人間にとっては健康食材としてよく知られるブルーベリーですが、人の体には良くても、犬の健康を害するものが多数あるので注意が必要です。

ブルーベリーは犬にとっても健康食材なのでしょうか。

犬にブルーベリーをあげるメリットと注意点をご紹介します。

ブルーベリーには犬の体に良いビタミンがいっぱい

ブルーベリーには健康の土台となるビタミンA、ビタミンE、ビタミンCといった各種ビタミン類が多く含まれています。

ビタミンとは生物にとって必須の栄養素であり、三大栄養素である炭水化物、タンパク質、脂質のように大量には必要としませんが、生命を維持するために非常に重要な栄養素です。

ビタミンのほとんどは体の中で作ることができないため食事から摂取する必要があります。

各種ビタミンの犬への効能としては、ビタミンAには皮膚・歯茎の健康を保ち、免疫力を向上させて癌予防、心臓病予防効果などがあります。

ビタミンEには抗酸化作用があり、細胞膜の酸化を防ぐ効果や免疫機能を高める効果も持っているため、がんの予防に効果があります。

また、血管壁を丈夫に保ち、高血圧や動脈硬化や心臓病を予防する効果などもあります。

ビタミンCには、癌を予防し、免疫機能を高めることにより傷の治りを早めたり、アレルギーを軽減する効果があるため、膀胱炎を予防・治療する助けもできます。

他にも、正常な骨の形成も重要な働きを持っているので成長期には特に必要です。

犬は自分の体の中でビタミンCを作ることができますが、それだけでは病気予防などに十分な量ではありませんので、食事で補ってあげる必要があります。

ブルーベリーには犬の目に良いアントシアニンがいっぱい

アントシアニンは植物界に存在するフラボノイドの一種で、抗酸化作用がある成分として知られています。

最近では人間の疲れ目の回復や視力の回復に効くと言われ、サプリメントとして人気もあります。

なぜアントシアニンが目に良いかというと、目には物体を見たときに光を感じるだけの機能だけしかなく、目が感じた光は電気信号に変換され、視神経を通り脳に伝達されることによって、脳がその物体が何であるかを判断する。

これが物を見るという仕組みなのですが、その際の光から電気信号への変換は、網膜にあるロドプシンという物質が分解と再生を繰り返すことによって行われています。

このロドプシンの再生を促進するのに非常に有効なのが、ブルーベリーに多く含まれる成文であるアントシアニンだからです。

犬に関しても視力の回復に同様の効果があるかはわかっていませんが、眼精疲労やかすみ目などの回復効果は犬の目にもあり、老眼や白内障や緑内障の予防効果がありますので、特に少し年をとってきた犬にはオススメです。

なお、アントシアニンは体内に吸収されると、24時間以内に尿と一緒に排泄されてしまうので、こまめに摂取するのが良いでしょう。

ブルーベリーとぶどうは別物なので要注意

ブルーベリーと見た目がよく似た果実としてぶどうがありますが、ぶどうは犬がぶどう中毒を起こす可能性があるので、あげてはいけません。

ぶどう中毒は、腹痛・嘔吐・下痢などの初期症状から、悪化してしまうと急性腎不全を引き起こし、最悪のケースでは死に至るほど危険です。

ブルーベリーとぶどうは見た目や色などの雰囲気は似ていますが、ブドウはブドウ科、ブルーベリーはつつじ科の植物で完全なる別物ですので、ブルーベリーでぶどう中毒症状を引き起こすことはありません。

似ているからといって、間違ってぶどうをあげないように気をつけましょう。

レーズンもぶどうを干したものですのであげてはいけません。

ブルーベリーを食べさせる時の注意点

ブルーベリーは食物繊維が多く含まれているため、食べ過ぎると軟便や下痢を引き起こしてしまいますので、あげすぎないようにしましょう。

目安としては中型犬で1日15グラム、小型犬で10グラムぐらいまでです。

ブルーベリー果実の重さは、大きめの粒で1粒が1.2グラム、小さめの粒で1粒が0.8グラム程度で、平均すると1粒が約1グラムですので、犬の大きさに合わせた適切な数をあげるようにしましょう。

また、粒のままあげてしまうとよく噛まずに飲み込んでしまい、うまく消化されないことがあります。

せっかくの体に良い栄養分が体に吸収されないまま排泄されてしまいますので、少し潰すなどして、犬用のヨーグルトやクッキーなどの他の食事と混ぜて食べさせるのがオススメです。

なお、人間用のブルーベリージャムやブルーベリージュースは、犬にとっては健康を害するほどの大量の砂糖が含まれていて、下痢・肥満・糖尿病・歯周疾患の原因になりますので、絶対にあげてはいけません。

ブルーベリーは適量を守ろう

ブルーベリーは、犬の病気や老化予防に有効な各種ビタミンやアントシアニンが多く含まれいるオススメ食材ですが、犬のサイズに合わせた適量を守り、吸収されやすいように犬用ヨーグルトやクッキーなどに混ぜるなどしてあげるようにしましょう。

間違ってブドウをあげないように絶対に要注意です。