「猫はコタツで丸くなる」なんて歌がありますが、実際コタツの中を覗いてみても丸くなっていないことが多いんですよね。
むしろ長くなっていたり、お腹を出してひっくり返っていたりという格好の方が多くなります。
猫がこたつで丸くならない時はどのような理由があるのでしょうか。
1.冷たい外気に触れないから、丸くならない
コタツの中は寒がりな猫にとっては天国のような場所なんでしょう。
何もしなくてもただ入っているだけで暖かいコタツの中では、ギュッと小さく丸くなって熱を溜め込む必要もありません。
人間も寒いと感じると自然と身体が縮こまってしまいますので、同じように猫も寒いと縮こまってしまうんでしょう。
何故寒くなると身体が縮こまってしまうのかというと、体の熱を逃さないようにするためです。
外気に触れる面積を減らすことで身体から熱が奪われていくのを防いでいるのです。
コタツの中は冷たい風も拭いてこないので、身体を小さくして風が当たる面積を減らす必要もありません。
逆に暖かさを身体全体で受け止めようとした結果、身体を長く伸ばしたり、お腹を出して大の字になってしまうんでしょうね。
2.気温が高いから、丸くならない
「猫の寝相を見れば現在の気温がわかる」という風にも言われています。
どういうことかというと、猫は15℃以下になると身体を丸めた状態で眠るようです。
しかしそこから気温が上がるにつれて段々と身体はほぐれていき、21℃辺りになるとダラーンと伸びてくるそうです。
コタツの中はとても暖かくて15℃以上になっているので、身体を丸めずに伸びて寝ているんですね。
ダラーンと伸びてきていると少し暑いのかも知れないので、温度を下げてあげる基準にもなってわかりやすくて良いかもしれません。
しかし猫がコタツの中に入っていてもコタツの電源が入っていないことがありますよね。
電源の入っていないコタツの中は布団で覆われているとは言え非常に冷えていることもあります。
そんな時はコタツの中でもギュッと身体を丸めている姿を見ることが出来るかもしれません。
3.安全な場所だから、丸くならない
猫が丸くなる理由には「警戒している」という場合もあります。
コタツに入ることが出来る猫ということは、家で飼われている猫ということですよね。
安全な家の中の、更に安全そうなコタツの中ではわざわざ警戒する必要がありません。
なので丸くならずに完全にリラックスしきっているようなダラーンとした格好になってしまうんでしょうね。
猫がコタツの中でのびのびした格好を見せてくれるということは、それだけ猫がその家で安心して生活しているということにもなります。
しかしもしかしたら何かから逃げて隠れていたり、突然変わった環境に混乱している等でコタツの中にいる場合なんかは、コタツでもギュッと丸まって警戒状態になるかもしれません。
そんな時は自分から出てくるまでそっとしておいてあげるのが良いでしょう。
4.人間が一緒に入っているから、丸くならない
コタツに入るのは勿論猫だけじゃなくて人間も入ります。
猫のように全身潜り込むわけではなくて入れるのは足だけですが、それでも猫にとっては大きくて非常に邪魔な存在かもしれません。
一人ならまだしも何人もの足が入っているとなるとかなり窮屈なので、猫が入れるのは少しの隙間しかありません。
そんな所では丸くなって眠る場所なんて余っていないのかもしれません。
足がない端っこの方のスペースや足と足の間の隙間に寝るとなると、丸くなるよりもダラーンと横になっている方がリラックス出来るのでしょう。
隙間に寝るのではなくて気にせず飼い主さんの上に乗る猫もいます。
甘えているのかコタツの中で足を伸ばしていると、顎や身体全体を乗せて来ることもあります。
一匹で丸くなっているよりも、飼い主さんにピッタリ寄り添っていることで安心できるのかもしれません。
5.そもそも「猫はコタツで丸くなる」のか?
童謡「雪」に登場する「猫はこたつで丸くなる」という歌詞。
この歌詞を聞くとやはりコタツの中で丸くなっている猫の姿を想像してしまいますよね。
しかし、実はこれは「コタツの中で丸くなる」という意味じゃないんだそうです。
昔のコタツは天板がなくて布団のままだったので、猫はその布団の上で丸くなって眠っていたそうです。
上で眠ると下からのぬくもりをダイレクトに身体に感じることが出来て暖かかったんでしょうね。
しかし昔は部屋全体を温めるような暖房器具はなかったので、部屋自体は寒いので丸くなっていたということだそうです。
昔のコタツは電気ではなくて豆炭なんかで温めていたので、中に入り込むのは危険だったでしょうしね。
現代の猫はコタツで丸くならない
猫がコタツで丸くならないのはどういう理由だろうという疑問だったのですが、そもそもコタツの中では丸くならないのが普通のようです。
猫にとってコタツは温かくて安全な場所なので、そんな場所でガッチリと丸くなる必要はません。
現代では「猫はコタツで長くなる」の方が正しいのでしょうね。
丸くなっていないリラックスした姿を見せてくれるのは、それだけ家や飼い主さんに安心しているということですね。