ドーベルマンといえば、かっこよさと強さを併せ持つ最強のガードマンです。
しかし、多くの人の頭の中には、非常に攻撃的な性格の印象が強く、怖いイメージがあります。
しかし、本来のドーベルマンはとても飼い主に忠実で、ペットやコンパニオンとして優れた犬種です。
今回は、実際に飼うときに気になる、犬の大きさや子犬の成長の過程についてご紹介します。
1.ドーベルマンの特徴
ドーベルマンは、ドイツが原産の大型犬です。
歴史としては比較的新しい犬種で、19世紀に誕生しました。
その作出の経緯から、ドーベルマン・ピンシャーとも呼ばれることがあります。
ドーベルマンは、もともと優れた警備犬を誕生させるために生み出されました。
元となったのはジャーマン・シェパードやジャーマン・ピンシャーといった屈強な犬たちです。
他に、ロットワイラーや大型のテリア種との交配を経て、改良が重ねられてきました。
ドーベルマンはとても賢く、非常に多くの仕事をこなす使役犬として重宝されています。
警察犬や空港などでの麻薬探知犬など、その活躍は広く知られていますよね。
また、ペットとしてもヨーロッパなどでは高い人気を得ている犬種のひとつです。
2.体の大きさ
ドーベルマンは、一般的には大型犬に分類されることが多い犬種です。
また、同じドーベルマンでも、ヨーロピアンタイプと、アメリカンタイプが存在します。
ヨーロピアンタイプの方が原種に近く、体つきは大きくなる傾向にあります。
日本で犬の血統を管理するJKCでは、理想的なスタンダードの基準を設けています。
オスの場合には、体高は68〜72cmとされています。
メスの場合には一回り小さく、63〜68cmが理想的な大きさです。
ドーベルマンは、大型犬ですが、細身で筋肉質な体つきをしています。
そのため、体高に反して、体重はそれほど増えないのも特徴のひとつです。
オスの体重は約40〜45kg、メスの場合には35〜35kgが理想とされています。
3.生まれてから大人になるまで
多くの大型犬に共通する点ではありますが、体の大きな犬は成長のスピードがゆっくりです。
一般的に、体の成長がおさまるようになるのは、生まれてから2〜3年くらいの時間がかかることが多いです。
一方で、性格的な成熟にかかる期間は一年くらいが目安になります。
ドーベルマンの子犬を引き取る場合、生後3ヶ月の子犬の体重は6kgくらいです。
ここから生後半年までは、著しい体重の増加と成長を遂げるようになります。
生後半年の頃には、体重は15kgくらいまで増加することもあります。
生後半年を過ぎると、それ以降は少し成長のペースが落ちますが、ゆっくりとした成長が続きます。
長いマズルやキリッとした表情は、この頃から徐々に見られるようになるでしょう。
徐々に足の付け根や胸板などの筋肉がつき、全体的にたくましくなってきます。
4.成犬期以降の変化や注意点
ドーベルマンの大きさについては、大型犬は成長のペースがゆっくりで個体差が出やすいことに留意しましょう。
子犬の頃に小さい子が急に大きくなったり、逆に思ったほど大きくならないこともあります。
そのため、成長を長い期間で捉えるようにして、焦らずに向き合う必要があります。
成犬期に入ったドーベルマンの場合、筋肉質な犬ですので肥満には注意してください。
とても運動量の多い犬ですので、体重が増えすぎると体に大きな負担がかかるようになります。
大型犬は股関節や膝蓋骨にトラブルを抱える犬も多いので、太りすぎには注意が必要です。
ドーベルマンの平均的な寿命は、だいたい10〜13年くらいだと言われています。
体の小さい犬よりも老化の進行は早く、寿命は短めになる傾向があります。
そのため、7〜8歳以降は、体調の変化や食事などに気をつけるようにしましょう。
5.成長はゆっくりじっくりと
ドーベルマンのような犬の場合、体が成長するのにはある程度の時間がかかります。
ゆっくりと成長する犬ですし、小さな頃に体重が増えすぎると、股関節に影響が出ることがあります。
子犬のときの大きさや体重は個体差も出やすいため、そのときの数字に惑わされないようにしましょう。
一方で、性格的な成熟にかかる期間は、他の犬とそれほど変わりません。
ドーベルマンのような警戒心の強い犬やパワーのある犬は、大人になってからのしつけは困難を極めるのはみなさんご存知でしょう。
生後一年までに社会性を培うようにすることや、マズルコントロールを済ませておく必要があります。
このように、ドーベルマンの成長やしつけには、ゆっくりとじっくり時間をかける必要があるといえます。
特に生後一年はのちの性格形成に大きな影響を及ぼすため、飼い主の関与が必要不可欠です。
成長期には、飼い主がしっかりと愛情を持って付き合ってあげるようにしましょう。
成犬のドーベルマンについて知ろう
ドーベルマンのような賢く、体力もある犬は一般的に飼育やしつけが難しいと言われます。
しかし、きちんとしたトレーニングをすることで、とても優れたコンパニオンドッグになる素晴らしい素質を持っています。
成長に関する正しい知識や、先を見据えて取り組むということが、良い犬に成長してもらうためのポイントです。
ちょっと手間がかかるとも言えますが、そのぶん愛情深い立派な大人になってくれるはずです。