犬にいつも与えているドックフードと、人間の食べているご飯、一体何がどう違うのだろう?そう疑問に思ったことがある人もいるかと思います。
今回は、人間のご飯と犬の食べるドックフードの違いについてご紹介します。
1.使われている食材の違い
犬の食べるドックフードには、普通人間であれば食べることのないような原材料が使用されていることがあります。
例えばドッグフードに使われているお肉類であれば、動物の血液や骨、爪などといった普通人間は食べられないような部分が含まれている場合があります。
これはドッグフードを作るときには、人間が食べるために食べられる部分をお肉から取った後に残る、人間には食べられない部分が加工されて使われているためです。
食肉部位のみを使用すると、どうしてもドッグフードの製造コストが高くなってしまうため、安いドッグフードではこのような非食肉部位が積極的に使用されています。
このように食肉可能な部位ではないところを無理矢理加工してドックフードにしていることもあるため、人間が食べるには適しません。
このようなドックフードはたくさん販売されていますが、もちろん犬にとってもあまりいい食事とはいえないので、できることなら与えないようにすることをオススメします。
2.栄養素の違い
そもそも人間と犬では必要な栄養素、その摂取量が異なっています。
まず私たち人間は雑食動物ですが、それに対して犬は完全に肉食動物です。
人間にとっては米や小麦粉などといった穀物類は生命の維持に必要で、ほぼ毎日摂取する食べ物です。
しかし、犬が穀物を摂取すると消化不良を起こしてしまったり、アレルギー反応を起こしてしまうこともあります。
例えばタンパク質やリン、カルシウムや亜鉛、鉄などは犬のほうが人間よりも多く摂取しなければならない栄養素です。
ドックフードにはこれが人間の食事よりも多く含まれている、ということになります。
また、食塩は人間よりも摂取をかなり控えなければならない栄養素であるため、ドックフードにはあまり含まれていません。
犬の場合、ビタミンCは体内で合成することができるため、ドックフードに含まれる必要はありません。
このように、犬に必要な栄養素がしっかりと含まれているのがドックフードなのですね。
3.においの違い
犬の嗅覚は人間の6000倍といわれています。
そのため、犬がしっかりドックフードを食べられるように「おいしそうなにおい」を出すことにも力が入れられています。
愛犬がカリカリのドックフードよりも、ウェットタイプのドックフードの方を好む…ということはありませんか?
実は犬は、食べ物の「におい」も使って味を判断しているため、ドライタイプのドックフートよりもウェットタイプのドッグフードを好む傾向にあります。
そのためドックフートには、食欲をそそるにおいがするチキンを配合してあったりと、犬の食いつきが良くなるような工夫がされているのです。
「最近あまり食欲がなさそうだ」「飼い犬がドックフードを選り好みして、あまり食べてくれない」とお悩みの飼い主さんは、においにも注目してドックフードを選んでみると良いでしょう。
4.味の違い
使用されている食材が人間の普段食べるものでないことから、当然味も人間のご飯とは全く異なっています。
人間が食べて「美味しい」と感じるものには大抵塩分が多く含まれていますが、犬にとって塩分の過剰摂取は大変危険なため、薄味になっていることがほとんどです。
ドックフードによっては、苦味が強いものもあります。
もしかすると興味本位でドックフードをかじったことがある人もいるかもしれません。
人間の食べ物と比べて、「味が薄い」「まずい」と思った方がほとんどです。
もちろん人間が食べても体に問題はありませんが、含まれている栄養分の違いから、長期的に摂取すると体調を崩してしまう可能性はあります。
中には人間が食べても美味しい
5.保存方法の違い
人間のご飯には、ドックフードのように常温で保存し続けられるものはあまり多くありません。
あったとしてもカップラーメンや非常食のようにお湯を入れてふやかしたり、電子レンジで温める必要があったりするものがほとんどです。
ですが、ドックフードは密閉容器にしまって直射日光の当たらない場所で保管すれば1か月はもつものがほとんどです。
これは使用されている食材、調理法の違いによるためです。
「人間は毎日調理をしなければならないのに、ドックフードは便利でいいなぁ」
なんてつい思ってしまう飼い主さんもいるかもしれませんね。
犬と人間の食べ物はしっかりと区別しよう
犬の食べるドックフードと人間のご飯の違いについてご紹介しました。
普段与えているドックフードの危険性についても少し理解できたのではないでしょうか。
安すぎるものは、やはり犬の健康にとっていいものではありません。
毎日与えるものですから、愛犬の健康のことを考えて、できるだけ体にいいものを選んであげるようにしましょう。