい個体もいて、愛好家からも大人気です。
体の色合いによって異なる種類として認識されています。
各種の色合いを維持するために、人工的に繁殖させる場合は多種との交配はあまり好まれていません。
可能な限り同じ種類の純血による繁殖を行って種の維持を図っています。
それでも色合いに変化が少ないメスのカメレオンは種類を判別することが困難なため、人工繁殖での純血の交配はとても難しいとされています。
パンサーカメレオンの性格・寿命
樹上で生活するパンサーカメレオンは、大人しい性格をしています。
動きがのんびりで、舌以外は素早く動かすことができません。
人間を前にしても攻撃を加えてくることはなく、飼い主の姿を認識して、良く懐きます。
慣れてくると人の手の上に自発的に乗ってくることもあります。
気紛れな性格のため、その時の気分によって甘えたりそっぽを向いたりと、飼い主への態度もばらばらです。
同じ種類の昆虫ばかり食べていると飽きてきて、全く食べなくなる場合もあります。
南半球の温かい地域に生息するため、寒さに非常に弱いです。
常に30℃に近い気温の環境で、元気に活動します。
パンサーカメレオンの寿命は、平均6年~8年です。
特殊な生態を持つカメレオンは、飼育下では、ちょっとした環境の変化でも死んでしまう場合が多いです。
長生きさせるためには専門的な知識や経験が必要になります。
パンサーカメレオンの値段・購入方法・注意点
パンサーカメレオンは日本でも多く流通している種類のため、ペットショップや爬虫類の専門店などで簡単に手に入ります。
人工的に繁殖された個体を選ぶほうが安心ですが、現地で採集された野生種を購入する場合には寄生虫の対策を行わなくてはならないため、詳しく説明・対応してくれる店が理想的です。
また、個人的に繁殖を行っているブリーダーから購入、譲り受けることも可能です。
インターネットでの情報収集や、爬虫類を展示するイベントなどに参加してみるのも良いです。
値段は4万円前後が一般的な値段です。
体の色や、販売する店・ブリーダーによって値段が異なるため、希望の品種や個体の状態をよく確認した上で購入することが望ましいです。
また、カメレオンを飼育する際には生エサの確保が必須となります。
カメレオンを飼うためには生きたコオロギなどの購入、または増殖させる環境も必要になることを念頭に入れておく必要があります。
パンサーカメレオンの特徴を知ろう
カメレオンは学術的にも珍しい生き物で、まだまだ謎の多い生物です。
ペットとして飼育を考える場合には、カメレオンについてよく勉強して、少しでも理解を深めてから挑むことが、楽しく飼育できる秘訣になります。
大事なパートナーとして適切に接することで、独特な動きや美しい色を長く楽しめます。