カナヘビは日本原産の爬虫類です。

「ヘビ」とはつきますがトカゲの一種で、四本の足があります。

なぜトカゲに「ヘビ」とつけたのか、その起源はいくつかの説があるものの謎のままです。

茶色い体に白と黒の横縞。

目がくりっとして可愛らしく、人にも慣れやすいので飼育しやすい生き物です。

このカナヘビの飼い方についてご紹介します。

飼育容器

カナヘビは成体でもせいぜい20cmほどの小さなトカゲです。

しかし、地面を這って移動する事が多いニホントカゲとは異なり、草や樹の枝などを渡り歩いて上下動を激しくするので、飼育容器にはそれなりの高さが必要です。

また、激しく動き回るので、あまり狭い容器だとストレスを与えます。

小さい個体であれば幅30cm程度のプラスチックケースでも飼育できますが、できれば60cmほどの容器を用意してあげましょう。

室内で飼う場合は60cmの水槽などが推奨されます。

ベランダで飼うのであれば、プランターでも飼育できます。

ただ、意外にジャンプ力があるので、ある程度の深さとメッシュの蓋などは必須となります。

設備と容器の内部

容器の底には必ずしも土を敷く必要はありませんが、自然と条件を同じにして上げた方がカナヘビが安心するので、園芸用の黒土などを敷いた方が良いと思われます。

カナヘビは臆病な生き物ですから、隠れ場所を用意してあげる必要があります。

例えば、河原でいくつか石を拾ってきて組み合わせ、カナヘビの体が充分入るぐらいの隙間を作ってあげる。

うさぎ飼育用の干し草などを容器の中に敷いてもぐれるようにしてあげるなどです。

そして、エサ用と水用の容器も用意します。

どちらもカナヘビが入りやすいように、深さは3cm以下のものにします。

また、平たい台を用意してやると、その上で日光浴をします。

容器の高さを確保できるのであれば、底の浅い植木鉢に草花を植えて置いてあげれば、その間を移動したりもぐったりします。

エサのやり方と栄養バランス

カナヘビは肉食で、生きている昆虫やクモを食べます。

最も理想なのは、カナヘビの口に入るぐらいの大きさのバッタやコオロギ、クモを定期的にとってきて与えることです。

ペットショップでエサ用のコオロギを購入するという方法もあります。

それが難しい場合はペットショップで売っているミルワームを用います。

ただし、パックに入っているままのミルワームはミネラルのバランスが悪く、カナヘビにとって決して健康的なエサとは言えません。

爬虫類を扱っているショップには、爬虫類用の栄養補助パウダーなどが売られているので、それをふりかけて与えたり、ミルワームに青菜などを食べさせてから与えると多少はましになります。

しかし、はやり自然下で食べているようなものを与えるのが理想的です。

量は1日にバッタかミルワーム2匹~3匹程度。

その点は、与えてみてカナヘビが食べたい量にまかせて大丈夫です。

カナヘビは満腹の時は無理に狩りをしません。

水は毎日とりかえます。

これは水道水で問題ありません。

日光浴と注意点

カナヘビは昼行性爬虫類で、日光から熱エネルギーを吸収して活動するための体温を得たり、紫外線をあびてカルシウムを吸収するために必要なビタミンD3を体内で合成するため、必ず日光浴が必要です。

室内で水槽に入れて飼育する場合は、紫外線ライトなどを使います。

ただ、カナヘビは日本原産なので、それほど強力な紫外線は必要ありません。

屋外飼育の場合は太陽光に当てれば良いのですが、特に夏の場合は細心の注意が必要となります。

まず、容器内が完全に日に当たるようにしてはいけません。

容器の半分を板などで覆い、必ず日陰になる部分を作り、また草を厚く敷いておきます。

透明なプラスチック容器の場合は、容器の周囲は覆って、横から熱が行かないようにします。

こうしないとカナヘビは日光から逃げる場所がなく、熱にさらされて死んでしまいます。

特に、コンクリのベランダに置くような場合は、容器の下にマットなどを置いてコンクリに溜まった熱が下から伝わらないようにしてあげます。

冬眠について

カナヘビは冬眠をします。

野外で飼育する場合は冬になると自然に草の間や土に潜って冬眠し、春になると這い出てきます。

ただし、飼育下では冬眠を失敗し、冬の間に死んでしまうこともあります。

失敗させないためには、夏から秋にかけて充分にエサを与えること、そして冬の間はあまり日が当たらない北側に置くことが大切です。

冬でも南側だと日に当たって途中で起きてしまうことがあり、それが冬眠失敗のもとになるからです。

当然、雨や雪などが容器に入らないような対処も必要です。

室内で飼育する場合は、むしろ冬眠をさせず、保温をして活動させておいた方が安全です。

してはいけないこと

カナヘビは人にある程度慣れやすいです。

しかしそれは、存在に慣れるというだけであって、犬や猫のようになつくという意味ではありません。

爬虫類は人間になでられてもまったく嬉しく感じません。

掴んだり撫でたりせず、容器の中の様子を観察するだけにしましょう。

それと、庭やベランダで飼うときは、容器に水が溜まらないように雨が入らないようにしましょう。

雨が降ったら室内に入れてあげるなどの対応をします。

カナヘビを飼おう

カナヘビはどこにでもいる身近な生き物です。

しかし、大切な命であることに変わりはありませんから、飼育者はカナヘビが元気に行きられるように注意しなければいけません。